2010年6月13日の活動

市民相談3件対応。
市民要望対応。
本庄市長・上里町議と昼食。

第1回上田政治塾(熊谷。私費で宿泊費込み2万円負担)。
事務局長「今日は埼玉県の“勤皇党”の結成式ではありません」と挨拶(^^)。
上田塾長。
 マックス・ウェバーの政治学は、どんな困難もくつがえす。敵味方に分かれても、「あいつは凄いな」とお互い認め合うような関係を。学力が低下している。政治が一流でなければ、経済が二流になってしまう。超一流を目指そう。私も含め、自分達を鍛え直そう。
熊谷 弘(元衆議院議員)氏講義「孫子について」。
 政治家は、普通の人には出来ない犠牲を払う。相手の目で物を見よ。幕末、イギリスはインドのように分裂させて滅ぼし、資源を吸い上げた。
 「戦国時代。今の官房長官(仙石)の時代の話じゃないですよ」(^^)・・・。
 日本は、不屈の楽観主義でやるべきだ。うつ病の経営者に、ダメだと言っても仕方ない。添い寝する気持ちで、褒めろ。

上田塾長講義「政治リーダーの条件」。
 ①虫の目しかない行政。②成し遂げる成果のない行政。③赤字が苦にならない行政。この3つを打破できる政治リーダーでなければならない。
 ①10年間の比較では出さず、去年との比較で増えたか減ったかのみで、価値判断基準がない。単年度で見たら分からない。税金の収納率で言えば、0.2、0.3%の違いだから。 市町村長は自分達の立ち位置が分からない。気付かない。
 県内各市町村別の個人市民税の収納率の県内平均との比較を、地図に落として、色分けして市町村長に送った。これを分からなければ、政治リーダーの資格ないと言われても仕方ない。政治リーダーは、行政が出している資料に、慣らされてしまう。こういう資料をつくる政治文化を入れていかないと。
 日本とアメリカのGDPの差1:2は95年に終っているのに、未だに頭にこびりついている。
 空から鳥の目で見ろ。魚の目、潮の流れをうまく見ろ。
 財政担当は、数字が下がった事は分かっているが「まあ、いいか。バブルが崩壊したから」「まあいいか。銀行が破綻したから」としてしまう。
 埼玉県は治安状況が就任前に比べ、2倍に良くなった。犯罪件数は、全国平均よりも減っている。責任者が数字を見ない、事実をおっかけないと変わらない。
 警察官、就任前740人からら千人増員。増員は総務省の許可。大臣の頭に、埼玉が少ない事を叩き込まなければならない。
 民間の防犯ボランティア団体数、全国でダントツの1番。組織はつくった時がピークで、後は衰退するので、稼動状況も調査している。住宅侵入犯(再犯者が多い)が1万世帯のうち、53.5件→19.6件に少なくなった(64%減。全国平均より10%多く減らした)。 
 行政は、いい資料しか渡さない。政治家が「おお、よかった」と思っても、何の事はない。他の所は、もっと良くなっている。
 知事部局は情報出さなくて有名だが、教育・警察部局は、もっと出さない。意味のないものを発表する。学力テストによって、学力の数字が分かかり、1位だった秋田県に下位の沖縄・大阪は勉強に行った。文部省の学力テストがなくても、埼玉県の市町村別は分かる。不登校生徒数、高知県の橋本知事がやめたら、少なくなった。結果だからしょうがない。朝声かけをしても、学校に行けない生徒の中には、何かあるかも知れない。家で虐待されているかも知れない。
 ②やったふり行政。改革政策局長が「わが県はやったふりが得意です」と言った。日本全てそうだと言っても過言ではない。
 緑のトラストで57ha緑地を取得した。決して、減ったとは言わない。でもその間、緑が6500ha(東松山市面積と同じ)減っている。ユニバーサルとかバリアフリーとか、かっこいい事言ってだます。行政は残念ながらそう言うところがある。
 一番の例は、景気対策「融資10兆円」。用意しただけで、使われず、意味がない。私は、どうすれば借りやすいかを考えろと。
 政治家は、数字をおっかける達人にならなければいけない。
 ユニチャーム社長が政治リーダーに求めるのは「しつこさ」。
 ③赤字が苦にならない人がトップだったら、赤字は減らない。埼玉高速鉄道は、副知事が社長になるのが、慣習だった。
 何で黒字にする方策を持って来ないのか、2日後に持って来いと担当課長に話す。
 人事院勧告制度はやめたほうがいい。赤字だったら、給料減らす。赤字の自治体は、次の選挙で職員は現職市長に投票しない。国もそう。国のガバナンスより、地方のガバナンスは遥かに上だ。議員・職員の定数を減らし、努力している。国に物を申さなければ。現場から、このままじゃどうにもなりませんねと。
 県議会の議長が、審議会に3時間出て82万円の報酬。それで議長になる人が多いのかなと思った。
 鳥取片山前知事。職員が多い事を、自治体が小さいから気付かない。錯覚。交通事故死も典型。
 孫子は、戦い方を教えていると言われるが、私は違うと思う。闘っても傷つく。闘わずにすむ手段、外交を考えろと教えていると思う。勝つとか負けるとかの世界をつくらないにはどうすればいいか。
 マキャベリーは、理想と現実の中で何をしなければならないかを教えてくれる。
 マックス・ウェーバーは、挫折しない志を説く。「政治とは、情熱と観察力を持って、硬い板に力を込めて、徐々に穴を開けていく事を意味します。この世において、たえず繰り返して、不可能な事に対して、これを損なおうとする努力をしなければ、可能なものを貫徹する事にならないと。全ての経験が確証しています。しかしこれを成し得る者は、指導者であらなければならないし、謙虚さをもって、只今から武装しなければなりません。そうでなければ、あまりに愚鈍であり、全てのものに直面して、挫折しない確実なもの、ただこれのみが政治への志である」
 才能でなく、何が何でも打ち破ろうとする志であり、愚鈍であっても、仕事できると最後に申し上げる。

(前 杉並区長)山田宏氏講演。5月30日まで区長。
就任当時、区の財政極めて悪かった。松下幸之助さんは一番財政にうるさかった。人口53万人、一般会計1500億円。経常収支94%で歳出・固定費を減らすしかなかった。自分の給料を30%削減、ボーナス半分に。人件費比率を減らす。10年で千人減らす。その前の10年で減ったのは60人。結果、千人以上減り、民間委託費用を除き3割以上の経費削減になった。始めは議会も反対だった。
 歳出15%カット。今の人達の為に借金(赤字区債)をするのは良くない。
 敬老会の饅頭をやめたが、「饅頭みたいなものより、職員を切るほうが先だろう」と高齢者から苦情の手紙が山のように来た。 医師会長の新年会の挨拶「区長はもっと勉強しろ。15%のカットでなく仕分けしろ」。区長「確かに。でもそれは平時の事だ。今は船底の水が止まらない。お年寄りは饅頭を我慢した」。
 改革に例外無し。教育も。「我慢して下さい。財政が良くなれば考える」と言って、危機感を区民と共有。これが出来ないから、今の民主党はもたもたしている。事業仕分けから始めたから。 給食民間委託6万人署名。民間委託反対の発想は皆同じ。公務員がやると安全で、民間がやると危険と言われる。これは社会主義だと思った。区報に「果たして公務員がつくると安全か?」と書いた。失敗すれば路頭に迷うと思うほうが必死にやる。労働協約で決まっているから、公務員がやると、皿2つでスプーン1つ。労働強化になるから協議が必要になる。一時が万事そう。もちろん、時々民間は事故がある。9割9分は素晴らしいが、マスコミは首を取ったように書く。給食調理員の年収750万円、夏休みなどもあって。 知識人というのは、あやしい。知識人の会がある事がおぞましい。
 当初920億円あった区の借金は、あと2年でゼロになる。固定費は70%に下がった。
 国は、減収なのに、なぜ子供手当てを出すのか。定額給付金の2兆円あれば、新産業のシェアを何%上げるといった育成が出来る。区民は定額給付金を、3月は反対していたが給付される5月になると変わった。政治は2つの心のどっちを伸ばすかに、政治の本質がある。公を大事にして、私は後。戦後これまで逆になっていた。政治も政権運営だけだった。子供手当ては誰の金かと区民に聞くと「それは税金でしょ」と言われるので「赤ちゃんが借金を自分がした訳じゃないのに、自分が汗を流して返すのですよ」と言う。そういう給付でなく、いい公共サービスを担って、職員が成長する。人間の成長につながらない経営は間違っている。目先の得か損かの判断ではない。
 反対・賛成、その半分を取っていたらうまくいかない。レジ袋税導入に反対だった商店連合会に「レジ袋をタダで配り続ける事は、商いの道として正しいですか?」と聞くと1分間沈黙後、若いコンビニ店長が「ゴミ箱にレジ袋があふれ、自分は何をしているのかと思った」など発言相次ぐ。私は「5年間の間にレジ袋税を取らなくても減らしていけるようにしましょう」と言い、商店会は賛成に回った。
 現政権は法人税減税を言うが、どこに金があるのか財源を示しなさい。選挙がレストランのメニュー競争になっている。一品増やすとか。船のエンジンを変えようと言わなければ。
 公務員数を減らせば、余計な仕事をしなくなる。パーキンソンの法則で、役人の数が増えると手続きが増えて税金が高くなる。国家公務員数を減らせば、分権になる。
 杉並区は、子育てクーポン券を発行、保護者はそれを子供の一時預かりに利用。子育て事業者が増える結果に。
 依存心を高める政策でなく、自立心を高める政策。媚を売らない。
 成人式の挨拶「20年たてば成人になるのではない。今までありがとうと親に言うのが恥ずかしかったらメモに書いて渡して欲しい。戦時中20歳で戦争に行く上で遺書を書いた人もいる。乾杯をする時思い出して欲しい。その人の分まで立派な日本をつくって欲しい」。成人式でそう言う話をすると静かに聞く。涙する成人もいる。背筋が伸びる。
 昭和33年に日本は初めて海外援助した時、日本はなぜ貧しいのに、国内に使わないのかと野党。答弁は「日本も貧者の一灯であります」と。

櫻井よしこ氏(元 日テレキャスター)講演。
 将来日本を担う皆さんに。政治はそもそも何の為にあるのか?地球儀を見ながら、暮らして欲しい。出来たら山の凹凸の分かる地球儀。どう言う事を意味しているのか、直感的に養う為に。
 菅さんは、鳩山さんのようなボンボンと違い、手ダレである。
 なぜ日本が生き残れないか。歴史から検証。
 セオドア・ルーズベルトは親日家ではないのに、日本は親日家と思っていた。戦略家アルフレット・マハンが1904年に書いた「海上戦略」で「近い将来アメリカが日本と合いまみれる時は・・・。1分でも早く軍艦を移動させる為に、パナマ運河をつくるべき」。運河は昼夜10年かかって、1914年完成、第1次世界大戦に間に合い、勝利に結びつき、アメリカは大国になり、大英帝国は凋落し始めた。
 日本は今その兆しが見え始めている。
 中国は毎年2ケタの軍事費増。人類が成し得なかった軍事費22倍。それを他国がやれば教育・社会福祉どうすると言われて、出来ない。軍事費は一目置かざるを得ない。5月、中国の船が日本の経済水域に入って来て、日本の海上保安庁調査船が「出て行け」と初めて言われ、危ないと考え、移動。2時間半追い回された。どうして逃げたの?と海上保安庁に聞くと「移動しただけ」。
 中国は何を目指しているのか。軍事・経済の長期戦略。鄧小平は「実力をつける間は、頭を下げていろ」。そろそろいいのかなと思っているように感じる。1982年に、2050年までの段階的な軍拡路線を劉 華生が書いた。
 第1段階の達成は今年。 “第1列島線”を制覇する(東シナ・台湾・沖縄・公海全部入る)。目標達成の法律・世論・心理戦の喚起。中国国際大学教授の話、東シナ海の大陸棚は揚子江から出来たもの。
 2020年までに“第2列島線”制覇。ハワイを基点に太平洋の半分を中国に。空母をつくり、アメリカを入れないようにする。近い将来6隻の空母(3隻で1セット)。
 マレー半島、ミャンマーのクラ(KRA)に運河をつくる。貿易・軍事で有利。シンガポールなどは猛反対するだろうが、それでもやるだろう中国。1992年、中国は領海法を制定し、南シナ海は中国の内海。
 中国はどんな国か。中国共産党7千万人の金持ち集団。農民は虫けらのように思い、軍とつながっている。 アメリカは現在空母11隻体制で、1隻減らす計画。オバマ大統領は国防費を5年間で100兆円削ると言っている(国防費現在年50兆円)。
 ドルがなぜ基軸通貨か。今までの歴史は、軍事大国=経済大国。日本はアメリカの軍事力に守られていた。。1970~80年代、ドルを日本がため込んだ。日本の黒字がアメリカの赤字に匹敵。プラザ合意で円高、240円から79円で、日本企業の黒字は、はき出させられた。97年アジア通貨危機。日本はほどこしたが、中国は98年に金融専門家を中国に戻し(海ガメ派)人民元をどうすれば基軸通貨に出来るか検討。目標年次は2011年末。人民元の為替取引所をアジアに作らせる。5年後、決済は人民元で。
 21世紀産業のひとつ、稀少金属レアメタルは、強度が物凄く上がる。タングステンの9割は中国が握っている。カナダ・オーストラリアに鉱山があり、日本企業などが事業をやろうとすると、中国は国策として市場を値崩れさせる。オーストラリアの企業の株を中国は買い占めようとした事に豪政府が気付いた。台湾の企業に対し、中国は50倍の値段に吊り上げた。
 WTOはなぜ黙っているのかと思う。アメリカは日本を守ってくれない。日本は希少金属をつくる国策や、中国をWTOに告発するべきだ。 中国は、国家総動員法を制定、来月施行。世界中の中国人、中国にいる外国企業は協力する事が出来ると定められた。有事だから、車を中国の為につくれ、工場を開け渡せとならないか危惧される。日本は、中国の準備に備えなければ。中央政府に考える人がいないから考えなくていいとはならない。世界の中の日本の立ち位置を考えて。

 塾の講義終了後、知事に先日お願いして動いて頂いた件のお礼を言う。本当に助かりました。 飯能・鶴ヶ島・さいたま・八潮・三郷市議、県議、小川・皆野町議と深夜2時まで意見交換。勉強になりました。