最終更新日時:2024年11月23日 15時48分

2016年11月24日の活動

  

市民相談。
障害者施設代表の方と意見交換。
高校生と意見交換。
市民意見交換。
県庁。
決算担当県議と意見交換。空き家対策・農業新規参入。
狭山に戻り、

狭山歴史講座『新田義貞 鎌倉攻めの道』(講師:広沢健一氏)。

2017-04-12_09h56_22

 1333年5月17日、分倍河原での合戦に敗れ、狭山・堀兼に退く。
歴史上「1万の大軍」と言ったら大体2千人。たいていウソ。鎌倉に80万人の軍が来たと言うが。
東村山『八国山』に3万人、入れる訳がなく、3千人くらい。
大館氏は戦の後、所沢に行った一族。
民家は焼かない・女子供は殺さない風習だったが、新田は容赦しなかった。
 旗揚げから15日で鎌倉幕府滅亡。
 1335年、足利尊氏に敗れ、帰京。
 1336年、後醍醐天皇の南軍を、越前に行って集めようとした。
 1338年、藤島で敗死。義貞は後醍醐天皇の関東の純朴な武将だった。明治時代に藤島神宮が出来る。
義貞の息子達がまた武蔵・狭山に関わる。首が足利氏の陣のあった狭山に持って来られた。八幡神社は北向きに建てられている事から一時、『新田八幡』と呼ばれた。しかし、宮司が北に住んでいたからではないか。

〔太平記十巻〕(訳)
・『稲村崎成干潟附島津四郎降参事』
 新田義貞は準備万端整い、ここで敗れても仕方ないと思った。後醍醐天皇を救う為に、龍神様、水を割いて下さい。(解説:干潮を利用して鎌倉に攻め込んだのは間違いない。でないと入れない)北条方は、前後をはさまれた。新田軍が鎌倉に入ったので、戦意を失い、迷ってしまった。
・『鎌倉兵火長崎…』
 海岸線と稲生川の両方から火を放ち、浜風で燃え広がった。猛火の中を義貞が乱入。地獄の火もこれ程ではないと思われた。いよいよ北条方の屋敷に火が迫り、菩提寺で死ぬより他ないと、東勝寺に逃げ込む。
・『高時一門以下於東勝寺…』(北条の末路)
 (死ぬ時の当時の作法で、身を清める為に酒を飲む)高時を自害させる為、家来がまず腹を切って見せる。鎧を脱ぎ捨て、腹を切り、腸を取り出し、前に置いた。相模入道も同じ事をやった。頭をかき落とす人もあり、このようにして自殺して行った。北条一族の最後となる寺の裏山
・『忠時佐々目大僧正有…』
 東勝寺の庭。火に飛び込む者あり、兄弟で切りあう者、血は流れ、河のようになる。死体は道路に並び、重なる。寺で死んだのは874人。1333年5月22日、この事により、鎌倉幕府は倒れる。(解説:北条家は優秀。政子の系統)しかし9代目くらいになると(酒飲み、役者遊び、女好きになり)源氏が蘇る。

――――――――

かぐや姫の物語は、モンゴルにもインドにもある。
ウバ捨て山伝説は、青森から鹿児島にある。おじいさん・おばあさんを捨ててない。当時、平均寿命は40才。インドのお経の話。

――――――――

県議だった鈴木義弘衆議院議員(浅草)。
森本 元防衛大臣講演「防衛費がGDP2%以上の国は5カ国しかない。日本は防衛費の増額をせがまれるかも」。
上田知事と意見交換。
県内市長と意見交換。
民間事業者と意見交換。
(0時前に帰宅)

 

災害対策について

  

平成26年2月27日 県議会、一般質問

1.災害対策についての質問

質問 中川 浩

①“知事・市町村長 災害対策会議”(仮称)を設立し、定期的に危機意識の共有を
 私が議員になろうと思ったきっかけは、今から19年前の阪神・淡路大震災の被災地、神戸市灘区で半月間のボランティア経験がきっかけで議員になろうと決意をいたしました。阪神・淡路大震災で大きく注目された一つは、淡路島北淡町のふだんからの要援護者の把握と親身な対応でした。あれから19年がたちましたが、県内市町村で災害時要援護者の個別支援計画は残念ながらまだ策定し終わっていないところが約半分、63市町村中30あり、策定されている市町村でも実効性が伴っているとは思えません。
 都会だからと、災害は許してくれません。この対策が機能していけば、防災だけに限らず、高齢化対策、防犯対策など、あらゆる地域の課題解決の礎になります。市町村は首長さんの感覚、判断に大きく左右されると、これまでの災害現場で私は体験してきました。これまで主に6つの災害現場に関わらせていただきました。
 例えば、東日本大震災の当日、県内の市によっては防災課でさえ夜6時には全員が帰ってしまい、帰宅困難者が困った市も県内にございました。防災担当の市町村職員は、防災の研修は何回も受けて訓練やマニュアル作りをしてきたはずなのにです。
 一方で、今回の大雪では、本庄市のように非常参集職員のほかに職員が200人、雪かきのために参集した市がある一方、電話対応を含めて10人ぐらいしか職員を参集させておらず、市民の間では批判が出ていた市もありました。災害が小規模であっても、行政の対応がどうだったかによってその評判は長く尾を引きます。命がけで今回除雪をしていただいた新潟県庁の皆さん、そして民間業者の皆さん、そして不眠不休で秩父市役所や、あるいは被災地で活動された市の職員の皆さんには、改めて本当にお疲れさまです。御礼を申し上げます。昨年9月の竜巻被害など、中規模の災害でも最大限職員が市民の役に立てるよう、県と市町村が一丸となって職員参集、応援力を向上させられればと思います。
 今回の14日の大雪では、市民の危機意識も課題があると思いました。一週間前にも大雪が降ったわけですが、山梨県では1,000台の車が立ち往生、私が大雪の翌日、狭山市内を雪かきしているときも車が何台も立ち往生したので、押したりタイヤの周りを雪かきしましたが、仕事や病院など以外でなぜこんなに車が出るのか、車は万能で何とかなると安易に思っているのだなと感じました。東日本大震災では避難で車が渋滞し、歩いて逃げようとしなかったため、残念ながら何人もの方が亡くなりましたし、その危機意識がまだ埼玉県民に共有されていないと感じた日でした。
 大規模災害時には、そういった市民も救助しなければならず、救助活動は更に余計に難航します。市民に危機意識を持っていただくのも重要なことです。中規模な災害でできなかったことを教訓としないと、大規模の災害では死者や関連死が出て県民が困ります。東日本大震災からわずか3年弱の間に、埼玉県では竜巻や大雪と、想定外の災害に3度も遭ってきました。今が変えるときだと思います。危機意識の共有がまず重要で、マニュアルでは伝わらない上田知事のよくおっしゃる「熱伝導」が最も必要だと思います。次に来るのは首都圏の大災害かもしれません。やらなければならないことが分かっていても、一つ一つを実行に移そうとしなければ、東日本大震災で亡くなられた方は浮かばれません。
 そこで、(1)、(仮称)ですが、知事、市町村長の災害対策会議を設立し、首長同士が定期的に危機意識を共有してはいかがでしょうか。


答弁者:上田清司県知事

①「『知事・市町村長災害対策会議』を設立し、定期的に危機意識の共有を」についてでございます。
御提言は大賛成です。
知事と市町村長が危機意識の共有を図る事は極めて重要であります。
昨年9月には、市町村長トップフォーラムというものを開催し、私も出席し、危機や災害発生時に求められるリーダーの役割を再認識して頂いたところでございます。
御提案も含め、定期的に県と市町村の間で危機や災害について理解を深め合い、共通認識を持てる場を考えていきたいと思います。


質問 中川 浩

②災害時要援護者支援計画の全市町村早期策定と、計画を実効性あるものに

質問後、埼玉新聞が取り上げた記事。


 大雪に見舞われた秩父市で、雪かきに参加し、孤立集落だった地域で診療所が薬を市職員に頼んで届けてくれたという話を伺い、日頃からその地域では行政職員が市民にとって親身な活動をされていると思いました。
 そこで、(2)災害時要援護者支援計画の全市町村早期策定と、計画を実効性あるものにしていただきたいと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。

 


答弁者:上田清司県知事

②「災害時要援護者支援計画の全市町村早期策定と、計画を実効性あるものに」についてでございます。
市町村の災害時要援護者支援計画の進捗状況は、全体計画60市町村、個別計画30市町、要支援者名簿は50市町村が作成しております。
災害対策基本法により来年度からは名簿の作成が義務化されますので、計画の策定を市町村に強く求めていきたいと思います。
また、研修会などを通じて先進的な活用事例を紹介し、計画の実効性を高める取り組み、そういうものを支援していきたいと考えます。


質問 中川 浩

③(中規模の災害でも、県・市町村共)災害担当外職員の参集・応援力向上を
 今回の大雪の教訓で、インターネット、SNSを活用しようとする市もありますが、私もSNSで大雪の状況を写真で見て、秩父市の各地がこんな状況ではお手伝いに行かなければと決意するきっかけになっただけでなく、現地の人と、本日もお見えですが、つながり、てっきり十分だと思っていたことが足りておらず、現地の人が求めていることに協力するきっかけにもなりました。
 そこで、(3)県としてのSNSの活用について知事のお考えをお聞かせください。


答弁者:上田清司県知事

③「県としてインターネット、SNSの活用を」についてでございます。
被災者から発信されるSNSなどの情報を大づかみにして見るだけでも、今、何が求められるかという事について把握できる可能性があります。
また、多くの方が利用しているSNSなどの媒体は、電話が不通の場合こちらから情報を提供する手段になる場合もあるかと思います。
今までの市町村や消防本部などからの情報だけではなくて、現地で個々の県民から発信されるこのような情報も災害対応には極めて活用できるようなツールではないかと考えます。


質問 中川 浩

④災害担当外職員の参集・応援力向上を
 阪神淡路大震災で大きく注目されたひとつは、淡路島 北淡町の普段からの要援護者の把握と、親身な対応でした。
あれから19年経ちましたが、県内市町村で災害時要援護者の個別支援計画は、残念ながら、まだ作成し終わっていない所が約半分、63市町村中30あり、策定されている市町村でも実効性が伴っているとは思えません。「都会だから」と災害は許してくれません。これが機能していけば、防災だけに限らず、高齢化(・核家族化・防犯)対策など、あらゆる地域の課題解決の礎になります。
市町村は、首長さんの感覚・判断に大きく左右されると、これまでの災害現場で私は体験して来ました。
例えば東日本大震災の当日、県内の市によっては、防災課でさえ、夜6時には全員が帰ってしまい、帰宅困難者が困った市もありました。
防災担当の市町村職員は、防災の研修は何回も受けて、訓練やマニュアル作りをして来たはずなのにです。
一方で、今回の大雪では(県内の中で積雪量に違いはあったとは言え)、本庄市のように、非常参集職員の他に、職員200人が雪かきの為に参集した市がある一方、電話対応含めて10人くらいしか職員を参集させておらず、市民の間では批判が出ていた市もありました。災害が小・中規模であっても、行政の対応がどうだったかによって、その評判は長く尾を引きます。
その一方、命がけで除雪作業を行って下さった新潟県庁の皆さん、民間業者の皆さん、不眠不休で業務にあたった秩父市などや県庁職員の皆さん、本当にありがとうございました。
昨年9月の竜巻被害など、(市内全域ではない)中規模の災害でも、最大限職員が、市民の役に立てるよう、県と市町村が一丸となって、職員参集・応援力を向上させられればと思います。
今回の14日の大雪では、市民の危機意識も課題があると思いました。1週間前にも大雪が降った訳ですが、山梨県では千台の車が立ち往生。私が大雪の翌日市内を雪かきしている時も、(雪に弱い構造の)車が何台も立ち往生したので押したり、タイヤの周りを雪かきしましたが、仕事や通院など以外で、なぜこんな日に車で出るのか、車は万能で、何とかなると安易に思っているのだなと感じました。東日本大震災では、避難で車が渋滞し、歩いて逃げようとしなかった為、何人もの命が失われましたが、その危機意識が、まだ埼玉県民に共有されていないと感じた日でした。大規模災害時には、そういった市民も救助しなければならず、救助活動は余計に難航します。市民に危機意識を持って頂く事も重要です。(アメリカでは、市が大雪の際、非常事態宣言を出したり、市が州の道路も除雪する事をあらかじめ決めているとの事。災害会議で情報共有をして頂ければと思います)
 中規模の災害で出来なかった事を教訓としないと、大規模の災害では死者や関連死が出て、県民が困ります。
東日本大震災からわずか3年弱の間に、埼玉県では、竜巻・大雪と、想定外の災害に3度も遭って来ました。今が変える時だと思います。
危機意識の共有がまず重要で、マニュアルでは伝わらない、上田知事のよくおっしゃる“熱伝導”が最も必要だと思います。
次に来るのは、首都圏の大災害かも知れません。
 やらなければならない事が分かっていても、ひとつひとつを実行に移そうとしなければ、東日本大震災で亡くなられた方は、浮かばれません。
そこで、“知事・市町村長 災害対策会議”(仮称)を設立し、定期的に危機意識の共有を首長同士が図る場をつくってはいかがでしょうか?
大雪に見舞われた秩父市で、私も雪かきに参加し、孤立集落だった地域で「診療所が薬を、(支所の)市職員に頼んで届けてくれた」という話を伺い、日頃からその地域では、行政職員が市民にとって親身な活動をされていると思いました。
災害時要援護者支援計画の全市町村早期策定と、計画を実効性あるものにして頂きたいと思いますが、知事のお考えをお聞かせ下さい。
 今回の大雪の教訓で、インターネット SNSを活用しようとする市もありますが、私もSNSで大雪の状況を写真で見て、秩父市の各地がこんな状況ではお手伝いに行かなければと決意するきっかけになっただけでなく、現地の人とつながり、てっきり充分だと思っていた事が足りておらず、現地の人が求めている事に協力するきっかけにもなりました。
県としてのSNSの活用について、知事のお考えをお聞かせ下さい。
(今回の大雪では県庁職員の現地派遣は雪で困難でしたが)災害に直接向き合わざるを得ないのは市町村で、力は限られており、災害では、何を外部に頼むかの依頼をする手も無い事がよくあります。市町村をバックアップする重要な応援体制を構築する為、県庁職員の力を結集していかなければならないと考えます。
 災害現場で感じるのは、担当職員とそれ以外の職員の、災害現場に向けられる関心の差と、仕事量の大きな差です。(阪神大震災では、被災していない市民がパチンコをやっている事がマスコミで批判されました)
防災担当職員は異動で変わるので、県庁の防災担当ではない皆さんにも、お休みの日に、大雪に見舞われた秩父を見て頂ければと思います。
県と市町村の職員参集・応援力の向上について、知事のお考えをお聞かせ下さい。


答弁者:上田清司県知事

④「災害担当外職員の参集・応援力向上を」についてでございます。
埼玉県では、災害の規模に応じて職員の配備体制を定めております。担当部局の職員だけではなく、全職員を対象とした参集体制を取っております。
各市町村でも、多少の差はありますが同じような職員の参集体制が定められております。
今回の大雪災害は従来の考え方を変えざるを得ないようなものであり、多くの課題が明らかになりました。
県でも、市町村と共にこの災害に対する対応方法の検証を行う中で、担当外職員の参集・応援力の向上について十分検討をしてまいります。


質問 中川 浩

⑤“首都圏広域災害ボランティアネット”(仮称)設立を(土木など専門職を含む)
・埼玉県災害ボランティアの活用を
 少子高齢化や相次ぐ災害で、協働が叫ばれている中、県内社会福祉協議会のボランティア人数は減っています。
昨年9月の竜巻被害で、ガレキの片付けに参加し、現場で目の当たりにしたのは、社会福祉協議会がニーズの把握に手間取り、足回りが悪いと感じる一方、災害現場に慣れている県外(宮城)のボランティア組織が、一番被害の大きかった地区の自治会と連携し、現地災害対策本部・ボランティア本部を集会所で運営し、とび職や重機を持っている日頃の人脈も駆使して、住民のニーズに昼夜問わず、即座に対応していた事です。
 そこで、頻発している首都圏の次の災害に備え、それがどこで起きてもいいように、土木など専門職を含む“首都圏広域災害ボランティアネット”(仮称)の設立を提唱・呼びかけてはいかがでしょうか?
また、県が制度化した埼玉県災害ボランティア制度は、(私も登録しておりますが)近年活用されておらず、有機的に活用してはいかがかと思いますが、知事のお考えをお聞かせ下さい。

<参考:ボランティアの状況>
①埼玉県防災ボランティア(平成8年~)  登録者270人 40団体
②竜巻ボランティア  越谷・松伏1952人  熊谷・行田671人
③福祉ボランティア
埼玉県 10万5千人→10万人  栃木県4万8千人
神奈川県(政令市除く)5万3千人
④市町村社会福祉協議会 独自の取り組み
・寄居町社協 見回り活動 ・ふじみの市社協  勝手に見回り隊
・行田市社協


答弁者:上田清司県知事

⑤「『首都圏広域災害ボランティアネット』の設立をー埼玉県災害ボランティアの活用をー」についてでございます。
埼玉県災害ボランティアは、平成8年に登録を開始し3年ごとに更新はしております。
御指摘頂きましたように、災害を想定した訓練などを実施して来なかった事から有効に活用されておりません。
そこで、今回の大雪災害を教訓に、ボランティアが災害時に積極的に活動してもらえるような研修や訓練というようなものをどんな形で作っていくか、そうしたことについてきちっと考えていきたいと思います。
また、首都圏広域災害ボランティアネットの御提案ですが、大変意味のある提案だと思います。
大災害時に首都圏で適切にボランティアを派遣したり配置できれば、復旧復興により役に立ちますし、そうした事も極めて重要だと思います。
ただ、どのような形でネットワークを作るかという事については、また、中川議員と改めて、その課題については、議論研究をさせて頂きたいと思います。


質問 中川 浩

⑥県民自身の食糧等備蓄の改めての徹底を
 私は、大雪で孤立した秩父市大滝の5つの集落の家を、地元の方と(孤立が解消された後22日に)訪問し、14人の方にお話を伺ったところ「普段から食料や燃料を備蓄している」「大雪の予報だったので、木曜日の段階で病院に薬をもらいに行って良かった。金曜日は朝から雪が降り出したので」(「あと2日孤立が長引いたら、燃料が切れたので、少しドキドキした」)とのお話を口々にお聞きし、日頃からの備えの精神を感じました。
 秩父だけでなく、今回の大雪では、都市部のスーパー・コンビニでも、食料品が底をつきました。
東日本大震災からこれで2度目の品薄です。もう東日本大震災の時のような、品薄だから余計に買いに走るというパニック状態を2度と見たくありません。
 今回の大雪を大きな機会と捉え、県民自らの食糧等備蓄の改めての徹底をお願いしたいと思いますが、知事のお考えをお聞かせ下さい。


答弁者:上田清司県知事

⑥「県民自身の食糧等(など)備蓄の改めての徹底を」についてでございます。
現在、県や市町村では、主に避難所の避難者を対象にした水や食料の備蓄をしていますが、県民が必要な食料を全て備蓄しておく事は極めて困難かなというふうに思います。
そこで、県では、家庭で備蓄食料を使いながら新しいものを順次買い足していく「ローリング備蓄」というものを広報紙などで繰り返しお願いをしております。
現在見直しの中の地域防災計画にも、このローリング備蓄の内容を盛り込み、県民に食料備蓄の徹底を働き掛けていきます。

教育  ①公立高校入試問題の改革を(勉強が苦手な生徒もやる気が出るように)

  

平成26年2月27日 県議会、一般質問

2.教育
①公立高校入試問題の改革を(勉強が苦手な生徒もやる気が出るように)

質問 中川 浩

このテーマは、浅野目議員も昨年6月に質問し、問題点を指摘されています。
 中学生が受ける模擬試験は、過去の高校入試問題を参考に行なわれ、結果としてその偏差値により、生徒本人は志望校を選びます。
(私立は、学校によって試験が違います)
しかし、埼玉では、県立高校入試問題とそれに付随する模擬試験は、1種類な為、仮に全てを簡単な問題にしてしまうと、進学校では100点が続出して、差が付かなくなるので、県立高校入試は、進学校の高いレベルに合わされています。
基礎問題は、現在の県立の入試には少ししか出ません。
たとえば英語は長文問題もあります。
昨年の県立高校入試の平均点は、275.5点。
500点満点中、一番多いのは、210点台で、これでは「出来た」という実感は湧きません。
例えば数学の平均点は、42.4点。
数学の点数が、10点以下だった生徒が、全日制だけで約1080人。20点以下が11%、5080人もいます。受験した10人に1人は20点以下という事です。
生徒にとって、生まれて15年生きた集大成が、高校入試です。
しかし、勉強が苦手な生徒は、中学校でのテスト結果を親に見せるのが嫌なばかりか、入試に出る出来ない問題を中学の授業で出されるので、(客観的に見れば)試験日までに出来るようにならないのに、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃとパニックになるか、出来ない分野は捨てる“消去法”の受験勉強になります。
入試で10点以下、20点以下の生徒は、目標を中々見い出せず、「倍率が低い所でいいや」と勉強しがいがなく、私立(高校)に受験生が流れます。
また、県立を受けても、合格できる確信は持てず、合格後も、何で受かったのか首をかしげ、「あまり出来なくても受かった」と思い、勉強意欲がそがれ、高校生活、引いては「どうせ俺なんか」と人生にサジを投げ始めます。
 高校等進学率は98.8%で、入試で10点しか取れなかった生徒の困難校での苦労は計り知れませんし、中退者予備軍と言っても過言ではないと思います。なお、中途退学者は23年度2374人おりました。(公立高校を目指す子供達の中でも、家庭の格差の問題が降りかかっています)
 埼玉県立高校では、入試問題が1種類なので、トップの一握りの生徒に合わされ、数学で90点以上は県立受験者4万7千人中、わずか90人です。
しかし、東京都では既に、13年前から問題が複数になり、現在、進学指導重点校等15校が独自の問題で実施しています。
 大阪・北海道など、私が知っているだけで5つの県では、高校が入学試験問題を選べる方式です。
生徒の入試への学習意欲が失われない為に、挑戦のしがいのある入試にして頂きたいと願いますし、来週3日には県立入試が行われますが、改革の検討に何年もかけていると、毎年5千人規模の子供達が同じ目にあうので、モデル的に実施するなど、早く実現して頂きたい重要な問題です。
(入試改革をする事で、公立高校の底上。公立離れを止められればと思っています)
 現在県内で勉強が苦手な生徒が入試に困っている現状の認識と、他県の取り組みについて、どのように評価されているか?そして、県立入試を、たとえば進学校用の問題と、一般的な学校用で、入試問題を分けて頂きたいと考えますが、教育長のお考えをお聞かせ下さい。


答弁者:教育長

「教育」の(1)「公立高校入試問題の改革を」についてお答えを申し上げます。
まず、「現在県内で勉強が苦手な生徒が入試に困っている現状の認識と他県の取組についてどのように評価されているか」についてでございます。
議員お話のとおり、平成25年度学力検査教科別得点分布をみると、数学では100点満点で平均点42.4点のところ、20点以下の受検生が1割以上おります。
それらの受検生の解答状況をみると、頑張って取り組んではいるものの、基礎的な四則計算や方程式ぐらいまでしか得点に結びついておりません。
勉強が苦手な生徒が少なからずいるものと認識しております。
また、他県の入試問題の状況について調査したところ、例えば秋田県のように選択問題を導入したり、東京都では自校作成問題を何校かで使用しております。
このような都県では、それぞれの教育委員会が、地域の実情や受検生の状況を踏まえ、学力検査を実施しているものと考えております。
次に、「入試問題を分けることについて」でございます。
高校入試は、中学生にとって中学校で3年間勉強してきたことの集大成であり、一人一人の学力を伸ばす為の大きな目標となります。
また、高校入試における学力検査問題は、受検生の持つ学力を測定するものであると共に、各高校の入学者を選抜する為の重要な資料となるものです。
更に、高校入試は中学校の教育に大きな影響を及ぼしますので、他県の取組も参考に、検討していく必要があります。
県と致しましては、現在の学力検査の結果をよく分析し、課題を明らかにした上で、受検生が最後まであきらめずに取り組めるような入試問題の作成の在り方について研究してまいります。


再質問 中川 浩

 東京都や他県の例を出されたが、教育長はどのような形が望ましいと 思っているのか。また、どういうスケジュール感で行っていかれるのか、教育長に伺います。


答弁者:教育長

ご質問は、高校入試改革をどういうスケジュール感で行っていくのかという事かと思います。
本県では、平成22年度入試から推薦入試を無くしまして、全員に学力検査を課す方式に変えました。
また、平成24年度入試から、前後期2回あった入試を1本化しました。
全員が5教科を受けるという試験を実施しています。
この入試制度改革により、中学生の学力向上に非常に資するという事で、高い評価を得ている状況があります。
高校入試は中学校の教育に大きな影響を及ぼしますので、慎重に検討していく必要があると考えております。
このように改革を進めてきておりますので、そういった意味で慎重を期する必要があると思います。
しかし、議員お話のように、科目ごとの平均点の違いとか、正答率の違いに課題があるという事については事実ですので、今までの流れにとらわれずに、柔軟に考えなくてはいけないというふうにもとらえております。
今後、他県の入試の問題を更に調査を進めると共に、勉強が苦手な生徒のやる気が出るような入試問題の作成の在り方について、研究してまいりたいと思います。


再々質問 中川 浩

 教育長はどのような形が望ましいと思っているのか、スケジュール感と共に改めて教育長の考えを伺います。


答弁者:教育長

先程も申し上げましたが、早急に本格的な分析や調査に着手し、受検生が最後まであきらめずに取り組めるような入試問題の作成の在り方について研究を進めてまいります。

教育  ②小・中学校の夏休み中の補充学習等や夏休みの縮小

  

平成26年2月27日 県議会、一般質問

2.教育
②小・中学校の夏休み中の補充学習等や夏休みの縮小について

質問 中川 浩

(私のまちでは人口流出が大きく(人口15万5千人。かつては16万3千人)、今後人口が平成(28~)37年まで1万5千人減ると(市は)推計しています)
 埼玉県は、東京都に便利さでは上回れませんし、財政力でもかないません。
しかし、国の礎である教育は、東京都にお金の面でなく、仕組み・取り組みの面で、太刀打ちしていかなければ、埼玉県は超高齢社会を乗り越えるのも大変だと思います。
 さて、子供達の健全な成長の為には、義務教育段階で最低限の学力・体力をしっかり身に付ける必要があります。
私は、小・中学校における夏休み中の補充学習・水泳指導を充実させたり、夏休みそのものを短縮する事が子供達の学力・体力を向上させる有効な手立てだと考えます。(小中学校の先生からもそのようなお話を伺っています)
(学校完全週5日制のもと、それを《土日を含め》学期中に行なうには限界があります。【特にプールは】)
 都内の小・中学校では、夏休み中、積極的に補充学習や小学校の水泳指導に取組むよう区市町村の教育委員会の方針が見受けられますが、埼玉県では、都内より少ないように感じます。
特に水泳指導の時間数は、私達が子供の頃と比べて激減しています。
そういった中で、最近、私の周りには、東京都の教育の取り組みのほうが勝っていると感じ、子供の就学に合わせて都内に転居する人がいます。
県民は、行政や教育機関の取り組みや雰囲気を敏感に感じ取ります。
しかし、①の質問テーマもそうですが、それに対応する為の方策を行う事に対し、県から危機感が伝わって来ません。
 そこで、小・中学校での夏休み中の補充学習・小学校の水泳指導が何日間実施されているのか東京都と埼玉県の日数の差について調査の上、県民と市町村教育委員会に発信して頂きたいと思いますし、合わせて、夏休み中の補充学習・水泳指導の実施や夏休みの短縮についての教育長の見解を伺います。


答弁者:教育長

次に、(2)「小・中学校の夏休み中の補充学習等や夏休みの縮小を」についてでございます。
まず、「埼玉県と東京都の間での小・中学校での夏休み中の補充学習・小学校の水泳指導の実施日数の差についての調査」についてでございます。
県内のさいたま市を除く公立小学校の補充学習は526校・約74%の学校で実施されており、そのうち約5割の250校が5日以上実施しております。
中学校は345校・約95%の学校で実施されており、そのうち約6割強にあたる223校が5日以上実施しております。
また、小学校の水泳指導については、694校・約98%の学校で実施されており、そのうち、9割以上の654校が6日以上実施しております。
東京都と埼玉県の日数の差の調査については、議員お話の趣旨を踏まえて調査し、その結果を発信してまいります。
次に、「夏休み中の補充学習・水泳指導の実施や夏休みの縮小についてどう考えるのか」についてでございます。
子供達一人一人の学力や体力をしっかり向上させる事が大切であり、補充学習や水泳指導は、それぞれ有効な手立てであると考えております。
また、夏休みは、子供たちにとって自然や地域の中で家族や友人などと共に、様々な体験をする貴重な機会でもあります。
夏休み中の補充学習・水泳指導等の実施や夏休みの縮小などの検討にあたっては、市町村や学校が創意工夫をし、子供たちの学力や体力の向上を図ってほしいと考えております。
県と致しましては、効果を上げている事例について調査し、市町村等に情報提供してまいります。

教育  ③ノーマライゼーション教育の計画的推進を

  

平成26年2月27日 県議会、一般質問

2.教育
③ノーマライゼーション教育の計画的推進を

質問 中川 浩

・小学校は、通常学級在籍を原則で。
 これまで埼玉県は、保護者のニーズの高まりで、特別支援学級の児童が増えていると言って来ましたが、それには一部誤りがあると思います。
県はこれまでノーマライゼーション教育の推進を謳って来たものの、現状は、小中学校の特別支援学級在籍人数が毎年大幅に増え、通常学級と特別支援学級との距離が開いてしまった感が否めず、私が子供の頃は、今思えば発達障害のような子がいましたが、通常学級で特に問題なくやっていました。近年は、通常学級のあり方がうまくいっていないのだと思います。
 発達障害等を診断されたり、学校から学習の遅れを指摘されるなどした児童・生徒の保護者は、就学支援委員会から毎年声がかかります。しかし普通学級に在籍させておきたい保護者が多く存在する事実があり、これは県教委が行った就学状況調査で判明済みであります。毎年就学支援委員会の季節になると、学校との連絡を拒絶する該当保護者が少なくないと聞きます。児童生徒本人の為の就学相談であるはずですが、学校と保護者がこのような状況では本人の為にならない事は明確です。
 ノーマライゼーション教育を推進する埼玉県として、知的障害の無い発達障害児童は、成長が著しい小学校6年間の在籍の原則を、通常学級とし、国語・算数など主要教科は通級による指導で、個に応じた学習を図り、また、社会性構築の為、その他の授業では、サポートが必要な児童において補助指導員を活用しながらクラスの一員としての責任と喜びを感じられるようになって欲しいと願いますが、教育長のお考えをお聞かせ下さい。
 また、県としてこうした考え方で就学支援に取り組むのであれば、個々の適正な就学とは何か、またどのような仕組みで取り組むお考えか、スケジュール感と併せてお聞かせ願います。
・特別支援学校の改革
子供の数は減少しているのに、特別支援学校高等部の生徒の増加は著しい中で、生徒の社会的自立を目指した多様なカリキュラムになっておりませんが、特別支援学校のカリキュラムについての改革をどのように行い、いつ県民や市町村教育委員会にお示しになるのでしょうか?教育長のお考えをお聞かせ下さい。


答弁者:教育長

次に、(3)「ノーマライゼーション教育の計画的推進を」の「小学校は、通常学級在籍を原則で」についてでございます。
昨年9月に学校教育法施行令が改正され、市町村教育委員会はこれまで以上に保護者の意見も踏まえながら、障害のある子供たちの就学手続を慎重かつ丁寧に進める事になりました。
県ではこの法令改正の趣旨を踏まえ、平成26年度から2年間にわたり東西南北4つの市町村において、就学先決定の手続などに関するモデル研究を行う予定です。
この研究では、就学前の早い段階からどのようにすれば障害のある子供の教育的ニーズを把握し、保護者との相談を始める事ができるか。
また、個々の適正な就学に向けて保護者とどのように共通理解を図るのかなどについて、その仕組みづくりに向けた研究に取り組んでまいります。
この研究の中で、知的障害を伴わない発達障害のある子供が、基本的には通常の学級で学習する事についても検討し、その成果を踏まえ平成28年度には結論を出したいと考えております。
次に、「特別支援学校の改革」についてでございます。
知的障害特別支援学校においては、生徒が増加傾向にあり障害の程度も多様化しております。
議員御指摘の生徒の多様化にマッチした多様なカリキュラム編成については、その必要性を認識しており、既に2校で実施されております。
県としては、平成26年度からこの2校における実績を踏まえ、カリキュラムの複数編成の在り方について検討し、平成28年度には全ての特別支援学校で取り組んでいけるように努めてまいります。

県公共事業の実態賃金の把握と、適正な賃金水準の徹底を

  

平成26年2月27日 県議会、一般質問

3.県公共事業の実態賃金の把握と、適正な賃金水準の徹底を

質問 中川 浩

 冷凍食品毒物問題で、賃金のあり方が問題視されました。
公共事業は、建設業の技術労働者の設計労務単価も県で設定し、それが積算根拠として位置づけられておりますが、実態の賃金はこれまでどのように推移して来たのでしょうか?
県内の労働組合から、平均して設計労務単価が2万円のところ、昨年6月は約1万5千円だったとの資料を頂きました。(ここで申し上げたいのは設計労務単価が上がった時だけどういう影響があったか調査して、気にして下さいと申し上げている訳ではありません)
弱い立場を守るのが行政・政治の仕事であり、現場に近い、労働行政も担う県の役割だと思います。
 わが国の総理は、公共事業以外の自動車・電機メーカーなどの経営者団体にも、給料をあげるように、直接働きかけている時代です。
(労務単価が震災復興需要などの理由で、契約後に大きく上がった場合、変更契約を結ぶまで、建設業者には配慮がなされています。
それには前提として、それ以前の実際の賃金がどうなっているか把握が必要なのではないかと思います)
実態賃金があまりにも積算とかけ離れた状況だった場合、発注業者の団体等にどのように伝達、あるいは指導をこれまでして来て、今後どのように適正な賃金水準になるように取り組まれるか、知事のお考えをお聞かせ下さい。


答弁者:上田清司県知事

技能労働者の設計労務単価は、国が全国の工事の中から約1万4千件の工事を抽出して行う労働者約20万人の賃金実態調査に基づいて、県ごとに毎年度定められており、県はこれを準用しております。
賃金実態調査の結果は公表されていませんが、これを基に設計労務単価が定められていますので、この設計労務単価の推移が実態の賃金の概ねの傾向を表わしているのではないかと考えております。
設計労務単価の推移は、平成22年度と比較して平成23年度はマイナス0.1パーセント、平成24年度はプラス2.3パーセント、平成25年度はプラス21パーセントになっています。


再質問 中川 浩

 県内の労働者団体から頂いた資料を基に、県から建設業の経営者団体に状況を伝える事などは、出来ないでしょうのか?


答弁者:上田清司県知事

先ほど、技能労働者の設計労務単価というものは、国の方も工事の中から1万4千件の工事を抽出して、そして20万人の労働者の賃金実態調査を行って、各県ごとに一定程度分かるようになっていますので、県はこれを準用しているという事は、先ほど答弁申し上げました。
そこで、実態とかけ離れた形での賃金体系になっている可能性があるのではないかという御懸念がある、もちろん我々もそう思っております。
したがって、建設関連事業のご団体の皆様にも申し上げたり、複数の労働団体から意見聴取を行って、その実態調査を極力把握するようにして、そのうえで申し入れを行っておりますので、この点については良くご理解を賜りたい。
けっして、国の労務単価と賃金を鵜呑みにしている訳ではなく、それぞれの団体からも意見を聞いているという事をご理解頂きたいと思います。
もちろん、聞いてそれを言っているから、より近づいているかと言うと、そうでない部分があることも事実ですが、それを言う事で、少しでも近づくという事だけは事実だと思っております。

消費税増税の中での県内中小企業影響調査をきめ細かく

  

平成26年2月27日 県議会、一般質問

4.消費税増税の中での県内中小企業影響調査をきめ細かく

質問 中川 浩

(中小企業の多くは、増税後の経営について、昨年末~今年にかけて、電卓を何度も叩き、事業者によっては、「そろそろ会社をたたむ事を考えようか」という声を聞きます)
 昨年県が行なった消費税増税の中小企業影響調査は有益なものでした。「大きな影響がある」と答えた県内事業所は約4割。「影響がある」との設問もあり、約3割がそう答えていましたが、大きな影響があるに○をするのには、そうでなくても厳しい中で、それがとどめをさす事になりかねないとの危機意識ではないかと推察します。
 今後も県内中小企業影響調査は行なうとお聞きしており、そこでお願いしたいのは、設問で「大きな影響がある」と答えた事業所には、例えば(表現の仕方は色々あると思いますが、主旨として)「雇用調整を考えているか」「廃業を考えているか」「社会保険からの脱会を考えているか」と言ったきめ細かな調査にして頂きたいと思いますが、知事のお考えをお聞かせ下さい。


答弁者:上田清司県知事

次に、「消費税増税の中での県内中小企業影響調査をきめ細かく」のお尋ねでございます。
県では県内中小企業の経営状況を把握する為、四半期ごとに経営動向調査を実施しています。
また、特別な必要がある場合には随時、緊急調査も行います。
消費税増税を控え、現在実施中の第4四半期の経営動向調査では、価格転嫁拒否の実態や経営に与える影響などについて調査をしています。
調査結果は3月末までに公表する予定です。
4月以降は駆け込み需要の反動減などの影響が出る事が予想されますので、増税後に行う緊急調査では御提言の趣旨を踏まえてしっかり対応したい、このように思います。

自転車文化を盛り上げる為に -市民団体と県が連携した自転車マナーUP・利用促進を目的にした団体の設立をー

  

平成26年2月27日 県議会、一般質問

5.自転車文化を盛り上げる為に
-市民団体と県が連携した自転車マナーUP・利用促進を目的にした団体の設立をー

質問 中川 浩

 昨年、フランス以外で初めて、さいたま市でツールド・フランスが行なわれました。
また、県の主催で、これまで2度サイクルエキスポが行われ、ポタガールをはじめとしたイベントも行なわれております。
これらの事を契機に、イベントだけでなく、自転車文化を盛り上げていければと思います。
 その一方で、最近よく耳にするのは、自転車マナーUPです。
私は、自転車で日本と台湾を一周しましたが、車道を走っていると、必要以上に、トラックなどにクラクションを鳴らされたり、歩道を走っては、歩行者に邪魔者扱い。河川敷のサイクリングロードでも、そのような事があります。県内の一部には、自転車の乗り入れ禁止の通りもあります。
自転車・歩行者・ドライバー、もっとお互いが認め合えるような関係になるには、まだ時間と、仕掛けが必要だと思います。
 そこで、県内で自転車愛好家同士が声をかけ、仮称ですが、埼玉サイクルセイバー協会と銘打って、専用のジャージを着て、通常のサイクリングをしながら、同じ自転車仲間同士という視点で、マナーUPを呼びかけると共に、県のサイクリングロードなどで、自転車がパンクしていたり、故障している人を見掛けたら、助けるといった取り組みをしようという主旨で、団体を設立する動きがあります。
警察などの指導行政だけでなく、県がそのような市民団体などと連携して、ポタガールなども交えて、官民連携で自転車文化の輪を広めて(自転車の利用促進を図って)いければと思います。
出来る事なら知事にその団体の名誉顧問などに就任して頂き、活動を応援して頂ければと思いますが、知事のお考えはいかがでしょうか?


答弁者:上田清司県知事

埼玉県は、自転車保有率が日本一、川沿いを走るサイクリングロードが日本一と、自転車にまつわる魅力資源が数多くございます。
こうした埼玉県が、自転車文化を盛り上げるムーブメントを全国に向けて発信するにはふさわしい県ではないかと思っております。
今月15日、16日には、自転車が持つ魅力を伝えると共に、自転車市場の拡大による埼玉県経済の活性化を図る為、自転車見本市「埼玉サイクルエキスポ」を開催しております。
2日間で約2万2千人という多くの方に御来場も頂きました。また全体的にいえば、自転車を楽しもうという、そういうムーブメントというか機運というものが起こっているのではないかというものを感じます。
ただ御指摘のように自転車の利用が増える一方では、本当に自転車の交通事故も多く発生しております。
自転車の安全利用やマナーアップの呼び掛けをして頂けるNPO団体については、まさに歓迎でございます。
基本的に、NPO団体が自発的にマナーアップの運動、動き、そうしたものがでてくるのが一番望ましいかなと思います。
幸い26年度の新規事業の中でも、共助の仕掛人の企画もありますので、そうした企画と一緒に組んで頂いて、より大きな動きにして頂ければいいのかなと、このように思います。
御提案の「私が顧問」というよりも、私を含めて多くの人が、このNPO活動に参加できるような楽しい企画と実践が出来るような、そういう動きを県として支援をする、これが一番いいのかなと思います。

地元問題 ①入曽駅のエレベーター・エスカレーター設置促進を

  

 

平成26年2月27日 県議会、一般質問

7.地元問題
①入曽駅のエレベーター・エスカレーター設置促進を

質問 中川 浩

(駅のバリアフリー化の促進については、企画財政委員会でも、質問致しました)
 まず、県内の乗降客が3千人以上の駅で、上り下りホームの両方の階段に、エスカレーターかエレベーターが付いていない駅はいくつあるでしょうか?
また県は狭山市の入曽駅のエレベーター設置について、今後更に市と連携して早期実現に向け、取り組んで頂きたいと思いますが、企画財政部長のお考えをお聞かせ下さい。


答弁者:企画財政部長

まず、1日の乗降客数が3千人以上の駅で、上り下りホームの両方の階段にエスカレーターかエレベーターが付いていない駅は、平成25年末現在で県内には入曽駅など15駅あります。
次に、狭山市の入曽駅のバリアフリー化促進の取組についてでございます。
入曽駅は、線路の両側にホームと改札口があり、それぞれのホームから隣接する改札口まではスロープが設置され、段差解消のバリアフリー化がなされています。
一方、上りホームと下りホームを行き来するには、構内の跨線橋を渡る必要がありますが、跨線橋には下りホームにしかエスカレーターが設置されていません。
この為、車椅子利用者は、跨線橋を渡って反対側のホームへ行けない事から、一旦駅から離れた所沢寄りの踏切を渡って、約400メートルも迂回しなければなりません。
このような不便を解消する為には、まずはエレベーターの設置が不可欠です。
そこで、県では、地元狭山市とともに、西武鉄道に対して入曽駅のエレベーター設置を要望しているところです。
西武鉄道からは、現在、エレベーターが設置されていない駅が都内に複数存在することから、まずはこれらの駅のエレベーター設置を優先的に行う計画であると聞いております。
県と致しましては、今後、県の補助制度の活用を提案するなどして、入曽駅のエレベーター設置の優先度を上げるよう、狭山市と連携して、西武鉄道に粘り強く働きかけてまいります。


 

地元問題 ②狭山環状有料道路の無料化を

  

平成26年2月27日 県議会、一般質問

7.地元問題
②狭山環状有料道路の無料化を

質問 中川 浩

 狭山市の2つの工業団地をつなぐ、狭山環状有料道路が有料である事により、その下流にある市道いるまがわ大橋は、料金を払いたくない大型トレーラーなどで、朝は大渋滞し、渋滞を迂回したい車両が生活道路に流入して、非常に危ない状況にあり、住民が困っています。
 そこで、狭山環状有料道路の無料化についてのこれまで県議会で質問してまいりました。
狭山環状有料道路の有料期間は平成33年7月まで。後まだ7年も先で、すぐに無料開放する為には、現時点で約33億円程度の市負担が必要との事。
 (地元市の財政負担が必要な事は理解しておりますが)市でこれだけの金額を即金で負担するのは困難のようであります。
 県の担当職員の方には、現場を見に来て頂き、道路渋滞と生活道路流入の問題を共感して頂きました。
 私は、朝の混雑時間帯だけでも、有料道路を無料化出来れば、周辺道路の混雑緩和と生活道路の危険の回避に有効であると考えます。
 これまでの経過も含め、県土整備部長のお考えを伺います。


答弁者:県土整備部長

 狭山環状有料道路に近接する「いるまがわ大橋」の通りを中心とした道路では、朝の通勤時間帯に慢性的な渋滞が発生し、迂回する車両が生活道路に入り込んでいる状況でございます。
 そこで、こうした渋滞の緩和や生活道路における歩行者などへの安全対策について、有料道路の無料化を含め、地元狭山市と意見交換をしてまいりました。
 朝の混雑時間帯に限定した有料道路の無料化についてでございますが、無料化する事で、この時間帯の料金収入が減収する事となります。
 この減収分につきましては、無料開放と同様、地元市に負担を頂く事が必要であると考えております。
 仮に平日の朝7時から9時まで無料化する場合、平成25年5月の交通量の実績をもとに試算すると年間の料金収入は、おおむね5,000万円の減収となります。
 また、時間帯を限った無料化については、この時間帯に交通が集中する事で、前後の交差点などにおいて、新たな渋滞の発生が懸念されるなどの課題もございます。
 平成25年3月には、この有料道路に接続する県道所沢堀兼狭山線が全線開通し、国道463号方面から圏央道狭山日高インターチェンジへのアクセスが強化され、利便性が高まっております。
 県では、周辺道路における交通渋滞の緩和を図る為にも、引き続き、より多くの方々に狭山環状有料道路を利用して頂けるよう、道路公社と連携しながら利用拡大に向けて取り組んでまいります。

交通死亡事故減少対策の更なる取り組みとは何でしょうか? -死亡事故ご遺族と触れる場と、啓発品配布を-

  

平成26年2月27日 県議会、一般質問

6.交通死亡事故減少対策の更なる取り組みとは何でしょうか?
-死亡事故ご遺族と触れる場と、啓発品配布を-

質問 中川 浩

 いま私の声を聞いて頂いている皆さん。皆さんが、もし交通事故防止対策の担当者でしたら、死亡事故を減少させる何を新たな対策として自ら提案し、取り組もうとされるでしょうか?
交通死亡事故は、県警などの取り組みにより、減少して来ておりますが、過去の全国の死亡事故者数をおおむね4年分を足せば、東日本大震災の死者数を上回ってしまいます。
義務教育の学校で日本人全員が、人を傷つけたりしてはいけないと教わり、運転免許を取得した全員が、無謀な運転・不注意な運転はしてはいけないと教わりますし、交通違反をすれば更に講習時間は長く教えられるのに、無謀運転は無くならず、死亡事故が無くなる事はありません。
それは、どうしても事故が他人事であり、自分は交通死亡事故は起こさないと、どこか過信がある事に気付いていないからではないでしょうか。
 私は先日、犯罪被害者支援県民の集いにお邪魔し、会場には、メッセンジャーと呼ばれる、交通事故に遭って亡くなった方々の等身大パネルが展示してあり、亡くなった方々の在りし日を、静かに語っていました。
1人1人のメッセンジャーに目を通していると、当たり前の事ですが、交通事故で亡くなった方々には、ここにおられる皆さんと同じように人生があり、将来の夢や希望があり、親・子供・兄弟などの家族がいた方が奪い去られたのが、実感させられます。
残された家族は喪失感に襲われ、(何の前触れもなく不安になり、何年経っても涙が止まらない時があると言います)子供なら尚更成長にも影響が大きいでしょう。
また、一家の大黒柱を失って、生活が一変した方もいます。
 私はメッセンジャーを見させて頂き、そして直に交通事故で命を落とされた方のご遺族にお話を伺い、心を打たれました。
私もそうですが、ここにいらっしゃる皆さんも、これまで講演会や講習会で、様々な方のお話を聞かれたと思いますが、人生がそれによって変わったという機会はそれ程多くないと思います。人が変わるのは、居ても立ってもいられなれなくなって初めて、変わるきっかけになるのではないかと思います。
安全運転に気を付けるかどうかは、結局のところ、ドライバー本人の性格によるものが大きいと思いますが、性格はそう簡単には変わりません。
だからこそ、よりインパクトのある、効果的な新たな交通死亡防止対策が必要だと思うのです。
免許講習で、ご遺族の方々の話をビデオで聴く取組みは、既に実施されているとの事ですが、私はご遺族の方と何らかの交流をして頂いたほうが、より心に響くと思います。
 そこで、交通事故遺族を直接身近に感じられるよう、例えば講習や、主要駅(のコンコース)で行うイベントなどの場で訴える事は出来ないでしょうか?
また、交通事故遺族の方を目の当たりにした人が、車のエンジンキーを回す時にも、その事を思い出せるように、交通事故遺族の方々から、県民に直接、何らかの啓発品を配る官・民一体となった取組みが必要だと思いますが、いかがでしょうか?
(先日(NHK)ニュース番組で、「交通違反の厳罰化により、死亡事故大きく減って来ているが、それは厳罰化だけでなく、社会的な機運の高まり、国民への周知の取り組みが相まって減っている」と報道されていました。これらの取り組みが、県民に伝わる事を切に望みます)
県警本部長のお考えをお聞かせ下さい。


答弁者:杵淵智行 警察本部長

県内の交通事故死者数は、最多となった昭和45年の845人から、この40年余で4分の1以下となる180人まで減少致しました。
しかし、朝元気に家を出て行った家族が、突然交通事故で亡くなり、無言の帰宅をするという現実に直面した御遺族の悲しみは図り知れないものがあります。
県警察と致しましても、更なる交通事故の減少を図ると共に、交通死亡事故が発生しない日を一日でも多く、また、長く続くように取組みを進めています。
県警察ではこれまでも、交通事故の被害者や御遺族に講演をお願いし、交通事故や犯罪捜査に携わる警察職員への講習を実施しています。
また、警察が業務委託している安全運転管理者講習では、交通事故の被害者や御遺族、支援団体職員の講演も取り入れております。
今後とも、議員の御提案も参考にしつつ、被害者や御遺族、関係者の意向も踏まえ、交通安全に関する各種行事や研修等に参加して頂くなど、県民の心に伝わる、より効果的な啓発活動に努めてまいります。

県議会、決算委員会

  

平成25年10月15日~11月13日 県議会、決算委員会

 

県議会、決算委員会が、10月15・17・21・22・25・30・31日、11月1・11・13日に行われました。
(議事録が届き次第の掲載になりましたので、遅くなりましたが、県庁の分野ごとに掲載します)
決算委員会とは、昨年度の取り組みがどうだったのかを評価する場ですので、今後どうするかと言う事がメインではありません。県議会で決算委員会への参加は、私は初めてでした。
今回質問項目を何にするか、選んだポイントは、今後の前向きな事はほとんど無く、これだけは最低限やっていてもらいたいというテーマに絞りました。言い方を変えると、質問テーマは「一番困っている人」の視点を考えて、選びました。
質問する内容は、事前に担当の課とほぼ全て打ち合わせをしているので、各担当の課長は私が何を言おうとしているのか、意図は分かっていますが、核心部分に答えていない所がいくつもあります。
また、県のPRが不足していると思って質問した答弁で、「広報・HPに載せている」で終わっている答弁がいくつかありますが、不充分です。
今後、各テーマについて、再度確認し、改善を求めていきます。


企画財政部

◆中川委員
将来に渡って安定的な財政運営を行う為には、歳出の大きな部分を長期的に見込んだ歳出長期計画を策定・公表する事で県民に安心感を与えるべきと考えるが、今どのように取り組んでいるのか?
■財政課長
財政課長も入り管財課が所管する県有資産マネジメント会議において、管財課所管の県有資産に係る将来推計と各部局のインフラに係る将来推計とを合わせた県全体の将来推計の試算を現在進めているところである。

◆中川委員
業務改善の観点から来庁者アンケートを定期的に実施してはどうか?これにより、県民の満足度も向上するし、業務改善にもつながると考える。私の地元の狭山市でも行っている。
■改革推進課長
来庁者へのアンケートは、現在もそれぞれの部署ごとに、必要に応じて実施している。また、県庁ホームページを通じてそれぞれの課所へ電子メールで意見を寄せて頂く事も出来る。改善・改革に向けたニーズをどう吸い上げていくかは非常に大事な事なので、今後も工夫していきたい。

◆中川委員
公共交通機関の利用PRは、観光振興のものはあるが、日常生活に結び付くものはあるのか?
マイカー利用者に向けラジオで公共交通機関の利用促進を働き掛けるべきではないか?
■交通政策課長
県や市町村では、公共交通機関に利用促進に向けた、ラジオを使ったPRは聞いた事は無い。
県では、過年度事業であるが、熊谷駅と森林公園駅間の急行バス実験や、工業団地の従業員を対象にエコ通勤などの公共交通機関の利用促進事業を行い、その結果をプレスに公表すると共に、市町村に情報提供している。市町村でもバス路線や利用情報などをホームページに掲載したりして、公共交通機関の利用を働き掛けている。
ラジオによるPRについては、県として今後県政報道番組などの活用も考えられるが、より即地的なPRとして、委員の御提案も、地元の地域公共交通会議などに伝え、働き掛けてまいりたい。
県としては、今後もあらゆる機会をとらえ、公共交通機関の利用促進に努めたい。

◆中川委員
期日前投票所を、他県では大手スーパー、駅構内など設置している例があるが、県内の市町村選管に対してどのようにPRしているのか?
■市町村課長
投票率の向上の為には、有権者にとって利便性の高い駅構内などに期日前投票所を設置する必要性があると考えている。期日前投票所数は平成22年度の参院選時の136か所から今年の参院選時は140か所に増えている。そのうち、駅構内などに設置している期日前投票所数も16か所から17か所に増えている。市町村選管に対しては選挙前に開催する市町村選管委員長が集まる会議で、先進事例として紹介し、周知を図っている。

◆中川委員
県は人材派遣会社からの派遣労働という形で雇用している部分があるが、直接雇用すればバックマージン分を本人に支給できるのだから、その方がいいのではないか?
■改革推進課長
労働者派遣法により、派遣会社にはマージン率の公表が義務付けられており、県の秘書業務を受託している派遣会社のマージン率は、平均で23.8%である。労働者派遣は、高いスキルのある人材を即戦力で確保でき、コストパフォーマンスがよく、また、職員が行政のコア業務に集中できる事などのメリットがある為、実施しているものである。


総務部

◆中川委員
県職員の専門性の強化が必要だと考える。職員は短期間で異動しているが、異動サイクルはどれくらいか?
職員が一時期に異動する割合は、役付職員・一般職員でどれくらいか?
課長等が短期で異動してしまうと、県民から見ればお客様扱いになってしまい、県民が「また異動か」と不安感を持つのではないか?
なぜゼネラリストの育成が必要なのか?
■人事課長
異動サイクルは、役付職員は3年、一般職員は4年である。
人事異動方針で、専門的な知識が求められる職には業務に習熟した職員の配置に努める事としている。
また、中長期的な視点に立ち、その育成に配慮した配置を行う事としている。
人事異動の割合は役付職員、一般職員とも3割程度である。
ゼネラリストの必要性についてだが、問題解決の為には、様々な観点から解決を図る事が必要である。そのような職には、幅広い知識を持ち、情勢に精通したゼネラリストが適当と考える。
◆中川委員
2、3年で課長や副課長が異動すると、問題が先送りになるのではないか?
最近は決断を迫られる課題が多くあると思うが、過去と比べて異動サイクルは長くなる傾向なのか?
■人事課長
異動サイクルは過去と変わらないが、専門化する需要に対応する為、人事異動方針で過去に経験のある職員を配置する事としている。

◆中川委員
主査級昇任試験を、受けない人はどのくらいいるのか?
■任用審査課長
主査級昇任試験については、研修と組み合わせる事により、出題範囲を絞るなど、受験しやすくなるよう改善を図って来ている。受験対象年齢は、32歳から40歳までとなっており、この期間であれば、受験できる時に受験する事が可能である。単年度ではなく、受験対象年齢の期間でみれば、ほとんどの職員が最低1回は受験している。

◆中川委員
県職員の派遣等により市町村と連携して滞納整理にあたり成果を上げているとの事だが、一方で会社が倒産して解雇されたり、事業に失敗して納税出来なくなる人もいると思う。徴税事務に当たる際に、生活福祉資金の周知など、自殺防止のゲートキーパーとしての役割も担っているのか?
また、徴税事務を行なった中で、自殺された納税者がこれまでにいたか?
■税務課長
多重債務者などの相談窓口が全市町村に設けられている事は、県民生活部から情報をもらっている。納税折衝の中でこれはといった方については、相談窓口を紹介するなどの対応を行っている。
自殺した滞納者がいたかどうかは、把握していない。
◆中川委員
催告に行っても本人に会えなかった場合、困窮者に対しては生活福祉資金のチラシを配布する事などは、マニュアル化されているのか?
■税務課長
県税職員にチラシを配布させるまでには、なっていないのが実態である。


県民生活部

◆中川委員
消費者行政について。
①不当取引を行った業者を行政処分した状況はホームページに載せているが、処分には至らないがおかしいという業者にはどの程度聞き取りを行っているのか?
②消費生活センターでは、相談者にどのようなアドバイス、情報提供を行っているのか?
③消費生活センターで、日曜日に相談を行っている所もあるようだが、他県の状況はどうか?
④最新の消費者被害の状況などを高校に対して提供しているのか?
■消費生活課長
①行政処分は公表しているが、それ以外は業者に不利益になる事もあるので公表していない。消費生活情報ネットワークにはたくさんの相談情報が集まって来ているので、被害の多い事例などは把握している。
②一番多いのは、解約にあたってのクーリングオフなどについてのアドバイスである。出来るだけ自主交渉を促すようにしているが、高齢者などはその後のフォローを行い、消費者本人で解決できない時にはあっせんなども行っている。
③日曜相談は、関東近県では群馬県、神奈川県が行っており、群馬県は電話相談のみ行っている。
④教育局とは定期的に連絡会議を実施し、消費者教育について情報交換を行っている。24年度は教職員に対するセミナーを12回開催しており、先生方に被害の状況を伝えている。また、消費生活相談員による高校への出前講座を実施しており、手口や被害状況を伝えている。
◆中川委員
行政処分はしなかったが、聞き取りをした業者数は把握しているのか?また、同じような相談を受けた時には、相談者に「同様の相談は他にも寄せられている」などとアドバイスを行っているのか?
■消費生活課長
行政処分には至らず、行政指導した件数は、24年度39件、23年度31件、22年度40件となっている。
行政指導まで至らず相談が寄せられている件数は、相当数に上る事から把握していない。また、相談事例が多いものは、相談の際に注意喚起の意味で事例を紹介している。

◆中川委員
県庁職員の共助の取り組みについて、県の他の部署が進めている取り組みへの、県職員の参加はどのように広がっているのか?
②NPO基金について、今までにどのように企業などに寄附を呼びかけたか?その成果は上がっているか?
■共助社会づくり課長
①共助社会づくりを進める為には、県職員も様々な地域活動に参加して行く事も重要と考える。職員の資質向上にも資するものである事から、総務部が中心になって推進している。6月に行われたアンケート調査によると、約半数の職員が地域活動に参加した事があると回答しており、スクールサポーターや川の国応援団、全国育樹祭ボランティアなど様々な県事業に参加している。また、職員向けのポータルサイトにネットパトロールボランティアの募集など様々な情報を掲載し、地域活動への参加を促している。
②県のホームページで情報発信をしており、イベント等でも寄附申込書を添えたパンフレットを配布している。例えば、キリンビール㈱が開催するイベントでは、参加企業に対して基金をPRするブースを出展し、キリンビール㈱が用意するお土産と合わせて基金のパンフレットをお持ち帰り頂き、周知・協力依頼を行った。また、基金を使った助成金では、事業実施団体に、NPO基金が活動の原資である事を明示してもらい、広く周知を図っている。企業名を冠にして助成事業を行うネーミング事業では、例えば、武蔵野銀行から、周年事業としてまとまった寄附を頂くなど成果が上がっている。
◆中川委員
市民主催のイベントや、寄附金付き自動販売機の設置などで、NPO基金への寄附のアプローチをしているか?
■共助社会づくり課長
参加者に情報提供する事で効果があると思われるイベントについては、配付資料にパンフレットを封入して頂くなど、積極的にアプローチしている。寄附金付き自動販売機については、彩の国コミュニティ協議会が活用しており、今後もそういった様々な寄附を促進するツールを研究していきたい。

◆中川委員
①「『のぼうの城』埼玉県民500人の力」は大変良い取り組みだったが、どのような評価をしているか?
②県民生活部で開催している講演会の回数は年どのくらいか?講演会の多くは浦和、大宮地区で行われており、地域の偏りがあると思うがどうか?
■広聴広報課長
①昨年9月、「『のぼうの城』埼玉県民500人の力」という組織を設立した。県内各界の代表者に参加頂き、その方々の口コミ力に期待をし、勝手連的にこの映画のPRをお願いした。映画自体も良いものであった事もあるが、興行成績も良く、こうした働きかけがムーブメントとして成功し、満足できる結果となった。
②講演会の数は把握していない。また、講演会を主催する課所では、講演会の目的や対象者などを総合的に勘案し、場所を決定している。年回複数回実施する場合には、地域バランスを考慮し決定するが、年1回のみの実施の場合は、全県から来て頂く事を考慮して交通の便のいい所でという事になり、県南地域となる傾向は否めないと考える。(狭山市から見て、県南地域は、交通の便は良くない)


福祉

◆中川委員
児童養護施設と、自立援助ホームについて。
①児童養護施設は18才までの入所(措置)が原則ではあるが、措置延長した人の割合はどのくらいか?
②措置延長者数は、全国で何位になるか?
③退所者の進学率はどれくらいか?
④退所者の就職定着率は全国何位か?他県との比較はどうか?
⑤入所児童数は全国何位か?
⑥県内自立援助ホームの総定員数や全国順位はどのくらいか?
里親の数は埼玉県は、全国で一番多い県の1/4ぐらいかと思うが、目標として何位を目指しているのか?
■こども安全課長
①措置延長したのは、高校卒業者の約1割である。
②措置延長者数については、平成24年度において、施設や里親に措置されている児童全体では、高校卒業者だけのデータではあるが24人おり、全国26位である。ちなみに第1位は東京都であり283人である。
③退所者の進学率については、この3月に高校を卒業した退所者のうち、大学・短大・専門学校に進学した者は22.7%であった。教育局が調べた本県高校卒業生全体の大学等進学率の57%と比較して低い水準である。
④退所者の就職定着率については、昨年度、退所者にアンケートを実施した結果、3年以内の離職率は、74.4%であり、4人のうち3人が離職している。国の統計では、平成20年度の全国の高校卒業生における3年以内離職率が35.7%である事と比べても高くなっている。他県の施設退所者のデータは手元に無い。
⑤児童養護施設については、平成25年度当初における定員数は1,576人で、定員ベースでは全国第3位である。
⑥自立援助ホームについては、平成24年10月の定員数は39人であり、定員ベースでは全国第2位である。なお、全国第1位は東京都であり、人数は136人である。
⑦里親については、1/4というのは、施設や里親に措置をする全体の人数に対して、里親の割合を示す割合である里親委託率ではないか。里親委託率の高い新潟県が39%、埼玉県11%で、およそ1/4である。
里親に委託されている児童数でみると、平成23年度に東京都が374人、埼玉県が156人で全国4位になる。
埼玉県子育て応援行動計画では、委託率15%を目標としている。直近の委託率は13.6%となっており、目標を達成する為には、約60人委託児童数を引き上げる必要がある。順位を上げる事も目指すが、まずは目標を達成できるよう努力したい。
◆中川委員
①親に育てられていない児童は、進学する事も難しく、離職率も高いという状況に対して、県福祉部は何らかの手立てを講じる必要があると思うが、どのように考えるか?
②先ほどの全国4位という里親の人数は、里親登録者数か?
■こども安全課長
①児童養護施設を退所した児童に対して、就職支援や大学進学の場合の支度費的なものを支給している。また、運転免許等の自立に必要な資格を取得する為に年間5万5千円を支給する制度がある。施設から出て自立する場合に、身元保証人が必要となるが、身元保証に関する保険の費用を負担する制度や、処遇が難しい子供達を雇用する為に人件費の一部の補助を行っている。
今後どのような支援が必要なのかを検討している。
②先ほどの説明は、実際に里親委託をされている人数ベースの話である。また、里親委託率は、社会的養護を必要とする児童数を分母、里親等に委託されている児童数を分子とした率である。
◆中川委員
①児童養護施設退所者の就職定着率が低い原因は、自立援助ホームが不足しており、支援が足りないからではないか?
施設退所者は、金銭的な事だけでなく、親の愛情を充分に受けられていないから、離職率が高く、人的支援が必要なのではないか?
②里親の委託が進まない事が一時保護の長期化につながっていないか?
■こども安全課長
①自立援助ホームの入所率は9割で推移しており、足りていると認識している。
自立援助ホームを開始するには県に届け出が必要であるが、必要性をよく見ながら、施設を運営するのにふさわしい者からの事前相談を受け入れていきたい。
施設退所者については、アンケート調査により離職率が高い事が判明したので、こうした部分にも支援が必要と考えている。
②一時保護所については、児童の心理判定や観察などを行い、一番ふさわしい処遇を考えているので、保護が長くなる場合もあるが、児童が出来るだけ家庭的な環境で養育される事が必要だと考えている。里親委託の推進にも、しっかり取り組んでいきたい。

◆中川委員
障害者のグループホーム等について。人口10万人あたりの定員数が、全国何番目で、関東7都県では何番目なのか?
障害者入所施設定員数は、全国何番目で、関東で何番目なのか?今後、財政が厳しくなる中、予算化は難しくなって来ると思うが、問題意識も含めてどのように考えているのか伺う。
■障害者支援課長
グループホーム等については、沖縄県のみデータが取れなかった為、全国46都道府県中45位。関東では7位と最下位である。
また、入所施設については、全国で41位、関東で4位である。
グループホームについては、24年度からの5か年計画で毎年度250人増の整備目標を掲げている。これは最低限の数値であり、更に整備を進める為に、法人等に働きかけを行う。親の高齢化や、障害者の地域移行支援を進める為にグループホームは重要であると考える。今後も一層努力していく。
◆中川委員
グループホームや入所施設の全国順位が低いのは、今までの取り組みが良くなかったからではないか?24年度から250人分ずつ整備しても、全国の平均まで行かないのではないか?
■障害者支援課長
指摘のとおり、毎年度250人分ずつ整備しても全国順位は上がらない。その為、今後も積極的に既存法人に働きかける他、グループホームの新たな立ち上げを考えている親の会には、グループホームが法人格を持たないと始められない事から、NPOの立ち上げから支援していきたい。

◆中川委員
何々をやったという報告は行政報告書に記載されているが、結果としての実状を検証していないのではないか?
■福祉部長
福祉部の事業について、問題の検証がどうなっているのかという質問にお答えする。
福祉部の仕事は非常に多岐に渡り、課題も山積している。その中で施設の整備等、県民の福祉の向上の為に日々取り組んでいる。
委員からの指摘については、我々も問題意識を持っており、今後、力を入れていかなければならないと考えている。例えば、グループホームについては毎年250人分ずつ整備するとしているが、それ以上の整備に向けて法人への働きかけ等を行っている。色々準備をしている段階であるので、問題については実態をよく認識した上できちんと対応していきたい。

◆中川委員
介護について。介護の為に離職された方の人数は、関東5県と比較してどうか?
■高齢介護課長
総務省の就業構造基本調査によると、埼玉県において、平成19年10月から24年9月の間に介護・看護の為に離職した人数は、25,400人であった。関東近県のデータは把握していないが、同調査によると、全国では487,000人の離職者がいたので、人口比で見ると、埼玉県における離職者は全国平均より若干少ない状況である。

◆中川委員
若年性認知症専門のデイケア施設は県内にあるのか?整備計画はあるのか?
■高齢介護課長
若年性認知症は、65才未満の方の認知症の事を指すが、平均発症年齢は51歳と若く、働き盛りで家庭の中心である事から、経済的な課題もある。県内において若年性認知症専門のデイサービスを実施しているのは、さいたま市にあるNPO法人「生活介護ネットワーク」のみであるが、要介護の認定を受ければ、通常の介護保険サービスを利用する事も可能である。
この「生活介護ネットワーク」では、若年性認知症の方を処遇する為のノウハウや知見が蓄積されているので、これを介護保険の認知症デイサービスを実施している事業所に情報提供し、なるべく身近な場所でケアを受けられる環境を整えていきたい。
◆中川委員
若年性認知症専門のデイサービスを実施しているのは、さいたま市にある1施設のみとの事だが、県内各地にいる若年性認知症の方が交流できる場は無いのか?
■高齢介護課長
若年性認知症については、高齢者の方と比べても病状の進行が速い。また、若年性認知症の方はプライドが高く、高齢者の中に入っていきづらいなどの特性があるが、遠隔地の施設では利用しづらいので、身近な高齢者施設で受け入れられるようにする必要があると考えている。今年度中に発足する予定の若年性認知症の人と家族の会とも連携し、交流の場について検討していきたい。

◆中川委員
市町村社会福祉協議会を活性化する為に、どのような取り組みを行っているか?
県から県社会福祉協議会への補助金のうち、市町村社会福祉協議会へ交付する部分については、事業内容に応じて傾斜配分を行っているのか?
■社会福祉課長
孤立防止フォーラムで、寄居町やふじみ野市での見守り活動などの優良な活動事例を紹介して、市町村社会福祉協議会の活性化を図っている。
県から埼玉県社会福祉協議会への補助金として、「福祉ボランティア活動支援事業費」や「生活福祉資金貸付促進費」がある。このうち、市町村社会福祉協議会へ交付される部分については実費弁償的性格のものであり、傾斜配分の考え方はない。


教育

◆中川委員
①「就学支援委員会」について、児童生徒本人や保護者の意向に沿わず、特別支援学級に籍があったり、通級になっている人は潜在的にどのくらいいると認識しているのか?また、今後どうしていくのか?
②普通学級におけるいじめや勉強の遅れが理由で、特別支援学級に移される事についてどう思っているのか?
③特別支援学級の生徒の進学について、川越特別支援学校たかしな分校の受験倍率が2.1倍となっており、これは浦和高校の受験倍率より高い状況である。特別支援学校の管理職の先生に聞いたところ「なんで、障害が軽い、あるいは障害が無さそうな子が特別支援学校に来るのか疑問だ」と話していた。他の特別支援学校とのバランスを取らないといけない。これでは学びたい所で学べない状況であるが、どのように考えているか?
④中学校の特別支援学級から高校に進学した生徒は、平成24年度には何%、何人いたか?
⑤特別支援学校の下校時刻が午後1時半になっており、高校生の帰る時間とは思えない。このような事だと、将来働く際の体力などが付かないのではないか?どのような対策を取っているか?
■特別支援教育課長
①市町村の就学支援委員会については、保護者の意向に沿い、教育関係者や医療関係者といった専門家が協議し就学先を決定しており、保護者との合意形成が前提となっています。県としては保護者との合意形成が無いという事例は無いものと認識していますが、当課に直接相談を寄せられる事があります。(言っている事が矛盾しています)
こうした場合には市町村教育委員会に状況を聞き、県の考え方とすり合わせを行っています。こうした事から、ゼロではありませんが、保護者の意向を無視しての就学は基本的には無いと認識しています。(実態も調べずに答弁しています)
②障害によらない理由での特別支援学級への転籍は基本的にあるべき事ではありません。もし、そうした事案を承知したならば是正するよう市町村教育委員会に求める事になると思います。
③川越特別支援学校たかしな分校などと、従来型の特別支援学校の高等部との学習内容のかい離については、認識しています。就労支援にも関わる為、教育課程の改善を検討しています。
現在2校で実施されている障害の程度に応じた教育課程の複数化などを他校でもモデル事業として実施し、その成果を他の特別支援学校に広めたいと考えています。
④中学校の特別支援学級から高校に進学した生徒は、平成24年度末には卒業生710人のうち99人であり、13.9%でした。
⑤高等部生徒の帰宅時間については、小学部から高等部まで通学・帰宅で同じバスに乗車する事で不十分な状況は現実にあると考えています。
帰宅のバスを2便制にして、高等部だけ遅い時間に帰宅するなど取り組みを行っている学校もあり、良い取り組みについては、各特別支援学校に広げていきたいと考えています。
◆中川委員
モデル事業は実際にいつから出来るようになるのか?いつ保護者に示せるのか?
■特別支援教育課長
モデル指定については、今年度中にめどを立てたいと考えています。

◆中川委員
①埼玉県教育局では障害者の法定雇用率(2%)を守っていない。神奈川県や千葉県は障害者雇用率が埼玉県を上回っているが、どういう事なのか?
②障害者の法定雇用率は、委託や指定管理を行っている業務にまで及ばない為、雇用率を上げようとする思考が止まっている可能性がある。教育局として、法定雇用率を実質的に守ろうとしているように思えないが、入札や募集の要件として、障害者雇用を謳っているのか?
③前教育長は「5年以内に、法定雇用率を達成する」と言っていたが、現場ではその目標が無いと思われるので、その確認をしたい。
■総務課長
①平成24年度における障害者雇用率は、埼玉県が1.67%、千葉県が2%、東京都が1.61%、神奈川県が2.01%です。
③前教育長が昨年秋の新聞社の取材において「今後5年以内に法定雇用率を達成したい」との見立てをお話ししましたが、5年以内に確実に達成するという計画は、難しい状況です。
■財務課長
②8月に発表した建物管理業務についてですが、入札公告の段階で、受託事業者の責務という項目の中で、障害者雇用等に関する事項を定めています。努力義務ではありますが、障害者の雇用、障害者等への業務の委託、障害者基本法の社内研修等の実施、の3つを求めています。仕様書の中にも同じ項目を立てています。努力義務では弱いという意見もあるかと思いますので、民業とのバランスを見ながら、実態がどうなっているかを分析し、着実に前へ進めていきます。
■生涯学習文化財課長
②6つの指定管理制度導入施設については、全庁的なガイドラインに基づき募集を行っていますが、障害者の雇用に関する要件は、ありません。

◆中川委員

①「県公立高校の中途退学」に関して、高校生は人格も形成されており、勉強も中々付いていけないような状態の生徒を進級させたり、卒業させたりする事には大変なご苦労があると思うが、この問題は小・中学校における取り組みも効果的なのではないか?
例えば、東京では夏休みを活用した補習的な学習を行っているようだが、県内の市町村の動向は把握しているか?
②県内公立小学校から私立中学校への進学率は把握しているか?分からなければ、大体どのくらいだと思っているのか?
■義務教育指導課長
①平成24年度の実態についての調査結果によると、中学校では約95%、小学校でも約74%の学校が、夏休みを利用して補習的な学習を行っているとの事です。
■教育政策課長
②県内公立小学校から私立中学校への進学率については、調査をしていないので把握しておりませんが、前年度の公立小学校6年生の児童数と翌年度の公立中学校1年生の生徒数の差から推測できると考えられます。平成24年5月1日現在の県内公立小学校6年生は65,841人、平成25年5月1日現在の県内公立中学校1年生は61,821人で、その差4,020人が概ね私立中学校への進学者と考えられます。
◆中川委員
夏休みを活用した補習的な学習についての県としての考え方が聞こえて来ないが、100%に持って行きたいというのが県の考え方でよいのか?
■義務教育指導課長
義務教育の指導に関しては、一義的には市町村の責任と権限で行っているものである為、夏休みに補習的学習を是非実施して欲しいと、県として市町村に言いづらい状況があります。
十分な理解が出来ていない子供に対しては、夏休みの補習的な学習に限らず、日頃からしっかり対応するように、県として市町村に伝えているところです。

◆中川委員
県には考えが無いとしか聞こえない。先程の特別支援教育における市町村への指導についても、県が事例を示して確認しても、市町村教育委員会は事実の存在を認めない、もしくは嘘の報告を行うのであれば、市町村教育委員会は不要であると考える。県教育委員会の指導が強くなければ、夏休みの補習的な学習の件についても、結局市町村教育委員会があるため何の改善もなされない事になる。このような状況は何とか是正しなければいけないと考えるがどうか?
■市町村支援部長
児童生徒1人1人の学力の確かな向上については、市町村に指導・助言する立場にある県としては、当然進めていかなければならないと認識しています。長期休業中の補習的な学習以外にも、例えば、始業前、休み時間、放課後など、様々な場面を活用して、子供の学力を確実に伸ばすように、市町村教育委員会の担当者を集めたような場でも伝えているところです。


保健医療

◆中川委員
少子高齢化の中で、今後の歳出の増が予想されるが、長期的な視点に立って、保健医療部の10~15年後の歳出の見込みを出しているのか?
■保健医療政策課長
保健医療部の予算額約1,500億円のうち、約1,000億円は国民健康保険、後期高齢者医療などの医療費が占めている。医療費については、国の制度により県の負担が定まっているものであり、金額を推計する事は可能である。しかし、10~15年後にどのような制度になっているかがはっきりしていないので、長期的な見込みを確定的に出すのは難しい。

◆中川委員
国民健康保険の広域化について、県は市町村に対し、税方式で資産割をはずせと指導している。
年収393万円のモデルケースでは、資産割を外して、増税になったのか?
それ以下の収入で6・4軽減のままであったらどのくらい増税になったか?
国の制度改革の議論では、必ずしも全県一律の賦課方式でなくてもよくなっているが、それを市町村に文書で通知しているのか?
■国保医療課長
賦課の4方式から2方式への変更のモデルケースは、戸田市が平成23年度に2方式に移行した実例を用い、シミュレーションを実施した。国保の標準的な所得の家庭として給与収入393万円の場合、2方式移行により資産割の無い世帯では年間7,000円程度の増税である。このシミュレーションでは戸田市と同じ軽減税率7・5・2を導入したケースで試算しており、6・4軽減を継続した場合は試算はしていない。
国では広域化に際し、賦課方式を統一しないという議論もある。今の時点で県の広域化支援方針は、賦課方式の統一を前提に2方式を標準としているが、国の議論の方向により、今後前提が変わる可能性もある。こうした考えは会議で市町村には伝えているが、文書ではまだ送っていない。
◆中川委員
年収393万円の世帯で年間7,000円の増税は高いと思うがどうか?
県は資産割をはずせと指示しながら、年収393万円以下のシミュレーションをしていないのは問題である。
■国保医療課長
年に7,000円は小さくない。ただ、医療保険制度では所得に応じ一定の負担をしてもらう事になる為、やむを得ないと考える。
低所得のシミュレーションは戸田市の実例に応じたものとし、その為、軽減は6・4から7・5・2に変えたパターンとした。
◆中川委員
県が資産割をはずせと指導しているにも関わらず、県が低所得者の実態をシミュレーションしないのはどうなのか?
■国保医療課長
4方式から2方式への変更する場合にも条件設定のバリエーションは無限にある。その為、直近の実例(戸田市)で試算した。平均的な年収393万円とそれ以下の金額の例で実施した。
◆中川委員
資産割をはずさなければ、税額は上がらなかったのではないか?
■国保医療課長
平均世帯で年7,000円増は賦課方式を変えなければ上昇しなかった。
◆中川委員
乳幼児医療費ではなく、こども医療費無料化として、対象年齢を市町村が拡大する傾向にあるが、小児科の存続が厳しい、あるいは救急医療が大変な中で、行政が医療費を無料にしてしまうと、必要以上に診療する人が出て来てしまって、小児科医がつぶれてしまうというような啓発を、これまで県として行って来たか?
■国保医療課長
こども医療費の関係で小児科、救急現場への負担が生じるのではないかという、御指摘のような観点から市町村に対して指導、意見を伝えた事はない。
◆中川委員
こども医療費については、国立病院で小児科を診ている医師から「そういう事をやっているから小児科医はつぶれるんだ」と怒られた。小児科医の視点で、県はどのように考えるか?
■国保医療課長
こども医療費については、そういった視点からの意見、提言が欠けていたのは事実である。

◆中川委員
医療機関の適正受診を図る為、ビデオ映像などを活用した取り組みを市町村に働きかけて来たか?
■医療整備課長
秩父地域や児玉地域ではケーブルテレビを活用した広報を行うなど、各地域で様々な取り組みが行われている。これらについて機会を捉えて情報提供していく。

◆中川委員
不妊治療を行うにあたり、障害の発生のリスクについては、県民に周知しているか?
■健康長寿課長
県では、実施医療機関に対し、患者本人に治療方法やリスクの情報を提供するよう指導を行っている。
実施医療機関は、治療を行う前に、県民に感染症や先天異常などのリスクについて県民に説明し、同意を得ている。

◆中川委員
自殺対策に関して、専門家への相談を勧めるだけでなく、身近にいる方が相談に乗る姿勢が大事なのだという事を周知するべきではないか?
■疾病対策課長
自殺対策については、平成19年6月に国が策定した自殺総合対策大綱に基づき、県では相談・人材育成・広報事業などを実施している。人材育成事業の一つとして、市町村などによるゲートキーパー養成事業に取組み、平成24年度は4,556人の養成を図っている。また、今年度鴻巣保健所では、管内市町や関係団体を含めた連絡調整会議を通じて、自殺のケーススタディ等の検証を行う他、各保健所等において、県民の方からの相談等に対応している。
周知については、民間支援団体等の関係機関と連携し、3月の自殺予防強化月間のキャンペーン実施など今後も積極的に行っていく。
◆中川委員
自殺対策の取り組みを検証する為には、警察からの情報提供を市町村と活用していくべきではないか?
■疾病対策課長
自殺者の状況を把握する為、警察等の関係機関から情報提供を受けているが、実際には、自死遺族等への聞き取り調査時のグリーフケアなど、関係者に配慮すべき点が多い事から、困難が伴うものがある。


産業労働

◆中川委員
①就職失敗を原因とする自殺、いわゆる就活自殺は5年前と比べて2.5倍に増えていると言われているが、県内の就活自殺は過去5年間にどのくらい発生しているのか?他県と比較してどうか?
ハローワーク特区の就業支援サテライトでは、就職が決まらなかった人を追跡調査しているが、きめ細かな対応をする為にも、市町村との連携をどのように図っているのか?
②埼玉県の障害者雇用率は47都道府県中39位と伺ったが、残念な順位である。企業に対する働きかけも重要だが、埼玉県の教育委員会も雇用率を達成出来ていない。法令遵守が出来ていない教育委員会に対し、どのような指導をして来たのか?
■就業支援課長
①平成20年から24年の5年間で就職失敗を原因とする20代までの自殺件数は全国で1,164件、うち本県は68件で人口比率にほぼ見合った件数である。
追跡調査で就職出来ていない事が判明した人には、ヤングキャリアセンターの再利用や県内7か所にあるキャリアセンターブランチ事業の就業支援サービスの活用を市町村と連携して呼び掛けている。また、精神状態が不安定な人には、ヤングキャリアセンターの心理カウンセリングに誘導している。
②教育局に対しては教育現場で障害者雇用を行う為の具体的な方法・アイデアを提案している。例えば教育施設には清掃・植栽など障害者でも従事できる業務があるが、単独施設では1人分の業務量にならない。このため複数の施設の業務をまとめて1人分の仕事を作り出してはどうかという提案を、障害者雇用サポートセンターの専門スタッフから教育委員会に示すなどして働きかけた。また、教育局本課でコピー・パソコン入力などの軽作業を切り出して週20時間程度の短時間雇用の場をつくるよう提案し、24年度は17名の採用につながった。今後も具体的な雇用方法を提案しながら教育局の取組を支援してまいりたい。

◆中川委員
昨年度末の四半期経営動向調査で、消費税増税の影響調査を行っているが、調査結果として「消費税増税により悪影響がある」と回答した企業の割合は何%だったのか?県庁職員はこうした調査結果について情報を入手・把握しているのか?今後は同様の調査をいつ頃行う予定なのか?
■産業労働政策課長
昨年度末の四半期経営動向調査は、消費税率引き上げ1年前時点の平成25年1~3月期の調査で、県内中小企業への影響について調べており、「悪影響がある」と回答した企業は72%となっている。調査結果は庁内各課に情報提供し、計画調整課など各課が施策を検討する上での材料として活用している。今後も各種調査の結果について一層の周知を図っていく。今後の調査については、26年4月以降、税率引き上げ後の状況について、経営動向調査などにより把握していく予定である。

◆中川委員
①埼玉県の労働相談件数は全国で何番目か?
関東近県で、土日の相談業務を行っている自治体があれば伺いたい。
県に労働相談センターがある事はあまり知られていないと思うが、県が労働相談を行っている事をどのようにPRしているのか?
②現在の県民の年収や退職金の金額を、県職員が認識する事は非常に重要である。全県庁職員に周知徹底が図られているのか?
■勤労者福祉課長
①全国の労働相談件数の数字は持ち合わせていないが、関東では、東京都が10万件、神奈川県が2万件で、埼玉県は3位である。参考までに千葉県は1,700件である。
土日の労働相談は、東京都は土曜日、神奈川県は日曜日、茨城県が土曜日・日曜日の両日に行っている。
PRについて、昨年度は緊急雇用創出基金を活用してチラシを6万枚作成し、主要40駅の街頭で配布した。通年の取り組みとしては、市町村やハローワークにチラシ・ポスターを配布しており、市町村の市民相談で当センターを紹介してもらうよう依頼している。
②県民の年収について、国税庁の調査によると、平成24年の平均給与は408万円、平成23年は409万円と近年減少傾向が続いている。退職金については、平成20年の国の調査で大卒・勤続20年以上・年令45才以上の場合、定年で2,280万円となっている。5年ごとに退職金の調査が行われており、前回に比べると200万円ほど減っている。
賃金等は重要なデータであり、労働相談などの中で活用しているので、当課でも把握に努めている。他の関係部局も必要なデータを取っていると思うが、全庁的に周知されるよう更に努めていきたい。
◆中川委員
労働相談件数について、神奈川県の2万件と比較して、埼玉県の4,700件は少なすぎるのではないか?
PRは、緊急雇用基金などの予算が無いと出来ないのか?県庁ホームページを見ているが私は知らなかった。PRについて問題意識を再度確認したい。
■勤労者福祉課長
労働相談件数の差についてであるが、埼玉県が1か所8人体制であるのに対し、神奈川県は4か所38人体制であるという体制の差に起因するところもある。そのような本県の相談体制の状況下で、出来るだけ多くの方の労働相談をくみ上げていくよう努力していく。
PRについては、緊急雇用創出基金も含め、色々な手段を使って可能な限り広報に努めている。また、労働局や弁護士会などの関係機関と連携を取りながら進めていく。

◆中川委員
県庁職員の何割が名刺に観光PRの記事を掲載しているのか?観光はPRが重要だと思うが、県庁職員は外であまり名刺を配らないのか?
■観光課長
県庁職員の名刺は、広聴広報課が作った統一フォーマットを活用している場合、各個人が作成している場合など、多種多様である。この為、名刺に観光PRの記事を掲載している職員の割合を把握する事は極めて難しい。
参考までに観光課では、職員全員が観光名所などを掲載した観光PRの名刺を使用している。

◆中川委員
県庁職員の名刺の現状については、行政の縦割りの弊害が如実に表れている。県庁職員は全て埼玉県を愛しているはずである。職員の名刺を見ると大概裏面が空欄になっているが、こうした場所を活用して観光だけではなく、旬のイベントや、県の事業などを掲載してPRすべきと考えるがどうか?
■産業労働部長
県庁内各課にはそれぞれ大切な事業があり、観光もあればそれ以外の事業もある。各課の事業をPRする事が重要であると考えている。知事は10種類以上の名刺を持っていてトップセールスを行っているが、その場の状況に応じて使い分けている。私も海外出張の機会があり、名刺の裏面は氏名などを英語で表記しているが、企業立地、中小企業支援、ウーマノミクスの3種類の名刺を持っており、状況に応じて使い分けている。今後は委員の発言の趣旨を踏まえて、観光PRの機会を増やしていくので、御理解を賜りたい。

◆中川委員
教育委員会の障害者雇用率について、達成期限などの具体的な目標を立てているのか?
■就業支援課長
教育委員会の障害者雇用に関する法的な指導権限は、埼玉労働局にある。県としては粘り強く具体的な雇用の提案、助言などを行いながら、できる限り早く雇用率を達成できるよう教育委員会の取り組みを支援していく。
◆中川委員
教育委員会の障害者雇用率について、最低でもいつまでには達成するという目標はあるのか?
■就業支援課長
いつまでにと具体的に示す事は難しいが、できる限り早期の達成を実現する為、教育委員会にしっかり助言・支援をしてまいりたい。


環境

◆中川委員
住宅用太陽光発電設備の設置基数が全国2位との事だが、県のイベント以外でのPRはどのように行っているか?
■温暖化対策課長
彩の国だより6月号に環境月間という事で太陽光パネルの特集記事を掲載した。
◆中川委員
HPや広報は、中々見てもらえないものと私は認識している。マスメディアに対する太陽光発電設備の広報はどうしているか?
■温暖化対策課長
補助金に関する広報は行っているが、設置基数に関する広報は積極的に行ってはいない。

◆中川委員
ディーゼル車の規制について、県は装置装着に係る補助をやめてしまっているが、近県の状況はどうなっているのか?
■大気環境課長
条例での運行規制の実施にあたっては、初度登録から7年間は猶予期間を設け、その間に対応をして頂けるよう、十分な余裕を持って対応を促して来た。装置装着に係る補助金は近県においても終了している。今後も指導を丁寧に行い、粒子状物質減少装置の装着等ディーゼル規制を進めていく。

◆中川委員
し尿処理や焼却炉の広域化について、県は市町村に対してどの程度の働きかけをしているのか?
■資源循環推進課長
ごみ処理広域化計画を作って、21ブロックに区割りし、モデル的に枠組みを示し広域化を働きかけている。ブロック人口で30万人以上、少なくとも10万人以上とし、焼却能力では日量300トン以上、少なくとも100トン以上を目安としている。
現在もいくつか話が進んでいる。(し尿についての答弁無し)

◆中川委員
産業廃棄物収集運搬業の許可申請の際、財務状況が悪かった申請者は、公認会計士等に今後5年間の収支計画書を作成させ、提出させているが、ただでさえ金銭的に厳しい上に、さらに費用のかかる書類を作成させるのは、やや指導が行き過ぎていないか?
許可の有効期間が5年間である為と言うが、5年も先の収支計画にどれほどの意味があるのか?
■産業廃棄物指導課長
産業廃棄物収集運搬業の許可にあたっては、申請者が経理的基礎を有している必要があり、その審査においても大変重要なものととらえている。
5年間の有効期間で許可を出すので、申請者の財務状況が悪い場合は5年間の収支計画書を提出させており、収支の改善を促す上でも必要と考えている。
これらの書類は、許可申請時点で経理的基礎の有無を判断せざるを得ないものである為、今後とも求めていく。

◆中川委員
PM2.5ついては、さも中国が悪いようにマスコミで取り上げられているが、県内にも発生源はある。事業者などに対してPRする今が絶好の機会と考えるが、どのようにPRしているのか?
■大気環境課長
PM2.5に関する理解を深める為、県民学習会を開催している。事業活動も発生源となり得る事から、事業者に対し参加を呼びかけた。
また、運送業等の事業所への立入検査時には、PM2.5の発生抑制に関しても事業者へPRしていきたい。


危機管理防災

◆中川委員
①埼玉県民の地震保険の加入状況は、首都直下地震の想定地域となる1都3県の中で一番低い。今後発生する地震に備えて、地震保険の加入を促進していくべきと考えるが、県民への啓発はどのように行っているのか?
②東日本大震災で、地震保険に加入していなかったケースがどうだったか、県民に周知を行ったのか?
■危機管理課長
①埼玉県の加入率は28.1%で、全国平均27.1%よりも若干高い。県ホームページで地震保険への加入について掲載している。また、現在、地震被害想定調査を実施しているが、その結果と併せて普及啓発に努めていきたい。
②東日本大震災で、地震保険に加入していなかった世帯の状況は把握していない。おそらく、被災者生活支援法に基づく支援金や義援金等により住宅の再建に努めているのではないかと思う。

◆中川委員
①救急車の不適正利用を減らす為に、各市町村に、啓発用ビデオの活用など、啓発活動を充実させるよう指導しているのか?
②災害時要援護者の個別計画は、市町村において、いつまでに整備しなければならないと期限を決めているのか?
■消防防災課長
①救急車適正利用の啓発について、本庄や羽生などでは、ケーブルテレビを活用するなど工夫して取り組んでいる。県としては、こうした先進・優良事例を各消防本部に紹介し、更に啓発活動を充実させてまいりたい。
②個別計画については福祉部が所管しているが、「埼玉県高齢者支援計画」では平成26年度には全市町村が策定する事を目標としている為、引き続き市町村の策定を強く支援していきたい。
◆中川委員
中・高校生への防災教育に関して、最近ではテントも建てられない子が見受けられるが、例えば、夏祭りなどの設営作業に中高生に参加してもらう事を市町村に勧めたりしているのか?(防災は地域のつながりが重要)
■消防防災課長
現状では実施していない。近年、帰宅困難者対策では教育局で教員に防災研修を実施している。この様な動きをきっかけとして、今後、学校教育との連携を含め、しっかり進めていきたい。

◆中川委員
消防の広域化について、財政的にメリットが無いとする市町村があるのであれば、平成30年4月までの実現は難しいと考えるがどうか?
■危機管理防災部長
広域化する事で、例えば総務部門は重複する為、その分の職員が現場に配置できるようになる。また、ハシゴ車4台が3台で足りるようになり、その効率化した部分で他の資機材を高度化できるようになる。財政的に金額を下げるのではなく、現在と同じ額を使って高度化を図る、効率性を高めていくという事である。ただ、財政的にメリットが無いのは、これまで消防に十分に費用をかけて来なかった市町村であり、広域化により他と同じ水準まで引き上げる事により割高になってしまうものである。これまで通常の費用をかけている場合は、広域化は財政・人員・内容の全てにおいて向上するものである事から、今後も取り組みを進めてまいりたい。


警察本部

◆中川委員
①少年犯罪について。家庭の力が低下している中、警察官の人数が限られている為、少年補導員や少年指導員がいると聞いたが、スーパー等の店舗の万引き防止の本県の取り組みについて、他県と比較してどうか?
②少年補導員・少年指導員の今後の配置計画はあるのか?
③家庭の力に課題がある中で、警察官は地域の怖い存在であってもらいたいと思うが、課題をどのように考えているのか?
④保護司の中で、警察官OBはどのくらいいるのか?
■少年課長
①他県の状況は把握していない。本県では販売防犯連絡協議会加入店舗による万引きさせない店舗づくりを実施している。また、県警察では、大型ショッピングセンターを中心とした万引き防止街頭キャンペーンを実施しており、具体的には本年7月に羽生警察署管内のイオンで実施している。さらに、本年2月に浦和警察署管内で万引き防止セミナー、本年1月に東松山署管内で万引き防止フォーラムをそれぞれ実施している。
②少年補導員は、各警察署1名ずつの39名と本部少年課15名の合計54名を配置している。また、少年指導員は県下で611名配置しており、熱意を持って取り組んでもらっている。現時点で増員の計画は無い。
③各警察署には、少年に対しては、良いものは良い、悪いものは悪いといった対応をするよう指導し、少年補導活動等に努めてもらっている。
④県警察では、警察官OBの保護司への就任状況を把握していない。
◆中川委員
少年補導員・少年指導員に主婦や高齢者が多くなっているのではないかと考えるが、警察官OBの活用という視点で、少年補導員、少年指導員以外にも方策は無いのか?
■少年課長
少年補導員・少年指導員は、主婦が中心であり、その中には教員OB等もいると聞いているが、警察官OBの就任状況は把握していない。内訳としては、無職が46.4%、現職の公務員が4.3%、教師が7.2%、会社員が9.3%、僧侶が1.9%、自営業が22.7%、農林漁業が3.6%である。なお、平均年齢は60才を超えており、高齢化していると言える。


都市整備部

◆中川委員
コンパクトシティについて。
①市町村への助言指導など支援は行っているか?
②県はバス停を拠点としたまちづくりを進めているが、バス会社にバス停のベンチ設置を呼び掛けているのか?
■都市計画課長
①県では、都市計画の基本的な方向性を示す「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」のまちづくりの目標に「歩いて暮らせるまちの実現」を掲げ、コンパクトシティを進める市町村を支援している。また、都市計画主管課長会議などにおいて、国の動向やコンパクトシティの取組事例等を市町村へ情報提供している。
②バス会社にバス停のベンチ設置は呼び掛けていないが、今年度からバス停の近くのスーパーや店舗にお願いして、雨風をしのいでバスが待てる「バスまちスポット」の登録を進めている。

◆中川委員
県営住宅について。
①家賃の不納欠損額は、他県と比べてどうか?
②入居の収入基準が高く感じるが、下げる事は可能なのか?
③高額所得者が県営住宅に入居している事に対して、県はどのように考えているのか?
■住宅課長
①本県の平成24年度不納欠損額は1,635万555円である。管理戸数が同規模の福岡県は1,608万3,000円であり、本県より管理戸数が若干少ない千葉県では、1,721万千円となっている。
②収入基準は公営住宅法で規定されており、その基準により明渡しの指導を実施している。
③高額所得者に対しては、住宅供給公社の明け渡し指導により全て明け渡しに至っている。今後も、明け渡し指導を継続し、自主退去しない者に対しては訴訟を考えていく。
◆中川委員
不納欠損額は年度によってバラツキがあるはずだが、この点については、他県と比べてどうなのか?
■住宅課長
本県の不納欠損額は、平成22年度は2591万522円、23年度は2417万1706円、24年度は1635万555円である。
福岡県は、22年度1506万9千円、23年度は1117万千円、24年度1608万3千円である。
千葉県は、22年度410万円、23年度886万2千円、24年度1721万千円である。


県土整備

◆中川委員
建設業法の不法行為に関する相談件数が減少している(20年度646件→24年度381件)。
窓口のPRが足りないのではないか?
■建設管理課長
相談窓口は、もともと建設業者等から建設業法上の相談を受ける中で設置した経緯がある。派生的に色々な相談を受けている。これまで特別なPRは行っていない。

◆中川委員
自転車レーンの整備状況は、全国や関東他県に比べどうか?
■道路環境課長
全国レベルでは分からないが、関東9都県で把握している。
自転車走行空間の整備には3種類あり、本県の整備状況は「自転車道」は3km、「自転車レーン」は9.7km、「歩道内の自転車通行位置の明示」は38.5km、合計51.2kmである。
自転車レーンの整備延長では、栃木県に次いで、本県が2位である。
整備延長の合計では群馬県が140.5kmで1位、本県が2位となっているが、群馬県の整備手法はほぼ「歩道内の自転車通行位置の明示」である。


県立病院

◆中川委員
①循環器・呼吸器病センターでは、看護師の勤務体制についてどう考えるか。カテーテル室の土日の看護師の体制を変えれば、受け入れが充実するのではないか?
②循環器・呼吸器病センターを視察した際、売店の本の販売などを充実した方が良いと感じた。QOLの観点から患者アンケートを4病院とも行っていると思うが結果はどうか?
③精神医療センターにおける入院期間が長期化している患者について、どのような課題があるのか?
■循環器・呼吸器病センター病院長
①カテーテル治療の救急受け入れには波がある為、夜間休日に看護師が常にいる状態ではなく、オンコール体制になっており、CCUからフレキシブルに回している。看護師は十分な数が確保できている為、カテーテル担当のチームを作るなどの方策を考えている。
②検査棟は昭和53年度から使っているので、アメニティは現状ではあまり良くない。売店も今風ではない。新館オープンの際にはコンビニを入れる予定であり、レストランも併せて検討している。
また、患者満足度調査を、毎年、専門業者に委託して実施しており、概ね好評価を頂いているが、入院では施設・設備面、外来では待ち時間の評価が低くなっている。待ち時間の平均は47分であり、今後は、がんセンターに導入される呼び出しシステムも検討していきたい。
病院長への手紙は90件ほど頂いており、お礼とクレームがそれぞれ5割程度である。お名前のある手紙には、必ず病院長名で回答し、改善を要する内容については関係職員に伝達し、改善につなげている。
■がんセンター病院長
②患者アンケートを年1回行っている。内容を点数化しているが満足度は80数%である。外来の患者さんからの声としては、設備に関するもの、待ち時間に関するもの、駐車場に関するもの、そして案内が十分でないなどの指摘があった。入院では、清掃に関するもの、接遇、案内に関するものなどの指摘があった。
新病院では、これらに対応する為、患者呼出システムを導入し、待ち時間の改善を図り、外来駐車場も病院前に638台を整備した。案内に関しては、相談支援センターに、MSW、看護師、事務職を配置し、受診や入退院の流れを説明できるようにし、接遇に関しても、医師や看護師等に対し、患者さんへの対応に関する研修を地道に行っていきたいと考えている。
■小児医療センター病院長
②一番の問題は予約が取りづらいという事である。
診療に十分な時間を取ると、診療できる患者数が少くなくなり、何か月か先の予約しか取れないという悪循環になってしまう。待ち時間に関しては、診察まで1時間程度お待たせしている。診察時間の平均は30分くらいであり、比較的ゆっくりと診察できる時間が確保できていると言える。入院患者と外来患者では満足度に差があり、入院患者は、空調やトイレなど病院設備についての要望が多く、外来は接遇についての要望が多い。
■精神医療センター病院長
②年1回患者アンケートを実施し、80点頂いている。要望としては、トイレをきれいにして欲しい、売店の品揃えを改善して欲しいなどである。
③本センターは、本県精神科における最後の砦である事から、処遇困難な事例が多い。最近では発達障害や軽度な知的障害により社会への溶け込みが困難な事例などがあり、入院と同時にケースワーカーを付けて将来的な見通しを含めて対応している。課題としては、病院や社会福祉施設などの後方施設をいかに確保していくかであると考える。

◆中川委員
精神医療センター退院後について、後方施設の確保という話が出たが、絶対数が足らないという認識か?
また、精神医療センターにお世話になる前段階でこうあるべきという考えがあれば教えて欲しい。
■精神医療センター病院長
当センターにかかる前に、何らかの方策、施設や病院などを探す事があってしかるべきとも考えるが、その一方、医療観察法病棟などでかなり時間をかけて社会復帰を志しても難しいケースがある事も事実である。こういった方々の為の施設は必要だと考えている。


水道

◆中川委員
①高度浄水のペットボトルの生産本数は何本か?本県より生産量が多い事業体はあるか?また、この収益の使途を特徴的に活用している事業体はあるか?
②水道は最低限のライフラインであり、安全な水の供給が必要であるが、今後、少子高齢化等により経営が厳しくなると予想される。今のうちに高度浄水処理施設を導入する事が望ましいのではないか?
③浄水場の中長期の修繕計画があると思うが、どうなっているか?
■水道企画課長
①平成24年度は28,800本生産した。近隣では、横浜市が200万本/年、東京都が42万本/年生産している。各団体とも水道事業のPRを主目的に製造しているが、横浜市や神奈川広域水道企業団は、売上を国際貢献や文化振興などに寄付している。神奈川県においては、神奈川フィルハーモニーへ寄附し、音楽で県民に楽しんで頂いている。
②少子化等により使用量が少なくなって来ているが、安全な水の供給を第一に考え、必要な設備を整備してまいりたい。
③現在、平成38年度までの施設整備の改修計画を検討しているところである。
◆中川委員
高度浄水処理の整備を5年、10年後に行うという事は、水道会計上可能なのか?
■水道企画課長
減価償却の費用がどのくらいかかるか、今の会計の中でどれくらい余力があるかという事から判断する必要がある。試算していない為示す事は出来ないが、極力影響のない形で進めてまいりたい。


下水道

◆中川委員
①“民間で出来る事は民間で”という観点から伺う。
 現在、修繕を含めた管理業務を9施設中2施設を民間にお願いしている状況であるが、今後はどのような考えか?また、県営で運営しているメリットは何か?
②今回の決算では各部局に中長期的な財政計画、特に歳出の部分を出来るだけ早く示すようお願いしている。管渠の耐用年数対策については、いつ頃中長期的な計画が示されるのか?
■下水道管理課長
①民間活力の重要性は十分認識しているが、埼玉県の下水道の維持管理については、これまで下水道公社が行って来ており、技術力・ノウハウの蓄積がある。また、最近の異常豪雨、地震等の危機管理も考え、民間活力の良いところをどのように活かしながら、下水道局としての体制を取れば良いのかについては、今後十分に検討していきたい。
公のメリットについては、あくまでも下水道事業の最終的な責任は行政側にあると認識しているので、ライフラインの重要性を鑑みると公が最終的に責任を持ってやるべきだと考えている。
②管渠の耐用年数は基本的に50年とされている。現在最も古いもので建設から47年、供用開始から41年経過している。4年に1度調査を行っており、早急に大きく改築する必要があるものは無い事が分かっている。今後は、推移を見ながら中期計画の検討をしていきたい。
◆中川委員
①民間委託に関して、例えば9施設のうち3や4施設となるような検討の、一定のめどはいつ頃になるのか?
また、既に民営化されている2か所のコストパフォーマンスはどうなのか?
②今後の中長期的な計画の策定は、いつ頃になるのか?
■下水道管理課長
①包括民間委託については、下水道全体として、今後どのような体制が望ましいのか検討を行っているところである。その中で、危機管理の観点、技術力継承の観点等を考慮しながら進めていきたいと思うので、現時点ではいつ頃かは申し上げる事が出来ない。
現在の2か所のコストパフォーマンスについては、平成18年度から委託しており、3年ごと3期目に入っており、現時点での比較は難しいが、1期目の時に1年前の下水道公社との金額の比較では、年1,800万円下がっている。
②管渠の中長期的計画については、修繕や地震、老朽化対策、工事のしやすい場所と、しにくい場所の問題等、色々な要素がからみ合って来るので、総合的に考え、計画的に進めていく。
■下水道局長
②下水道施設には管渠・水処理施設・汚泥処理施設がある。大きく分けると機械設備・土木構造物・建築物に分けられるが、おおよそ5万点にも及ぶ上、各々耐用年数も違い、建設した時期も違う。これを統括して予算と合わせて管理していくには、ベースとなる施設台帳を作成しなければ適正な管理が出来ない。
現在、その台帳整備に取り掛かっているところである。来年度から概ね2か年をかけ、施設台帳の整備に着手する予定であり、これをもとに修繕時期をいつにすれば長寿命化が図れるのかという事を考えている。この計画が具体的に何年頃に出来るかは答えられないが、現在取り組んでいる状況である。
なお、比較的耐用年数の短い機械設備については、10~20年が耐用年数となる為、現段階で分かる範囲で長寿命化計画を立て、計画的に修繕を行っている。

狭山環状有料道路を無料に

  

質問 中川 浩

 今回の質問で唯一地元に直結する質問をさせていただきますのは、前回も質問いたしました狭山環状有料道路、県の道路である有料道路の無料化についてで、今回は違う観点から質問を伺います。なお、有料期間は、あと残り9年であります。
 大分県では、県道路公社の有料道路3路線を市町村の負担を求めず、料金徴収期間を待たずに県の考えで2年前に無料化したと伺いました。これは国の交付金を使って行ったそうですが、このような方法について県は検討されたのでしょうか。狭山環状有料道路のある地域の実情ですが、狭山市の法人税収の多くは製造業からで、法人税収の6割以上が自動車関連企業からのものと推察され、寄居町の大手自動車工場が来年本格的に稼働し、狭山市にある工場の生産ラインは現在2本稼働しておりますが、その稼働が1本になると企業の公式見解として報じられております。
 また、狭山市の真ん中には入間川と川の隣に国道16号があり、2つの工業団地が川で挟まれております。そうした中で、橋の通りは朝夕特に混雑をいたします。県道である狭山環状有料道路が有料であることにより、無料であるほかの橋の道路が渋滞し、その渋滞によって生活道路は、私が高校時代、マラソンコースでほとんど車が通らないところでしたが、抜け道となって迂回車両によって頻繁に流入してくるようになっています。先日、県の担当職員の方、県土整備の担当の方に現地を確認していただき感謝しております。ありがとうございます。
 そこで、まず認識を伺いたいのですが、入間川大橋の通りの渋滞と特に生活道路への迂回流入は、有料橋が大きく起因しているとの共通理解をしていただけますでしょうか。生活道路をスクールゾーン等の交通規制にすることは難しく、その道さえよければ的でしかありません。
 次に、有料であることにより、この入間川大橋の通りの大渋滞による負の経済効果をはじめ、無料にした場合の経済効果をご検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。有料道路の形状からして東松山や富士見にあった有料道路とは形状が違い、料金を払う意識は持ちづらく、市町村合併で無料にした浦和の橋と同様、早期の解消が必要だと考えます。県土整備部長のお考えをお聞かせください。


答弁者:岩崎康夫 県土整備部長

まず、国の交付金を使った無料化の方法を県は検討したのかについてでございます。
 大分県では、平成22年12月に有料道路3路線を無料化いたしました。
 これは、平成21年度限りの国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用し、公社の借入金を償還して道路公社を解散したものでございます。
 本県では、今後の道路整備の担い手として道路公社は、引き続き必要と考えております。
 また、有料道路制度は受益者負担の原則で成り立っており、これまでに、新浦和橋においては、地元自治体から負担をいただき無料にした事例もございます。
 このため、一概にこのような交付金を活用した方法で、無料化することは難しいものと考えております。
 次に、入間川大橋の通りの渋滞と生活道路への迂回流入についてでございます。
 現地で確認したところ、入間川大橋の通りにおける渋滞については、朝の7時から8時半ごろまで西武新宿線の踏切を先頭に、国道16号を越えてさらに西側まで伸びている状況でした。
 また、この入間川大橋の通りの渋滞を避ける車両が生活道路に入り込んでいる状況でございました。
 こうした渋滞は、狭山市域における国道・県道・市道の道路ネットワークの状況、それぞれの道路の交通容量、踏切における交通遮断などが要因と考えられます。
 これらのほか、周辺の土地利用状況など、地域における様々な要因が相互に関連しているものと考えております。
 このような状況の中で、有料道路は朝の混雑時に1時間当たり約700台、5秒に1台の割合の交通量を担っております。
 次に、有料であることによる不経済効果と無料にした場合の経済効果の検討についてでございます。
 これらの検討に当たりましては、先ほど申し上げましたように、地域づくりの主体であり、無料化により最も利益を受ける地元狭山市が中心となって実施することが望ましいと考えております。
 県といたしましては、これらの検討に当たり交通センサスデータの提供など必要な協力をしてまいります。
次に、無料にした浦和の橋と同様、早期の解消が必要ではないかについてでございます。
 受益者負担を原則としている有料道路において、料金徴収期間満了前に無料化する場合には、その時点での債務を返済する必要がございます。
 さいたま市内の新浦和橋は地元市が約33億円を負担し、無料化をいたしました。
 狭山環状有料道路は、狭山市内の交通渋滞を早期に解消するため、地元の要望に応え有料道路事業を導入して整備したものでございます。
 そこで、この有料道路の無料化につきましても、新浦和橋と同様に、債務の返済に当たって、地元自治体の負担をいただくことが必要であると考えております。
 今後、平成24年度末には都市計画道路東京狭山線の所沢市内の国道463号から日高市内の圏央道狭山日高インターチェンジまでの約15キロメートルの区間がいっきに結ばれます。
 この機会をとらえ、より多くの方々に有料道路を利用していただけるよう、引き続き、道路公社と連携しながら利用拡大に取り組んでまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

埼玉の映画!『のぼうの城』今後のPR

  

質問 中川 浩

全ての県庁職員の皆さんは熱みなぎる、また、人の心を温める埼玉県の営業マンであってほしいと思っております。県庁ですれ違う職員のイメージは、大変恐縮ですが、ポケットに手を入れ下を向いて歩いているイメージがあります。私の住む狭山市と姉妹都市関係にある新潟県津南町の職員の方に以前聞いた話ですが、普通市町村で市民に郵送する税金の振込用紙などの文書を町の職員が勤務時間以外に無給で手配りしていると伺い、大変驚いたことがあります。
 そのようなことを聞いている中、今年9月3日に埼玉会館で開催されました「映画『のぼうの城』埼玉県民500人の力」設立大会は、参加者数が320人から330人ぐらいということで、県職員の参加者は多くなかったように思います。また、その集会の後、参加者や県職員がどのような活動をしたのか見えない状況にあります。
 例えば、上田知事はご自身の名刺に映画「のぼうの城」を掲載しているのは存じておりますが、県庁の担当者以外の職員でどなたかそれを掲載されている方はいらっしゃるでしょうか。例えばご自分の名刺に所管のことが書いてある場合、裏もありますし、二枚にするという方法もなくはないかと思います。
 私どもの会派の議員は、映画会社と連絡をとり、例えば浅野目義英県議と私は浦和の商店街、ホテルなどを回って「のぼうの城」のポスターの掲示やチラシを置いていただくお願いをしたり、所沢市選出の水村篤弘県議は大学にポスターの掲示をお願いしたり、PR活動に取り組んでおります。県職員に目を向けてみますと、担当課を中心にPR活動に取り組んでいますが、直接業務に関係していない県職員からはその意識が余り感じられません。
 一方で、こんなことがありました。私どもの会派の控室の入り口には「のぼうの城」の看板を設置してあったのですが、以前、県庁の掃除をされている方がその看板を見て映画に関係した歴史の雑誌をわざわざうちから持ってきてくださいました。私は一度もお会いしたことのなかった方でしたので、うれしくて仕方なく温かい気持ちになりました。
 映画「のぼうの城」は全国の映画館で上映され、年明けまで多くの映画館で上映されるほど来場者数も上々と伺っております。この映画を起爆剤に県民意識が薄いと言われる本県の県民意識を醸成するとともに、埼玉県を県外にもっとPRしていくべきであり、またとないこのチャンスを逃すべきではないと思います。既に上映が始まったから終わりというのではなく、いずれ発売されるであろうDVDなどの発売期間も視野に、まだまだやれることがあるはずです。
 これまで私は県立高校、公共施設でのPRをお願いしたり、県立の博物館で「のぼう」に関連した展示物を強化していただくお願いをしたりするなどしてきましたが、例えば埼玉高速鉄道ではPRができておりません。
 そこで、埼玉の映画「のぼうの城」の今後のPRについて何ができるのかを徹底的に洗い出し、それを実行していただきたいと思いますが、どのようにされるお考えなのか、知事にお伺いします。


答弁者:上田清司 知事

忍城のことは知っていても、たった500人で石田三成率いる2万の豊臣軍を食い止めたという史実はあまり知られておりませんでした。
 城兵と農民が一体となって大軍を撃退したというストーリーは、埼玉県民にとっては痛快な話であります。
 お話のとおり、「のぼうの城」は大ヒットとなって、映画会社は3日間の興行収入を見て20億円の興行収入予定を一気に40億円に変えたというぐらい見込みがある映画となったそうであります。
 中でも県内では大変な反響で、12月2日の日曜までの1ヶ月間で映画館に足を運んだ方が30万人に至るというそうであります。
 そういう意味で埼玉県として、この「のぼうの城」を活用したPRについての中川議員のご提案は、1つ1つ意義のあるお話でございました。
 県庁の職員のメンバーは、同時多発的なことをすることが苦手な人が多いもので、企業局の人は企業誘致のアピールの名刺を一生懸命に持っていまして「のぼうの城」のことは忘れております。
 福祉の方は福祉のことを一生懸命やっていて、「のぼうの城」のことを忘れておりまして、なかなか我々の職業みたいに同時多発にいろんなことをやることに慣れていないのでご不満も多いとは思います。
 極力今後県庁の職員にも同時多発的なことができるように、さらに「のぼうの城」のPRをあらゆる機会に展開するよう、今後とも努力してまいりたいと思います。

震災対策

  

12月8日 埼玉新聞

0125_05

 

通勤・通学者への今後の啓発・訓練

質問 中川 浩

阪神・淡路大震災以降、この16年間、大きな災害が何度もありましたが、啓発・訓練が徹底されたとは思えない部分があります。人はやったことがないことをいざというときにやるのは難しいものです。誰でもそうですが、課題を実際に実行しなければ意識、発想も変わりません。言い方を変えますと、私は妻に体を鍛えろと言われているんですが、この質問が終わったら、あるいは選挙が終わったらスポーツジムに通わないとなかなか自分が変われないと思っていることからも申し上げております。
 さて、その大きな一つが、震災対策で考えますと通勤・通学者の啓発・訓練についてであります。都内などに通勤している人が車で移動することがあるわけですが、昨年、私が6月定例県議会の一般質問で緊急輸送道路の確保について質問して以降、東京都では緊急輸送道路の訓練が二度、実際に道路を約10分間止めて行われました。埼玉県でそれを行う必要について伺います。
 また、例えば震災時、スーパーなどの大型駐車場に一時的に車を避難、駐車させる協定は必要ないでしょうか。
 災害時に救助活動の車両を優先するために、災害時伝言ダイヤルの訓練は不可欠であります。伝言ダイヤルについて、昨年の質問以降、県立高校での訓練は行われていないように感じられます。例えば埼玉県として、あるいは関東にある九都県市で電車の車内映像、ドアのところの上にある車内映像で震災対策の通勤・通学者に対して啓発をされてはいかがかと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。


答弁者:上田清司 知事

まず、緊急輸送道路の訓練についてでございます。
 本県についても今年の県と飯能市の合同防災訓練において、飯能市の一部で実施いたしました。
 また、県警においても今年9月に大宮駅西口の国道17号の一区画を封鎖する訓練も実施しています。
 これらの訓練は、緊急交通路の確保の実効性を高めるためにも必要だと考えております。
 より効果的な訓練の実施とドライバーへのPRについては、警察本部と調整を図るよう危機管理防災部に指示をしておきます。
 次に、スーパーなどの大型駐車場に一時的に車を避難・駐車させる協定についてでございます。
 災害時には消防、警察等の緊急車両の通行を確保する必要があります。
 災害対策基本法に基づき公安委員会が、緊急交通路を指定し一般車両の通行を制限します。
 指定された緊急交通路の主要交差点には、警察官が配置され一般車両の進入規制や他路線への誘導を行います。
 運転手のいる車両は他路線へ誘導しますが、事故車両などについては緊急交通路の大きな支障になることが予想されます。
 大規模商業施設の駐車場は、事故車両などの一時保管所や支援車両の集会所として有効であると考えられます。
 沿道の活用できるスペースについては、一刻も早く人命を救出する目的から所有者に協力いただけるように働き掛けてまいります。
 次に、災害用伝言サービスの学校での訓練の実施状況です。
 全ての児童生徒及び保護者が携帯電話を所持しているとは限らないために、学校では一律に訓練を実施やっておりません。
 児童生徒の安否の確認については、安全に保護者に子供たちを引き渡す観点から極めて重要であります。
 昨年9月に改訂した学校防災マニュアルでは、児童生徒の安否情報を保護者に伝える手段として災害用伝言サービスの活用も盛り込みました。
 家庭での体験利用を勧奨するプリントを配布するなど教育現場で防災教育として取り組んでいく必要があります。
 一番重要なことは先生と保護者間で災害用伝言サービスの伝達訓練を何回も実施することです。
 教育委員会においてはこの災害用伝言サービスの伝達訓練を徹底して取り組んでいただきたいと思います。
 次に、災害用伝言サービスの電車の車内映像の啓発でございます。
 帰宅困難者対策で最も重要なのは、「むやみに移動を開始しない」ということでございます。
 このため、家族の安否が確認できるということに尽きる、こう言っても過言ではありません。
 議員お話しの家族安否確認方法として、災害用伝言サービスの周知を行うことが極めて重要であります。
 電車内の映像による広報は、アイキャッチの面では優れている一方、じっくりと読み込むことができません。
 現在、九都県市で首都圏の17鉄道事業者を通じて、通勤・通学の行動経路である駅構内や車内に災害用伝言サービスのポスターを掲示しております。
 さらに、今後は駅前滞留者の帰宅困難訓練の場を通じ災害用伝言サービスの操作研修などを行って、普及啓発に努めていきたいと思います。


県立病院(がんセンター・精神医療センター)での災害時等、大規模急患の受入れ・訓練を

再質問 中川 浩

私は今年3月に、県立精神医療センターと県立がんセンターを視察させていただきお聞きしましたところ、この2つの県立病院では災害時にけが人などを受け入れることは想定しておらず、トリアージなどの災害時を想定した訓練は行っていないとのことでした。たとえこの2病院が分野を特化した県立病院であっても、この県立2病院における災害時などの、テロもあるかもしれませんが、災害時などの大規模に急患が発生しかねない状況の場合の受け入れや、非番の医師等の県職員ならびに県のOB職員のほかの病院への応援体制の整備やトリアージ、医師等の参集訓練などの訓練をすべきと考えますが、病院事業管理者のお考えをお聞かせいただきたいと思います。


答弁者:上名和 肇 病院事業管理者

県民の生命・身体を守ることは、県立病院の使命であり、大規模災害など有事の際には、入院患者の安全確保に加え、負傷者の受入れと初期救急に当たる必要があります。
 これまで両病院では、入院及び外来患者さんを対象として災害時に備えた訓練を実施してまいりました。
 今後は、これに加え、大規模災害時等における負傷者の受入訓練を実施いたします。
 具体的な治療の例では、がんセンターは、止血、点滴などの応急処置や縫合などの外科的処置が可能です。
 精神医療センターでは、パニック状態に陥った方の治療に加え、応急処置が可能です。
 このように、それぞれの病院の特性に応じ、自らの病院で対応できる患者と他の医療機関に搬送する患者とを適切に振り分けることが必要です。
 そのために、患者の振り分けや診察・処置などを行うスペースの想定とスタッフ一人一人が適切な行動がとれるよう訓練を実施します。
 さらに、治療の優先度を決めるトリアージ教育を行うなど、大規模災害時等においても県民の安心・安全が図れるよう、各種医療職と事務職による合同訓練を重ねてまいります。
 なお、他病院への応援体制の整備については、その可能性を研究してまいります。

特別養護老人ホームの建設促進策 ‐東京都と同じ基準に‐

  

質問 中川 浩

 私は、県社会福祉審議会の委員としてこのテーマについて2回の会議で発言してまいりました。知事も言われるように、埼玉県は一番高齢化率のスピードが速く、なおかつ核家族化や都市のコミュニティが一部崩壊している中で、首都圏にある高齢者施設のニーズ、需要はますます高まっていくと考えますが、いかがでしょうか。
 超高齢化したときに備え、施設をどの程度整備できるのか、仕組みを変える必要があると思います。東京都では、昨年既に独自に基準を定めました。どういうことかと申しますと、東京都の基準は、国の基準で廊下の幅が1.8メートルのところを東京都は1.5メートルに、ユニット定員、一部屋当たりの定員を12人以下と特別養護老人ホームが欲しいと思っている都民の視線に合わせて改革をしている姿勢が示されているのです。
 東京都以外の他県でも、私が知り得る限り、関東では神奈川県、千葉県、群馬県は埼玉県が今回提案しているものよりも基準を大きく改めようとしています。埼玉県内の施設事業者、いわゆる特別養護老人ホームの事業者にアンケートをとった埼玉県の資料でも、既に特別養護老人ホームを建設した事業者であるにもかかわらず、27事業者が緩和を求めています。恐らくこれを聞くと「いや、防災の観点から今回はこれを見直しませんでした」という答弁が返ってくることを想定しますが、前例踏襲主義の言いわけにすぎないと思いますし、小規模型の特別養護老人ホームは、既にそのような基準で行われております。
 東京都は地価が高いからと県担当職員は言われますが、東京都の多摩地域の現状は特別養護老人ホームの設置率と埼玉県の設置率、言い方を変えます。もう一度申し上げますが、東京都の多摩地域で設置をされている特別養護老人ホームの数と埼玉県の設置されている特別養護老人ホームの数を考えると、東京都の多摩地域の数のほうが多い現状にあります。
 埼玉県では「施設から在宅へ」という方針をお持ちのようです。そうはいっても介護を必要とされる家庭から見ると、実態がなかなか理想論の域を出ないのではないかと思います。県内の高齢者に対する虐待件数は、分かっているだけで平成19年度からの4年間平均で650件、虐待や心中による死亡は10件という現状であります。私は、本来施設に入りたいのにいっぱいだから入れなくて、結局殺してしまうというリスクも当然防災上のリスクの一つであり、そのことも含めて総合的に考えていただきたいと考えます。今介護が大変な人から見たら、今までの踏襲としか私には思えませんし、おとといも介護されている方から私と同意見のメールをいただきました。建設基準について東京都と同じ基準にしていただきたいと思いますが、今後どうされるお考えなのか、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。


答弁者:上田清司 知事

国において地域主権一括法が制定され、義務付け・枠付けの見直しが行われております。
 その一つとして、特別養護老人ホームについても廊下幅などの基準を県が独自に設けることが可能になりました。
 私は、昨年発生した未曾有の大災害であります東日本大震災の教訓を県政の、特に、あらゆる政策の中でも災害対応ということを意識して考えておくべきだというふうに指示をしているところでございます。
 福祉施設の基準についても、入居者の安全を何よりも優先すべきだと考えております。
 お話のように、東京都は、地価が高く土地の確保が困難な状況でございます。
 そのため、廊下幅を狭くした基準を設定しております。
 そのようにしたらどうだという御提案ですが、本県では幸い事業者の整備意欲も高く、特別養護老人ホームの整備は計画数を上回っております。
 東京都のような配慮をしなければ整備が進まないという状況には、現在のところありません。
 そういう状況があったときには、また、意見を聞いて、そうした判断も必要かもしれませんが、今のところは枠を作ったところにそれ以上の整備をしたいという方々が申込みをしているところです。
 今後の施設整備に当たっては、入所の必要性の高い要介護4以上で今すぐ入所を希望する方の人数を踏まえる必要がありますので、第5次計画では、こうした入所ニーズに対応できるよう平成26年度末までに約7,000床を新たに整備していくことにしております。
 施設を運営する現場の意見も聞きました。
 災害時など緊急時に備えて、ベッドがすれ違うことのできる幅の廊下が必要だという意見もございます。現行どおりでよいという意見が85.2%でございました。
 また、東京都では、1ユニット当たりの入居定員を概ね10人以下から12人以下に緩和しています。
 東京都は、住宅地の平均地価が本県の2.8倍という特別な事情が、やはりその前提にあるのではなかろうかと思っております。
 この場合にしても、1ユニット当たりの入居定員が増えても、配置する職員数を増やさないと、サービスの質の低下を招くことになりますので、そういう意味では、事業者へのアンケートでも80.4%の方が現状でよいという回答をされているところでございます。
 そうしたアンケートの経過や、そして埼玉県の事業者の意欲、そして入所者の安全、諸々考えて、国の省令と同じ基準に埼玉県はしたところでございます。
 今後、事情が変わってくれば、特に、三多摩の事例を出されました。
 確かに、区部ではなかなか進まない、大きく埼玉県などと比べればダウンしております。
 埼玉県の平均よりも、三多摩の方がよい状況はあります。
 それは、やはり三多摩しかできないという事情がそうしているのであって、埼玉県が緩和されていないから三多摩に負けているということではなくて、埼玉県全体の枠の中では十分事業者意欲を満たす状態にはなっているということについては、是非、ご理解をいただきたいと思います。

持続可能で、安心できる県の財政システム

  

‐ 支出の中・長期見込みと、高齢者福祉費の推移見込みを算出し、公表を(10、15年後の超高齢・人口減少社会の現実直視・備えを) ‐

県庁職員の残業代、残業時間について、県議会決算特別委員会における鴻巣市選出、中屋敷慎一議員さんからの質問で発覚いたしました。上田知事は様々な県政改革に努力され、これまで大きな実績を残されてきましたが、知事一人のご努力には当然限界がある出来事であり、県庁職員の責任意識と財政に関する危機意識の欠如だと思います。
 一方、国の財政は、麻生政権の時代からその年の税金の倍以上借金をして、税金を使っても景気がよくならず、国民が先行きの見えない不安を抱えたままでおります。その理由は、これまで経験したことがない今後の人口減少と超高齢社会や、アジア諸国の経済発展による日本企業の影響がどうなるか分からない先行きに対する不安ですとか、税金、健康保険の税負担が今後どのぐらい高くなるのか、年金がどうなるのか、行政サービスがどう変わるのか具体的に示されず、漠然とした不安感を国民に持たせたままであることが大きな要因ではないでしょうか。
 その不安を解消するために行政、政治は存在し、安心できる財政計画とビジョンを抽象論やきれいごとでなく、具体的に県民に示さなければならないと思います。
 過去10年間で国民の年収は100万円下がったと言われております。市議会議員時代にも私はこの質問を行い、埼玉県の今後の財政計画は現在3年間作られておりますが、狭山市も以前は3年計画でしたが、5年間の財政計画が狭山市では作成され、狭山市の福祉予算が今後どう増加していくのか、財政予測を作成していただきました。結果といたしましては、介護保険料は5年後までに25パーセントの値上げ、国民健康保険税の増額は今後4年間のうちに約10パーセント値上げを見込みました。また、市町村は合併協議のときには今後30年間の財政見込みを、あるいは狭山市に関しては、駅前開発のときに今後の歳出見込額をそれぞれ広報で市民にお伝えをいたしました。
 奇抜な聞き方と思われるかもしれませんが、今後10年、15年で県民税は増税しないで済むのでしょうか。様々な行政サービスはいつ頃大きな見直しを迫られ、県庁職員の人件費さえままならないことは避けられるのでしょうか。議員の報酬は今のままでいいのでしょうか。県の支出でいわゆる福祉予算、専門用語で言えば民生費、衛生費は10年前と比べて今年度7割も増加しております。9人が死亡した山梨県内の高速道路のトンネル事故に見られるように、今後インフラの補修工事は更に予算の前倒しが必要になるかもしれませんので、支出計画は更に大事になってきていると思います。協働社会である今日、県民と一緒に県財政を考えるときだと思います。
 県の財政担当課と話した段階では、大変恐縮ですが責任逃れとしか思えない話しか聞こえてきません。県の収入、歳入の計画を10年、15年後まで作ってくださいと言っているわけではなく、今後の税制などがどう変わるかは分かりませんので、今の制度で考えた支出、歳出が今後どうなるのか、過去の歳出で特に高齢者福祉費の伸びがどのくらいなのかを目安とした支出の見込みの資料が何もなければ、県庁職員は県民に聞かれても「分かりません」になってしまいます。
 ちなみに、県の医療費の今後の推計は何と13年後の平成37年まで既に示されています。できないわけがありません。不確定要素があるというのなら、この資料も作らなかったのではないでしょうか。知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。


答弁者:上田清司 知事

(県では、3年間の中期財政収支試算を作成し予算編成の参考にしております。
 この試算では、国の「経済財政の中期試算」の名目成長率や3年間の「中期財政フレーム」を参考に、県税や地方交付税などを機械的に見込み歳入として算出しております。
 これによる本県の一般会計の歳入は、平成25年度が1兆5,930億円、平成26年度が1兆6,040億円、平成27年度が1兆6,090億円と、ほぼ横ばいになっています。
 歳出については、定数削減目標や今後の大規模プロジェクトの予定、過去に借り入れた県債の償還などを勘案して算出しています。
 高齢者福祉関連の歳出については、例えば後期高齢者医療関係費は直近の決算の伸び率を参考に機械的に算出しています。
 これによる本県の一般会計の歳出は、平成25年度が1兆6,950億円、平成26年度が1兆7,140億円、平成27年度が1兆7,330億円と、増加傾向にあります。
 このように財政収支試算は、現行の制度や方針が継続することを前提として算出しております。
 したがって、この数字には予定されている消費税増税による地方の増収分は入っていません。
 一方で、地方の財政状況に大きな影響を及ぼす今後の社会保障制度について、11月30日に「社会保障制度改革国民会議」の初会合が開かれて検討が始まったばかりです。
 近い将来、社会保障制度の変更が予想されている現時点において、10年以上の長期的な財政収支の推計を行っても、およそ参考になる試算にはならないと私はそんなふうに考えておりますので、そういう意味での指示は事務方にしておりません。
 こうした社会保障の制度設計というものは、将来の安心を確保するものでありますので、常々私は、この社会保障制度は、与野党関係なく、休戦ゾーンにして、まさに英知を結集して、もちろん微修正はあるべきだと思いますが、骨格が政権交代の度に変わるようなことがないようにしていただかないと、実際実務をやる地方も困りますので、ぜひこの三党合意に基づく国民会議の場を大事にしていただいて、まさにプロの方々と各党を代表するそれぞれ熟達の人たちが入って、国民的な合意を取り付けていただきたいと考えているところです。

特別支援学校高等部のあり方における「埼玉モデル」創設を

  

12月8日 埼玉新聞

0125_04

(1) 特別支援学校高等部は、他の高等学校と同じ授業時間等とし、卒業後の就労に備えを

(2) 新設特別支援学校と、既存支援学校との格差是正を

質問 中川 浩

少子化の現在、本来なら特別支援学校入学者も減少するはずですが、生徒数と逆行し増加の一途をたどっており、平成9年と比べて7割増えています。昨年度公立高校の入試倍率は、特別支援学校であるさいたま桜高等学園が最も高く、倍率は1.83倍です。普通高校の平均倍率は1.16で、例えば浦和高校は1.29、受験を行っている特別支援学校の平均倍率は1.79といった状況です。
 ここで押さえなければならないポイントは、特別支援学校は選択が二択しかないということであります。すなわち新設校がだめなら、学区のたった一つの支援学校に行くしかなくなります。支援学校の倍率がこれだけ高いことに対し、早期に特別支援学校高等部の在り方を変えていかなければならないと考えます。
 主に軽度を対象とした支援学校は、近年新設されたものが限られた地域に数校あるだけです。その数校に入学希望者が集中し、受験をあきらめたり不合格者も出ています。そして、不合格者は受けたい教育を受けることができない状況になっているのです。これだけ新設校への入学希望者が多いのであれば、従来よりある既存校にも支援新設校で行っている特別支援学校教育を取り入れるべきであると考えます。
 具体的な大まかな事項といたしましては、基本的に全日制普通高校と同じ授業時間とし、卒業後の就労時間体制を整えます。言いかえれば、今の特別支援学校はバスの帰りの時間が例えば2時とかで終わりで、授業がそこで打ち切られて部活動にも出られないような状況であります。また、将来の自立を考え、自主通学できる生徒は自主通学を基本とするため、スクールバスが最寄り駅に立ち寄り、電車通学しやすい形をつくります。言い方を変えますと、駅の近くになかなか特別支援学校がないので、また、最寄り駅に現在の特別支援学校のスクールバスが必ずしも通っていないという課題があります。
 そして、完全能力別クラス分けをしていただきたいと思います。教員が指導しやすくなり、そして何よりも重度の生徒に多くの教員が配置できます。個の能力を最大限に伸ばし、その個人に適した就職のあっせんができるよう、特別支援学校高等部を根本から生徒が望むものにしていただきたいと思います。これが全国初の埼玉モデルの提案であります。
 普通科高校で学ぶべき生徒は普通科で学び、支援学校を選択した生徒は、障害等により個人に応じた高度な教育が受けられるよう26年度から実施に向けていただきたいと考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。


答弁者:前島富雄 教育長

(1)「特別支援学校高等部は、他の高等学校と同じ授業時間等とし、卒業後の就労に備えを」と(2)「新設特別支援学校と、既存支援学校との格差是正を」は、内容が関連しておりますので、一括してお答えを申し上げます。
 特別支援学校の教育課程につきましては、各学校が学習指導要領に基づき、児童生徒の実態、保護者の願い、地域の特色、施設設備などを踏まえて編成しております。
 新しく設置いたしました高等学園等においては、職業教育に重点を置いた教育課程を編成・実施し、軽度知的障害の生徒が就労に向けての力を伸ばせるよう取り組んでおります。
 一方、既存の特別支援学校においても、授業時間の延長、スクールバス時差便の導入、作業学習の設定、部活動の充実など、軽度知的障害の生徒の実態に合わせた取組を、ここ数年多くの学校で取り入れてきております。
 さらに、一部の学校では、企業や官公庁と連携し、長期にわたって継続的に、週の1日を校外における実習日として、卒業後の就労形態に近づけた実践的な就業体験を試行的に実施しております。
 また、個々の生徒の状況に応じて、職業生活に必要な実践的能力の習得を中心とした教育課程の準備を進めている学校もございます。
 県といたしましては、高等学園等の新しい教育課程やその成果について、また、既存の特別支援学校の先進的な取組について、県内全ての特別支援学校に対し、モデルとして示してまいります。
 併せて、こうしたモデルを踏まえ、各学校が改めて教育課程を検証し、児童生徒がそれぞれの持てる能力を最大限に発揮できるよう努めてまいります。


再質問 中川 浩

現在、今新設校が、新設校という言い方が正しいかどうか分かりませんが、埼玉さくらをはじめとした新しくできた、特にモデル校についてモデルであるということを周知していくような御答弁だったかと思うんですが、結果として多くの支援学校はそうなっていくというふうな計画性があるのでしょうかというふうな確認のご答弁をいただきたいと思います。


答弁者:前島富雄 教育長

先ほど申し上げましたように、各学校の教育課程は、それぞれの学校の実態、生徒の状況、施設の状況、あるいは親の願い等を考えながら作成します。
 先ほどお話しにあった、先進的なモデル校のモデルとして進んでいる内容を各学校にお示しします。お示しして、その内容とそれぞれの学校が今まで独自の教育課程でやってきたものとを付き合わせながら、またその内容を検証しながら、進めていくのがよろしいかと思います。
 ですから、それぞれの学校が、これは取り入れようと、これはこうした方がいいと、それぞれの段階がありますから、こういう生徒にはこれがいいだろうというのを、それぞれのモデルを参考にしながら取り組んでいく、これが一番いい方法だと考えております。

 

埼玉新聞が1面トップで伝えた『普通高校よりも、倍率が高い特別支援学校』(1月30日)

0203_04

私が質問して以降の新聞記事。平成25年1月18日 埼玉新聞

0203_05

国民健康保険税 ‐ 県から市町村への徴税方式変更促進の中止を ‐

  

質問 中川 浩

国民健康保険については、現在、市町村が担当になっていますが、それを今後埼玉県が担う計画であります。しかし、その前提で大きな問題があります。県は現在、市町村に対して徴収する税金の方式を変更するよう市町村担当者の説明会を開くなどして促していますが、具体的には資産割を廃止するよう求めています。これは税の基本である担税力、すなわち税金を払える能力に応じて税金をかけるの考え方に反する、恐縮ですが誤った考えだと思います。国民健康保険に加入されている方は、社会保険に加入している方と比べ収入が比較的低いことが県の統計上明らかで、保険料負担が重いのが国民健康保険税の構造上の課題です。
 では、収入以外のどこに税を課せるかといえば、資産以外にあり得ません。これはもちろん住んでいる家に住めなくなるような資産に対する税金のかけ方ではなく、比較的広い土地を持っている方を対象にするということです。そして、県内の市町村は県がそのような指導、促進をする以前には、資産割の方式をしていたのが63市町村中54市町村と圧倒的に資産割の方式のところが多く、この間、2市が県からの促しもあって資産割をやめましたが、それでも現在52市町村が資産割を実施しています。
 具体的に資産割がどれほど重要か申しますと、県内市町村の平均で税収入のうちの約10パーセントを占めております。多いところでは2割を占めている市町村もあります。資産割を廃止して家庭の収入に対して増税したり、収入の多い少ないにかかわらず同じ額を課すこと、専門用語では平等割、均等割と言うそうですが、それはすなわち税金が払えない家を増やすことになります。そうでなくても国民健康保険税の収納率が下がっていることは、県の資料からも明らかであります。
 そして、資産割をなくして、例えば国民健康保険税を払えなくなった家庭に軽減措置を行うことは本末転倒であり、ボーダーラインの家庭に減免措置を行うかどうかは、ある意味、担当職員のさじかげん一つなので、県が促す制度によって県民に不安を与えてしまいます。さらに、資産割をなくしたことにより軽減、減免措置を行えば、市や県の一般会計からの繰り出しを増やすことになり、行政サービスが低下いたします。
 上田知事におかれましては、私が申し上げたことについてどう思われるかまず伺いたいのと、県が市町村に資産割をなくすよう徴税方式の変更を促すことを中止していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。


答弁者:上田きよし県知事

県は、市町村国保の運営の安定に寄与するため、平成18年6月に11の市町村長、国保関係団体の長などをメンバーとする「国保の広域化に関する研究会」を設置しました。
 同研究会からは平成21年3月に報告書が提出されました。
 その中で、国民健康保険税の賦課方式については、4方式から資産割と平等割を除く所得割と均等割の2方式が適当という方向性が示されました。
 その理由として、資産割は固定資産税との二重課税であるという批判があることなどが挙げられました。
 そして、都市部と農村部で不動産価格の差が大きいため、県全体で資産割を導入すると都市部の方に負担が偏りすぎて市町村全体の合意形成が極めて困難になるだろう、このような指摘でございます。
 こうした考え方は、平成20年に後期高齢者医療制度で2方式が全国的に採用された際のベースにもなっています。
 資産のある方は担税力があるのではないか、という御指摘ですが、資産のある方が本当にそうなのかと言えば、必ずしもそうでない場合もあると思います。
 確かにマイホームである、しかし、かなり前に建てたマイホームで傷んでいる、おまけに国民年金以外に所得がない、そういう方に資産に係る担税力があるかどうかということになれば基本的にはあまりない話になるかと思います。
 逆に資産割が賦課されることにより、国民年金だけで暮らしている人にとっては税負担が増えるという形になります。
 そういう意味で、こうした人たちに負担が増える場合もあるということも考えていただきたいと思います。
 次に、資産を持たない人の場合ですが、2方式への移行に伴い所得割の税率が仮に1%上がったとします。
 国保の被保険者のうち実は23%が非課税世帯でございますので、所得割の税率が上がっても税額は元々ゼロですので影響を受けないと、所得割が上がっても元々所得のない人たちについては、それは影響はないと、しかも所得のある人が、所得割額が増えたとしても、その増加額は課税対象所得、例えば30万円の人でも年3千円の世界でありますし、300万円の人でも3万円という世界です。1%上がった場合ですね。
 所得の高い人ほどこういう意味で3千円、3万円ということであれば、負担が増えるわけですから、一見、この1%というものは、平等みたいに見えますが、実は高額所得者にとってみればたくさんの負担をするということであります。ある意味では、所得の再配分につながっていると私は思っております。
 そういう意味で、より担税力に応じた課税が強化されて、必ずしも税金を払えない家庭を増やすことにはつながらないんじゃないか、このように思っております。
 県では平成22年12月に、市町村国保の運営の広域化や財政の安定化を推進するため、「埼玉県市町村国保広域化等支援方針」というものを策定しました。
 このような考え方を踏まえて、賦課方式については「県内どこに住んでいても同じ所得なら同じ保険税」となる2方式への移行を推進することにいたしました。
 なお、県単位での広域化が実現されれば、税の減免方式についても全ての保険者で統一されることになり、サジ加減で減免されるということはなくなります。
 現行の市町村支援方針は今年度末で終期を迎えるため、現在改定作業を行っております。
 賦課方式の統一についても、改めて全市町村の意見をお聞きしておりますが、明確に反対の意見を表明しているのは63保険者中1保険者のみの状況でございます。
 市町村国保の広域化を実現するため、県としては今後も市町村の意向を踏まえて保険税収入の基礎となる賦課方式の統一を図っていきたいと考えます。


再質問 中川 浩

細かいことを申し上げるつもりはございません。国民健康保険税の広域化については、私の公約の一つでもございます。その上で、先ほどの知事答弁の中で私が気になったことを申し上げたいのですが、根幹的な質問は資産割を今の市町村にやめるように指導することを中止していただきたいという再質問であります。
 格差社会になっているのは、皆さんご存じのとおりです。先ほど知事のご答弁で、非課税世帯があるではないかというふうなお話があったと思うんですが、何でもそうなんですけれども、ボーダーライン上の低所得者に対する対応がこれからますます、例えば消費税が課税をされ、より低所得者が大変な状況になったときに更に資産割を廃止して課税をするということは、先ほど二重課税というお話がありましたが、一般会計から繰り出しをすれば結果的に二重課税と同じ状況になるのではないかと思います。また、県南地域は確かに地価が高いわけでありますけれども、例えばの話、2ブロックで県南地域1ブロック、それ以外の地域2ブロックという方法もなくはないのではないかと思います。そういうようなことで、国保について質問を再度させていただきます。


答弁者:上田きよし県知事

まず後段の方から申し上げますが、都市部と郡部と2ブロックにしたらどうかということでいえば、まさに広域化するという中川議員の原点が無くなるものだと思っております。
 できるだけ一つにまとめようというのが国保の全体の流れで、もっと言えば全部国にした方がいいんじゃないかという議論まであるぐらいでございますので、そういう意味でもできるだけ統一していくという議論の方が望ましいものだと思っております。
 そして、県が2方式にするよう市町村を説得しているような話ではありません。皆さんの選択肢が2方式ということで、4方式を望んでいるのは1保険者のみで首長さんの所属する政党の特殊な考え方だというふうに私は理解しております。
 それから、資産割の部分は、こういう判断があったんだと思います。
 例えば、広大な農地を所有されたり、山林を所有されている資産家がおられると、しかし、所得は意外にない。そして、しかし、資産はあると。でも、結婚する時に娘さんにたくさんのお金を出したりする、それは山を売ってとか。
 普段は所得がないが、資産があるからということで資産割をしているようなところがあるわけですけれども、都市部の方はまさに所得がありますから、その所得にきちっとかけられるではないかと。
 まさに、山林地域なんかというのは所得がないので所得にかけにくいと。従って資産割があったというふうに理解をするところがあると思いますが、そういうご理解をいただければ、比較的都市部を中心に4方式から2方式に変わりつつあるというのも、ある程度この構造変化というのでしょうか、時代の変化だというふうにご理解を賜りたいと思います。
 中川議員の信念であります広域化そのものにはまさしく合致していると、このように私は思っておりますので、ご理解を賜りたいと思います。

いじめ問題に対する埼玉県としての具体的対応

  

質問 中川 浩

 中高生におけるいじめはもはやいじめではなく、その多くは犯罪として扱わなければならないものが多くあります。いじめ増大の根底にあるのは、道徳心の衰退と考えるよりほかありません。そのためには、小学校低学年からいじめは卑劣で悪質な行為であり、どんな理由があっても決して認められないという教師の強い姿勢による教育の徹底が大切です。その徹底こそがいじめの減少、または根絶につながると考えます。
 しかし、現在の学校には、勉強についていけない等の児童生徒に対して、いじめが心配という理由で特別支援学級への移動を勧める事例が多くあるようですが、これはいじめがあることを前提に学校教育が進められており、被害者よりも加害者を擁護する形になっています。また、これが差別やいじめを更に助長する原因にもなっているのではないかと思えて仕方ありません。弱い者いじめはいけないと言いながら弱い者を排除する現実を目の当たりにしていては、正しい道徳心が養えないのも無理はありません。
 県内のある中学校では、いじめが原因で生徒が現在意識不明の重体になっており、私たちは何らかの具体的なアクションを起こさなければ、このようなことはまた起こると思います。
 埼玉県内では、最近6年間で中学生、高校生の自殺者が37人出ております。私はこの現実への直視が弱いと思います。また、私は中学生の主な自殺理由はいじめだと推察いたします。平成18年度にもいじめによる自殺は大きく報道され、その年度はいじめた側の生徒の別室指導の件数が516件と高かったのですが、その後減っていき、昨年度は234件になっています。これは仕組みが弱い現れだと思います。
 いじめ等の加害児童生徒の出席停止処分は保護者の同意がないとしづらく、対話できない保護者の児童生徒には難しい現状にあるように感じます。しかし、今後、悪質ないじめの事例に関しては、加害児童生徒の別室指導、出席停止等の対応の更なる強化や、加害児童生徒に反省が見られない場合、その保護者は一定期間学校長などと定期的な面談を行わねばならない等の条例、指導方針を作成し、埼玉県から未成年の自殺者、犯罪者を生まないための新たな仕組みを構築し、教育の中で徹底したいじめ撲滅を目指していただきたいと思います。
 知事、教育長のお考えをお聞かせください。


答弁者:上田きよし県知事

ご提案の学校と加害児童生徒の保護者が、定期的かつ密に連絡を取り合うということは、重要なことだというふうに思います。
 ただこれを条例だとか義務化という話になってくると、子供の将来への影響だとか、そして保護者の精神的な負担を考えると少し慎重に考えたほうがいいのではないかと私は思います。 
 いじめの問題は、まずは現場で基本に立ち返った取り組みといったものが重要だと思っております。
 基本は子供たちが過ごす舞台である学校、教育のプロ集団として思いやりを持って、時には厳しく子供たちを指導する、そういう教師の使命感が基本にはあるべきだと思います。
 ただ、担任の先生を中心として子供たちや保護者との信頼関係を築くことは当然のことでもありますが、中には少しスーパーマン的な力を持っていない人もいますので、一人の教師で全部抱え込むのではなくて、学校全体でカバーができるような仕組みを学校の中で作っていくということが一番大事だと思います。
 担任にも強弱いろいろあると思いますので、そこの部分が校長の指導力だというふうに思います。
 その上で、いじめ問題を学校だけで片付けるのではなく、社会全体の繁栄が子供たちの中に出てきているものだと。社会全体の病理現象だと、私はそんなふうに思っていますので、関係する人たちが全体として環境整備に取り組まなくてはというふうに思っています。
 この全体という部分をどう捉えるかということについては一つ一つこなしていくしかないなというふうに思っております。
 例えば経済困窮がゆえに、課題が出てきているところは全体として日本の経済再生そのものを強くしていくというようなことが必要だというふうに思われますし、もし、犯罪だという形になっていくのであれば県警の踏み込みというものがもう一つ必要になってくるかもしれませんし、あるいは、地域にいろいろな意味での取り組みが薄いのであれば、まずは防犯なら防犯という活動からもですね、地域の取り組みをはじめるとか、そういう中で、地域の力を強くしていって全体としての関係を強くするとか、そういうものを一つ一つこなす以外、決定的なものはないのではないかというふうに思いますので、条例、あるいは義務化というご提案でありますが、どちらかと言えばそれ一本でなかなか片が付かないのではないかということで、慎重に対応したいと思います。


答弁者:前島富雄 教育長

いじめは卑怯な行為であり、どういう理由があっても絶対許されないことであります。
 私も子供たちの一番身近にいる教員が、「いじめは絶対に許さない」「先生たちは、皆さんを絶対に守り抜きます」という力強いメッセージを言葉と態度ではっきり子供に示すよう、あらゆる機会を捉えて話してきました。
 いじめを根絶するには、子供たちに他人の気持ちを思いやる心や生命(いのち)を大切にする心、ダメなことはダメという規範意識を醸成することが何より重要です。
 そこで、県教育委員会では、生命や規範意識を大切にする心などを身に付けるため、独自の道徳教材「彩の国の道徳」や「家庭用 彩の国の道徳」を作成し、その積極的な活用を図っております。
 お話しの、特別支援学級への移動につきましては、児童生徒の障害の状態などを適切に把握し、保護者や専門家の意見を十分に聴取した上で、慎重に対応することが必要であります。
 加害児童生徒の保護者に一定期間学校長などとの面談を課すなどの条例・指導方針の作成についてでございますが、子供の教育について第一義的責任を有する保護者には、その役割を果たしていただくよう、各学校で粘り強く関わっていくことが基本だと考えます。
 また、保護者と学校の信頼関係を築いていくため、各学校がいじめの対応方針や指導計画を公表し、保護者に周知するよう市町村教育委員会や学校に求めているところでございます。
 各学校では、いじめの加害児童生徒に反省が見られない場合、まず自分の行為が卑怯で悪い行為だと自覚させる必要があることから、粘り強く繰り返し別室における指導などを行っております。
 また、加害児童生徒の保護者に対しては、事態の深刻さを理解してもらうため、面談により速やかにいじめの事実を知らせ、学校の取り組み方針を伝えています。
 そして、被害を受けた児童生徒やその保護者に対して謝罪を行うことや加害児童生徒に対して家庭でしっかり教育することを求めています。
 県教育委員会としては、悪質ないじめの事例で、指導してもいじめを繰り返す場合は、市町村教育委員会において、出席停止の措置をとることをためらわずに検討するよう通知しております。
 さらに、犯罪行為の可能性がある場合には、早期に警察に相談し、警察と連携した対応を取るよう指導しております。
 一番大切なことは、教員が本気になって子供・保護者に関わっていくことであります。
 障害のある児童生徒に係るいじめなどの諸問題には、周囲の理解と支援が重要であり、生徒指導上十分な配慮に努めてまいります。
 学校は子供たちが明るく安心して学べる場でなくてはなりません。
 今後とも、市町村教育委員会や学校と連携しながらいじめの撲滅を目指し、全力で取り組んでまいります。

2011年9月5日の活動

  

県議会総合的危機管理・大規模災害対策特別委員会視察。
 新潟県津南町役場。町長・議長・職員の方々に挨拶。3月12日に発生した「長野県北部地震」の津南町の状況について町長・担当職員の方からご説明を頂きました(以下説明)。
 平成に入ってから、3年に1回震度5を超える地震がわが町を襲っている。
 福島原発の事故の際には、狭山市長から電話があり、幼稚園・保育園の子供達の水の確保をお願いするかも知れませんとの緊急要請があり、「子供の分だけでなく、狭山市全市民の水を確保させて頂きます」と答えたとの事(本当に有り難い)。

2011_0905_01小学校体育館 天井板落下(写真:津南町提供)


 地震の時、ほとんどの避難所の天井の防音ボードが金物ごと落下した。想定外だった。1㎡あたり重さは10キロを超える。平行に落ちて来るのではなく、斜めに落ちて来る。もし昼間で子供がいたら、とゾッとする。天井裏に上がって見たら、落ちなかった天井の金物はほとんどやられていた。表面上は分からない被害が相当あると思う。国に、超軽量の安全性の高い天井の工法が出来たら、学校の天井は変えさせてくれと相当強く要請した。松本防災担当大臣(当時)は激甚災害指定など極めて迅速な対応をしてくれて、天井板についても「緊急に研究する」と言われた。東京ドームのように布地のものがいいと思う(町長)。

 避難所が使えなかったので、集落センターに避難した。
 地震の被害総額75億円。半壊以上100件、1部損壊数百件。新潟県庁は東日本大震災の被災者対策でそれどころではなかった。
 担当者の方が個人的な見解を述べて下さり、一部損壊の方は本当に困り(義援金は半壊で50万円出るが、一部損壊は出ない)、もう少し支援があったほうがいいとの事。市町村独自の義援金募集で、地震の名称が「“長野県”北部地震」だった為、長野県栄村は5億円くらい義援金が来たが、新潟県の津南町は2千万円だった。
 がれきを撤去しても、放射性物質が含まれているとの事で苦慮した。
 町全体の実態把握が出来ず、ボランティアをお断りしたが、後で欲しかったと言われた。役場自体亀裂が入っていた。
 今回の地震で改めて“結(ゆい)の精神”“きずな”が残っている事を感じた。民生委員は欠員なし。津南町の高齢化率は36%。

津南町 道路崩落現場(写真:中川)


役場で説明して頂いた後地震被害現場を回り、まだ復旧が終わっていない道路の崩落現場を通りました。

 地震時、市街地に一番近いスノーシェード(雪崩防止トンネル)は両側が崖くずれが起き、一時的に通行止めになった。
 スキー場(マウントパーク)は雪崩があり、廃止する事に。神社の鳥居が倒れたままの所もあり、直すには補助金はあるが100万円は自主経費が必要との事。

津南町で私がお世話になっている方がわざわざ会いに役場に来て下さり、近況を聞きました。
 NPOでそばを作っていたが、この度
会社をおこしたとの事。これまでも、狭山の子ども達の自然体験などに関わって下さっていて、今後も連携していきたいと思いました。(津南観光案内
 
視察中の合間をぬって、県議で県茶業協会長さんから厚生労働省の製茶調査についてお話を伺いました。

今日、津南町長も天井の事を言われていましたが、体育館に限らず、天井の高いロビー・ホールなどにいて地震にあったら、エレベーターホールなどの天井が低い所に避難して下さい。
 むやみに外に出るのは、入口の上のガラスが落ちてくるかも知れないので、危険です。
 茨城空港の天井が落下した映像をご覧になった方もいらっしゃると思います。

今日は視察の移動中に、県内のNPOほっとポットプラスの代表さんや、埼玉いのちの電話の事務局長さんに連絡を取らせて頂き、県議会で独自に埼玉県の今後の5カ年計画を作成する上での私の企画書を作成し、県議会に提出しました。

有料橋(県道狭山環状道路)の無料化

  

(1)工業政策としての産業道路無料化

 次に、工業政策としての産業道路無料化について伺います。今から申し上げる事は、県内の少なくない市町村が抱えている問題で、狭山市での問題は、まさに象徴的な事例であります。
 さて、私は学生時代、自転車で日本一周した時に、企業城下町として発展し、そして衰退したまちを見てまいりました。 日本経済は今、衰退に向かっており、これまで国内工場で生産していた所が、例えば2008年の1年間に海外移転によって失われた国内の雇用は96万人にも上り、今後、東南アジアの中進国での生産は加速度的に増え、一方で、国内の生産、雇用は落ち込む事が予想されます。
 例えば狭山市内の事業所数は、平成10年には271でしたが、平成20年には233に減りました。市の人口はこれまで最大16万3,000人おりましたが、現在5,000人減ったのは、市内工場の他市への移転の影響が少なくないと思います。今後人口は減り続け、2035年には人口の2割にあたる3万4,000人が減り、65歳以上の人口は現在の2割から4割になり、生産年齢人口は3分の1減るとの事。
 この予測には工場などが減っていく事は想定していないので、予想よりも人口の減少は厳しいと思って備える必要があり、既存の雇用を守っていかなければ未来はありません。市の法人税収の多くが製造業からで、法人税収の6割以上が自動車関連企業からのものと推察されます。
 埼玉県にとって寄居・小川町へのホンダ工場の誘致は最優先事項だったと思います。 物流と生産の観点から見て、2年後に稼働する寄居町の工場の場所がなぜ選ばれたのかを考えると、広い敷地で高速道路に近く、幹線道路も整備され、渋滞もない事です。これまで首都近郊にあった工場が地価や固定資産税の安い地方に移転するのも、そういう理由だと思います。  狭山市には2つの工業団地の間に川があり、川の隣に国道16号があるのは都市計画上では大きな課題で、橋は朝夕特に混雑します。 県道である狭山環状有料道路が無料であれば、狭山工業団地、圏央道狭山・日高インターチェンジ周辺からの物流はスムーズに国道に流れていき、工業団地は税金を納めている恩恵に預かれるはずです。
 昨年、私は道路管理者の埼玉県道路公社に伺いました。狭山環状有料道路は、総事業費56億円で、昭和62年に開通し、現在の返済残金は35億円、無料化する為に今清算するとすれば、県が11億円は持ち、市は残りの24億円を負担する事が基本的な仕組みとの事です。
 しかし、このまま有料橋で利用料金を取っていても、有料である期間30年の平成33年までに料金収入で賄う事が難しい事を県道路公社も認識しており、有料であるが故に、料金所の人件費で有料期間の残り10年のうち2年分は、工事費の償還に使われるのでなく、人件費で消えてしまう程の不採算な路線で、ムダがあると思います。利用率が低いのは有料だからで、投資的効果から考えてどうなのでしょうか?
 今後は、国内・県内の工場は、どこも安泰ではありません。まず、日本の法人税は諸外国よりも高い中、海外でなく国内に残ってもらい、国内では、他の県の工場よりも、埼玉県の工場が存続していけるようにしなければならない、し烈な地域間競争の時代に入っており、埼玉県として、何か手を打つべきと考えます(が、その中で例えば、狭山環状有料道路のような有料の産業道路無料化はかなり有効なものと考えます)。
 狭山環状有料道路と東京狭山線は、日高市・狭山市から浦所バイパスに抜ける唯一のバイパス道路です。 埼玉県の有料道路設置の経緯は存じておりますが、東京狭山線は未だ完成しておらず、東京狭山線が計画された時点で、まだ計画の無かった県道が今では完成している所は、いくつもあると思いますので、有料道路としての経緯は崩れていると思います。
 既存企業がその地域に残れるように、工業政策としてせめて産業道路を無料化すべきではないでしょうか?知事の御所見を伺います。 また、以降は県土整備部長に伺いますが、無料化にあたり、市が県に出すお金を分割納付や借り入れで行うのは可能でしょうか? あるいは、産業政策としてお聞きしておりますので、事業所の車両だけ、無料化や割引は出来ないでしょうか?

(2) 通勤・通学者対策

 東京狭山線の開通時期について、“東京狭山線”を1日も早く全線開通させたいと思いますが、いかがでしょうか?

答弁者:上田きよし県知事

 「工業政策として産業道路の無料化」でございます。 この点についても、最後の判断は受益者負担という形の中で造った有料道路を無料にするという考え方でありますので、一般的に言えば、受益者が負担して、ケリをつけていくというのが、本来の考え方でありますが、それを止めるという話となると、どこがそれを負担するのかということになってきますが、県も狭山市の方が中心になって使うものを県費で全く無料にするという話になってくると、多くの県民の皆さん達の賛同を得られるかどうかについて、私は疑問を感じております。
 狭山市が相当負担をすることを覚悟するかどうか、この問題もあると思いますし、また、無料化に伴って、それだけの財政支出をしても、上回るだけの経済効果があるのかどうか、この部分も検証しなくてはいけませんので、多分この辺は、りそな財団あたりで、問題的な部分を、要素を出せば、調べていただける可能性があると思いますが、この部分は中川議員の質問に対してお答えをし、上回るような効果があるのかどうか、そして、その次には、狭山市が負担するのかどうか、こういった所の課題になってくるかと思っており、こういった所の答弁で御理解を賜りたいと思います。以上です。

答弁者:県土整備部長

 (1)「工業政策としての産業道路無料化」のうち、「市が県に出すお金を分割納付や借り入れで行うのは可能か」についてでございます。 受益者負担を原則としている有料道路を料金徴収期間の満了前に無料化する場合は、その時点での債務を返済する必要がございます。 無料化するためには、債務の返済を地元狭山市に負担していただくことが必要と考えております。 お尋ねの分割納付や借入につきましては、市から具体的な提案がなされた段階で検討していく課題と考えております。  次に、「事業所の車両だけ無料化や割引は出来ないかについて」でございます。 この道路の料金割引につきましては、国の事業許可で、回数券による割引、障害者を対象とした割引及び一般路線バスを対象とした割引に限定をされております。  このため、御質問の事業所の車両だけを対象とした無料化や割引は、現在の事業許可の中では実施できないこととなっております。
  現在、県が管理する有料道路において、全ての車種に対して、利用回数に応じた割引の回数券を販売しております。 今後とも、この回数券割引により、様々な利用者の利便性向上を図ってまいります。
 次に、(2)「東京狭山線の全線開通」についてでございます。 この道路は、東京都境から圏央道狭山日高インターチェンジに至る、延長約16.8キロメートルの都市計画道路でございます。 これまでに、約14.4キロメートルが開通しております。 現在、「堀兼・上赤坂ふるさとの緑の景観地」を含む堀兼工区のうち、約1.9キロメートル区間で、希少動植物の保護などの環境対策を実施しながら、残る用地の買収と工事を進めております。 堀兼工区と、4車線化の工事を進める狭山台工区につきましては、平成24年度末までの完成を目指しております。
 また、都境から約0.5キロメートル区間の所沢市下安松工区につきましては、現在、道路の詳細設計と用地買収を進めております。 今後も、狭山市や所沢市をはじめ、地元の方々の御理解、御協力をいただきながら、鋭意用地買収や工事を進め、早期の全線開通を目指してまいります。

関東大震災(東京湾北部地震)対策

  

 東日本大震災による死者と行方不明者は合わせて2万2806人です。 今回の震災前に、私達は、日本国内で1万人以上の方が災害で亡くなる事を現実の問題点として意識して、どれほど取り組んで来たでしょうか。 また、自分達が影響受ける事が分かっているはずの関東大震災の死者数をリアルに意識して、公共施設の耐震化など行政だけで出来る事以外の、県民に協力を求めなければ前に進まない今回の質問項目はどの程度、前に進もうとしているでしょうか。 この16年間、震災が起きる度に、震災計画は見直されて来ました。計画を見直す事もさる事ながら、対策の何が結果的に前に進むかを問いたいと思います。 千葉県北西部地震でも、帰宅困難者対策など首都直下地震の課題は浮き彫りになったはずです。 ご承知の通り、これまで起きなかった事が起きるのが災害で、それを想定外とせず、想定していかなければなりません。 首都直下地震が起きた時、被害の中心は、東京都だと多くの方が思われていますが、通勤・通学で都内に行かれている方の多い埼玉県民で、亡くなる方も出て来ると思います。一方県内の死者見込みは最大で716人です。リアリティを持って対策を進めていかなければなりません。危機感の無い所に変化は生まれないという視点に立ち、以降いくつか質問をさせて頂きます。

(1) 緊急道路の渋滞対策

 街で「この道路は災害時は緊急道路になります」という標識を見かけます。しかし、今回の震災でさえ、都内は渋滞し、町田市で立体駐車場が崩落し10人が死傷した現場では救助車両の到着が最大1時間半かかったとの事です。 災害に見舞われた人々が、緊急道路と認識して使用しないとは考えにくいのですが、どう認識し、実際に、緊急道路として運用させる為に今後どのような対策を取るのでしょうか? 歩行者であっても、今回の震災でさえ、もう少しで将棋倒しに遭う恐れのある所もあったとの事で、首都直下地震が起きれば、都内で火災も発生し、移動する事で火災や、人ごみの混乱に巻き込まれ、県民も危険にさらされます。 今後災害があった時は、職場・学校など、その居合わせた地域の救助活動にあたり、家の地域にいた人がその地域の救助に当たる考えに立ち、大規模災害時の埼玉県・東京都の被災当日の基本はその地域から“動かない”事を通勤・通学者の方々も含めて徹底されるのでしょうか? 地震が発生し、死傷者が多数見込まれると埼玉県知事や都知事が判断した時、実際に規制されるよう徹底する事は可能でしょうか? 私は、9都県市で連携し記者会見を行ってTVに映り、TVコマーシャルで通勤・通学者対策と合わせ、PRしてはいかがでしょうか? 自分の会社だけでなく、都内などでは日頃から、地域の会社同士が連携して、“防災隣組”を結成しており、埼玉県でも推進して頂きたいと思います。

(2) 通勤・通学者対策

 県民の通勤・通学者は110万人で、災害が起きた時、都内の帰宅困難者は300万人、県民の帰宅困難者は67万人が見込まれています。まず気になる事は、東京都と埼玉県の基本的な考えが一致しているかという事です。私が聞いている範囲では、埼玉県の考えは「むやみに動かない」という事で、東京都では「出来るだけ帰って頂く」という考えなのではないでしょうか。そして、その埼玉県の考えは、県民の皆さんに定着していないと思います。 今回の災害で、電話回線はまたしてもパンク。電話がつながらなければ、心配になり、人は確認する為に移動しようとする、帰ろうとします。 災害時に救助活動の車両を優先する為に、安否確認の確立は不可欠です。 国の動向を待っている限り、対策は浸透しません。 伝言ダイヤル訓練は、毎月1日・15日に行えます。まず早速県職員全員が訓練を行い、高校・企業でやって頂けるようにしてはいかがでしょうか?鉄は熱い時に打たないと、過去の震災では数カ月後には、人々の記憶から消えていきました。防災計画が見直されてからではなく、やれる事はやり始めないと浸透しません。 また、伝言ダイヤルだけでは、通信がパンクするので、別の媒体を県や9都県市で検討して構築した後、9都県市でPRしてはいかがでしょうか?危機管理防災部長に伺います。 また、特に大事なのは、お子さんの安否だと思います。県内の一部の市では児童生徒の安否情報システムが構築されようとしていますが、市町村の自主性に委ねるのでなく、県として例えば小中学校の安否確認もシステム化が必要ではないでしょうか?教育長に伺います。

(3) 「ハイパーレスキュー部隊」に県の予算を

 先日、私は東京消防庁のハイパーレスキュー 第六消防方面本部で、お話を伺いました。 重機などについて、埼玉県内7つの市や消防組合が運営している埼玉県特別機動援助隊と東京消防庁ハイパーレスキューの差をうめていかなければと思いますが、県内に特別機動援助隊が設置されている市及び消防組合の予算に頼るのでなく、県の予算が必要だと思いますが、いかがでしょうか?

(4) 埼玉県の広域消防化

 災害対策は各市町村では限界があり、県として消防の広域化を推進していますが、中々進んでいないように見受けられます。 私は広域化の行きつく所は、ハイパーレスキューを頂点とする東京消防庁のように、埼玉県をしていく事だと思います。  消防の広域化の県としての予算は、会議の事務費のみですが、東日本大震災が起き、その後も各地で地震が続いている今、広域化を更に推進していく上で、予算のインセンティブが必要ではないでしょうか?

答弁者:上田きよし県知事

 「緊急道路の渋滞対策」についてでありますが、基本的には、緊急通行車両が通行する道路などは、地域防災計画で、高速道路、国道4号、17号等ですね、主要国道が第1次緊急交通道路に定めてありますし、また、第2次緊急交通道路を指定することも、公安委員会がすることができます。 しかし、どう考えても、現況のままだとですね、あちこちから入ってくるということが予想されます。 なぜ、そうなのかと言うと、連絡が取れないからであります。 従って、電波管理者と電波ビジネスをやっている事業者に、災害情報と同じレベルの通話ができるように、ほとんど一人一人携帯を持っている訳ですから、何らかの形で連絡が取れさえすれば、こういうことは起こらない訳で、何よりも先に電波管理者と電波事業者の方々が、災害においても通用するキャパを作って、お互いに家族が連絡が取れると。あるいは、会社の幹部と社員の方との連絡が取れると、そうすれば、慌てて車に乗ることもない、乗ったところで時速2キロで歩いている人よりも遅いというで、そういう馬鹿なことにもならないということになるかと思いますし、帰宅者対策にもなりますし、色んな意味で、最後の問題は、連絡が取れないということに尽きると思いますので、これは、埼玉県知事やら都知事が判断して移動の規制を決定できるかというと、できないと思います。 そういう意味で、情報がきちっと流れるか流れないかということに全てがかかっていると思いますので、この部分を極力、コンビニやガソリンスタンドだとか人が立ち寄る所も含めて、いかに安定的な情報をきちっと渡せるかどうか、これに尽きるというふうに思いますので、しっかりその部分を今後も申し入れをしていきたい。 そして、そちらに電波管理の責任者であります総務省と、そして事業者の皆さん達に強く訴えていきたいと思います。 次に、九都県市で連携して地震が発生したときの移動規制を帰宅困難者対策と合わせてPRであると思いますが、これもまさしく、今言った話でありますので、私は何よりも情報が的確にアクセスできるということを最大限に震災対策の一つにしていくべきではないか、特に緊急的な対応については大事だと思っております。

 次に、「ハイパーレスキュー部隊に県の予算を」ということであります。 すでに御案内のように「埼玉県特別機動援助隊」通称「埼玉SMART(スマート)」は新潟中越地震におけるハイパーレスキュー隊の活動実績を参考にして、平成18年に設立をしました。  さいたま市消防局や所沢市消防本部など県内7つの消防本部から精鋭を集めて「機動救助隊」をつくり、県の「防災航空隊」と、更に災害拠点病院の「埼玉県災害派遣医療チーム」通称「埼玉DMAT(ディーマット)」、この3つの部隊で編成して日ごろから共同訓練をしながら、チームワークがうまくいくような体制作りをしておりまして、これが東京消防庁で言うところのハイパーレスキュー隊と同じような機能を果たしているような形になります。 ただ、東京消防庁のハイパーレスキュー隊と比べると、車輌とか資機材では、雲泥の差とは言いませんが、やっぱり横綱と関脇ぐらいの差は、大関一つ分は空けた上で離れているというのが実感であります。 そこに県としても予算の措置をやれと、つまり各消防本部なりに支援をしろと言うことになるかと思いますが、今の仕組みの中ではそういう仕組みにはなっていませんので、できれば消防の一元化をお願いをして、とりあえずは本部体制の中でですね、集約化をしていただく努力を今しているところであります。 この集約化が終われば一元化し、『埼玉消防庁』みたいな形になるようにするのがより強い災害対策になるし、消防対策になるものだと私は確信しております。

答弁者:危機管理防災部長

(2)「通勤・通学者対策」についてでございます。 まず、県職員が伝言ダイヤル訓練を行い、高校、企業でやっていただくようにしてはいかがかについてでございます。 災害発生後の安否の確認や避難場所の連絡などが、スムーズに行えるよう、固定電話及び携帯電話による災害用伝言サービスが通信各社から提供されています。 災害用伝言サービスは事前の登録は必要なくて、誰でも利用できますけれども、知っているだけではいざという時に役に立ちません。 通信各社は、東日本大震災の発生直後から災害用伝言サービスの運用を開始し、現在もサービスは提供されています。 この機会をとらえ、まず県職員に対しサービスの積極的な体験を呼び掛けてまいります。 さらに、高校へは防災学習の時間において、企業に対しては出前講座や徒歩帰宅訓練などを通して災害用伝言サービスの体験利用を呼び掛けてまいります。 次に、伝言ダイヤル以外の別の媒体を県や九都県市で検討し構築後、 PRしてはいかがかでございます。 現在、九都県市では携帯電話を利用し災害用伝言サービスの利用ができるよう、ポケットサイズの利用ガイドを作成し様々な場で提供しております。 引き続き、様々な機会をとらえ災害用伝言サービスの利用を働き掛けてまいります。 災害用伝言サービス以外の有効な媒体につきましては、まずは九都県市の防災・危機管理対策委員会 地震防災・危機管理対策部会に諮ってまいります。

答弁者:危機管理防災部長

 次に、(4)「埼玉県の消防広域化」について、お答えを申し上げます。 県は、現在、平成20年3月に策定した消防広域化推進計画に基づき、現在の36消防本部を7つのブロックに分けて広域化を進めております。 このうち、所沢市を中心とした第4ブロックは平成24年度末を目標に、また、久喜市を中心とした第7ブロックは平成24年10月を目標に、それぞれ協議会が設立され広域化に取り組んでいます。 しかし、その他のブロックでは、隣接する市の消防広域化に対する考え方の相違から、なかなか進んでいない状況にございます。 これまで県は、消防広域化のための協議会を設置した場合に50万円の補助をしてまいりました。 今年度から新たに、消防救急無線をデジタル化するに当たり、基地局を共同で整備する場合や、指令業務を共同で行う場合には、最高で250万円を補助することといたしました。 現在、国による財政支援として、消防広域運営計画の作成経費や広域化に伴い必要となる経費に対して特別交付税が措置されます。 このほか、消防庁舎の整備に対して、起債の充当率を75%から90%に引き上げるといった特例もございます。 県といたしましても、広域化に向けたインセンティブを高めるために、国に対してさらなる支援の拡充を求めてまいります。 今後もこれらの支援制度の活用を促進しながら、引き続き消防広域化に積極的に取り組んでまいります。

東日本大震災の復興応援

  

(1) 埼玉県の被災地復興応援は限界の限界を超えて

 私は阪神淡路大震災の時、神戸市灘区役所で半月間、災害ボランティアとして活動した事をきっかけに、市議会議員に立候補し、以降これまで16年間で起きた名古屋水害・中越地震・中越沖地震において災害ボランティアとして活動してまいりました。 私の今回のこのテーマについての質問は、単に質問している担当の職員にだけでなく、恐縮ですが、今私の声を聞いて下さっている、お1人お1人の皆さまに申し上げたいと思っています。 東日本大震災の被災地に行って、私が痛感したのは、妻を亡くされ、子供を亡くし、家も無くし、まち自体が壊滅的な被害を受け、仕事場も無くし、親族も友人も亡くされた被災者の方と、私は例えば「立場を変われ」と言われても、変わる事は出来ないと思いました。皆様はいかがでしょうか。 被災された方と立場を変われないのであれば、私達被災していない国民に必要なのは、限界の限界を超えて復興の応援をする事ではないでしょうか。 被災地にお邪魔して、義援金は国民の多くの皆さんが何度も募金に協力されている中でも、まだまだ全然足らないと痛感しました。市街地全てが津波の被害にあった場所に立って、生きる気力すら失うほどの圧倒的な壊滅状態だと思いました。 被災者でない私達は被災地にいる時だけその光景を見ている訳ですが、被災地におられる方は、毎日見ざるを得ず、県外に避難されている方々においても、常に頭の中にその光景があると思います。被災された方は絶望に耐えて頑張っていらっしゃる。特に頑張らなければならないのは、政治と行政だと思います。 被災地の復興には“増税”が必要だと言う話もありますが、国民の全体を見て考えれば、増税に耐える余裕のない方は大勢いらっしゃり、増税を避ける為にやらなければならない事があると思います。 埼玉県はご承知の通り、知事が全国知事会の“復興協力本部長”です。では他の都道府県ではなくて、復興協力本部長がわが県のトップである埼玉県でやろうと思う事について、知事にご所見を伺います。 様々な面での埼玉県のイノベーション・斬新な取り組みにより、国を動かそうとされる知事の動きが県民の一人として楽しみです。

(2) 義援金の募集

 義援金は、更に1円でも、千円でも多く集めたいと思います。 今回の震災に限らず、市役所では誰もが目につく所に募金箱が設置されております。大変恐縮ですが、県庁も入口に置いてあるものと思っておりました。 一方、福井県・沖縄県などでは、本来自分の県に納められる税金を、被災地にふるさと納税する事を県民にお願いしており、県内では私の知る限り、熊谷市・宮代町が実施。特に福井県では、納税通知書にパンフレットを入れて呼びかけ、実施している港区長は「今は、被災者や被災地域の復興が重要」だとコメントしています。 また、東京都・愛知県・福岡県などでは、県独自に義援金の口座を設けるなどして募集しており、福岡県では先週の時点で、2億6千万円集まったそうです。 埼玉県には、義援金の受付窓口がなく、「日本赤十字社・共同募金会」を紹介しているのみです。 義援金の募金活動をする側の立場に立ってお考え頂ければと思いますが、市町村役場の窓口では基本的には受付ておらず、銀行で送金する事になり、手元に残るものは、“銀行の伝票”しかありません。これでは味気なく、募金にご協力頂いた方への報告も不便です。では、市町村の日赤支部窓口で領収証を発行していいか、市が日赤埼玉県支部に確認したところ、出来ないとはっきり言われたそうです。 企業からの支援金の場合、県は感謝状を出しているとの事ですが、そうしている事をもっとアピールして、義援金を募集してはいかがでしょうか? 今以上にもっと多くの義援金を集める為の仕掛けはおありになるのでしょうか?

(3) 被災地の物産品販売応援

 私は今、人と会う度に「被災地の物産を売れるイベントがあったら教えて下さい。利益は全額義援金になります。仕入れは私が出来ます」とお願いしております。それは行政主催のイベントに限りません。例えば先週もフラダンスのイベントで、主催者の方が売って下さいました。 私は県が主催するイベントは、原則チャリティーにして、義援金を呼びかけたり、物産品コーナーを設けたりして頂きたいと思いますが、いかがでしょうか? また県が市町村に紹介したり、県民の皆さんにPRしてはいかがでしょうか?

(4) 県職員による被災地応援(派遣・ボランティア)

 今回の震災に限らず、これまで行政は職員の応援について「被災地からの要請がない」事を理由にして来ました。しかし、皆さんのご兄弟が被災していたら、同じ事をおっしゃいますでしょうか。県同士は言わば兄弟みたいなものです。先方からの要請を待たずに、自らニーズを把握して活動する事が望ましいと思います。 埼玉県は、今回技術職の職員を派遣し、その後方支援の為の事務職員は派遣しておりますが、事務職員自体はいつからどのぐらいの規模で派遣するのでしょうか? ボランティア休暇を活用して東北に行った県職員は9人との事ですが、県職員がボランティアに行く事を盛り上げられないでしょうか? 今回の震災で、県が主体的に取り組めば、次の災害の時に、よりアクティブに活躍出来るようになると思います。

(5) 埼玉県独自の被災者の雇用創出

 被災した県のうち、宮城県は集団移転や土地の区画整理などの復興対策費用が2兆1千億円必要だと試算しました。この試算には、仙台市が除かれ、がれきの撤去処理や学校・病院の再建などは含めておらず、9000億円が市町村負担となりますが、被災した市町村の昨年度の予算は合計2000億円余りしかなく、財政破たんに陥ると指摘しています。 そして、東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島の6割以上の市町村が震災から3か月が経っても復興のメドが立っていない、産業や雇用の回復については9割の市町村が「メドがたっていない」と答え、今最も訴えたい事の問いには、従来の制度にとらわれない抜本的なスピード感ある支援策を打ち出すよう求めています。 国だけでなく埼玉県でも、従来の制度にとらわれない、スピード感ある応援策が必要だと思います。 阪神大震災や中越沖地震では、津波被害は無かったので、道1本隔てた住宅は軒並み倒壊・半壊していても、他の所はそれ程の被害は無かったりして、まちの中で、仕事の再開や復興が比較的しやすかったですが、今回の津波被害では、まち全体がマイナスからのスタートな所が多い現状です。 津波による浸水面積は合計561平方キロで、山手線内側の面積の約9倍に当たり、津波被災世帯数 21万世帯で、恐縮ですが、例えば県内に当てはめますと、川口市と、県内の郡の合計世帯数がそれぞれ21万世帯で、また津波により被災した事業所数は5万3千、従業員数は48万人だそうであります。 震災復興計画は、津波の教訓から「山を切り崩して、そこに街をつくる」と国は言っていますが、国の予算は、震災前でも年間予算の半分を新たな借金で補い、先進国で一番借金の残額が大きい事はご存じの通りです。 誰しも、住み慣れた地域で、住み続けていきたいと私も思います。しかし、政治・行政はきれい事ばかり言うのでなく、当事者の為に時には、大きな決断をお願いしなければならない事もあると思います。今後日本の人口は減っていく中で、地方は更に人口が減る事は目に見えています。私には、もとの通りにするに十分な復興できる財源があるとは思えません。しかしそう思うからこそ、被災された方々が、移り住める為のインセンティブ・奨励策として、雇用創出・住宅支援などといった具体的な手当てが必要だと思います。 埼玉におみえになっている被災された方に、就職相談はなされていますが、就職が見つかっていない方の雇用の確保はもとより、現在被災地におられる方で、生計のメドがたっていない方は多くいらっしゃる事を考え、埼玉にお来し下されば、被災者の雇用が創出されるように、今議会で提案されている国の緊急雇用対策の利用のみならず、県独自の予算を確保してはいかがでしょうか? 比較的震災被害の少なかった埼玉県からイニシアティブを取ってやる事により、国を動かしてはいかがかと思います。 県独自の雇用創出の仕事内容は、県内のNPOなどの仕事で雇いたいが雇えない事業への補助や、県内の空き店舗での起業支援をしてはいかがでしょうか? また、被災地応援を最大限推し進める為、県庁内に復興応援担当窓口を設置し、被災者の方を雇用して、担当としてはいかがでしょうか?

(6) 被災者の住宅対策

 今議会に議案として出されている、被災者への住宅支援ですが、原子力発電の避難地域に指定された方や全半壊して住めない方以外に、自主避難の方は対象にするのでしょうか?対象にするとすれば制度を1日も早く発表して頂きたいと思います。 また災害救助法を適用するだけで、住宅支援を埼玉県が対応する場合、わずか1年間で最長でも2年という短いもので、もと住んでいた地域には津波で何らかの対策をしない限り、住めないので、これまでの震災とは違うので不十分で、被災者の視点に立てば、見ず知らずの地域に移り住もうと思えません。そうでなくとも、被災された方は、大きな痛手を負われ、今後生きていく上で決めなければならない事は山ほどおありになります。県として3年くらいの中期的な支援にして、被災された方が埼玉に移り住もうというインセンティブにしていかなげれば制度があっても中々進まないと思いますが、県独自の考えはいかがでしょうか?

(7) 県内被災者への支援

 住宅の被害で被災者生活再建支援法で救済されるのは全壊世帯ですが、埼玉県久喜市南栗橋地区は液状化により、94世帯が「一部破損」で、全戸が支給の対象外とされました。今回の震災ではたまたま久喜市でしたが、今後の災害でも液状化は起きるかも知れない事も踏まえ、県の液状化した地区への支援はいかがでしょうか?

(8) 被災した児童・生徒の学習の遅れ対策

 今回の震災では、これまでの震災以上に、学校の授業再開に時間がかかりました。授業が再開されても親を亡くしたり、あの震災の惨状を目の当たりにした子どもは落ち着いて勉強が出来ていたとは思えず、学習の遅れを取り戻す事そのものの対策が必要だと思います。 そこで、例えば県で被災した児童・生徒の塾に通う費用を一定程度補助し、学習塾で残りの額を負担してくれる所を募集し、学習支援を行ってみるのも、一案だと考えます。 県は、被災した児童・生徒の学習の遅れ対策をどのように取られるのでしょうか?

答弁者:上田きよし県知事

 「埼玉県の被災地復興応援は限界の限界を超えて」に、いくつか、いろいろなアイデアをいただき、感じるところもたくさんありました。 確かに、義援金募集、あるいはボランティアの募集、こういった部分でまだまだ私たちに考える余地があるのではないかというようなことをまず感じたところです。 まず、埼玉県が今回の取組の中で、一番誇ったのは、実は、比較的ゆっくりしていると言われている教育委員会がすばらしく早かったことです。 実は、4月8日が入学式でありました。4月4日までに、何らかの形で手続きを取った子供たちに関しては、全員入学して、なおかつ、その時点ですべての教材等々、全部、何が何でも用意をすると、その負担をどうするか、こうするかというのは、二の次ということで、教育長の判断、あるいはまた私なりの判断の中でそういうことを決定いたしました。 私はやっぱり、非常時は非常時の決定のしかたがあるのではないかというふうに思いました。 スーパーアリーナの活用は、これは基本的には帰宅困難者を受け止めるというところからスタートしました。 そこで、避難者の次は受け止めということになりました。 当初、1,600人の方が双葉町からこられるというニュースを聞きました。 これは、ちょっと違うなという風に思いましたので、多分、役場ごと、町ごとというイメージでしたので、町長の方針の中で、コミュニティーを壊さないということを前提にしているなと思いましたので、次の事をもう考えました。 スーパーアリーナにずっとという訳にはいきませんので、1,600人ではなく1,400人でしたけど最初は、その方々を入れる“器”というものを考えました。 これももうやっぱり非常時ですので、非常時の考え方の方が良いだろうということで、私はそういう非常時においては、非常時の考え方の中で処理をするということが、一番大事だという風に思っておりましたが、まだまだ相手側の立場に立ってないということを感じたところもあります。 現在、全国知事会の方で、復興協力本部長の役割を担うように会長から言われ、そうした手続きの元締めをやっているところですが、実は、それぞれのルートでも、既存で動いておりますので、新たにそれを集約したり新たに何かコースを作ったりすると非常に難しい部分がありますので、この部分に関して言えば被災地の自治体の責任者と、そしてまた実務者クラスから、両方からヒアリングをやって、一番大事なことだけやろうということで、現在、一番大事なことは、義援金の支払い事務が滞っている所があるというところであります。 この部分に関して、さっそくそのお手伝いをするための人の派遣を新たにやろうということで、全国知事会的には、それぞれのブロックごとに分けた形で、関東ブロックでやる場合には、各県ごとに、向こうの要請は中長期に入ってほしいという話ですが、派遣する側は中長期を嫌う部分があります。 従って、結果として中長期になうような仕組みづくりをして応援しようと考えておりますので、こういうカバー体制を作ることに全力を今尽くしているとこであります。

次に、「埼玉県独自の被災者の雇用創出」でありますが、正直なところ、なかなか困難です。それは復興のシナリオがよく見えないからです。 とりわけ福島県の方はいつ戻れるのか、いつから本来の状況になるのか、いつ頃ということすらも見えないというところで、なかなか現実問題として困っておりまして、実際、多くの企業から、具体的には6月21日現在で1,253件の求人そのものはあるんです。ところが、就職された方々は102人でありますので、そういう意味では圧倒的に少ないです。 被災者の気持ちを尊重して、その希望に応じた形での復興支援というものを、私たちなりにやっているつもりですが、実際は非常に困難だということを申し上げざるをえません。 それから雇用の創出について、緊急雇用基金を活用して、雇用の創出に努めているところですけども、実際、今お話ししたように行きつ戻りつをされておられます。 いい話を聞けば、戻ることを前提にしなければならないということで、かえってご迷惑をかけるかなと。週刊誌を読むと長期化しそうだから、就職しなければ。 しかし、その間にまた、違う話を聞かれて、戻るという形で、県独自に雇用の創出を被災者のためにやれという話というのは、そこまでのニーズがやっぱりないというのが、現状であります。 次に、復興応援担当窓口の設置、これはとても良い話だなと思っております。 確かに、災害対策本部を中心に窓口としてやってきました。 また観光の力で日本を元気にということで、できたら東北に行きましょうと、遠い場合は。近い場合は埼玉という事も訴えておりますが、ただ、確かに東北の観光振興や物産展の開催などは、そこだけに特化するような窓口を作ることで、より確かな支援ができるのではないかと言うことでありますので、復興全体もさることながら、極力、一定の分野に迫った形でのワンストップで、総合的な窓口を設置したいと思います。 その窓口に、被災者を就職させたらどうかというご提案でありますが、そのふさわしい方がいらっしゃれば一番いいのですが、言葉の壁とかですね、いろいろな課題があるかもしれませんので、分かりましたというわけにはいきませんが、その事も含めて考えてみたいと思います。

答弁者:危機管理防災部長

 (2)「義援金の募集」についてお答えを申し上げます。 多くの義援金を集めるための仕掛けはあるのかということでございます。 今回の大震災に対する県民からの義援金は、日本赤十字社や中央共同募金会の募金活動が、全国に浸透しておりますことから、これらを通じて行っています。 現在、県は被災地支援のための冠イベントにおいて、募金活動を実施し、これらの団体を通じて、売上金の一部や入場料を義援金とさせていただいております。 今後は、9月1日に本県がメイン会場で実施される九都県市合同防災訓練や市町村で実施される防災訓練などで、募金活動を実施してまいります。 さらに、防災意識が高まっておりますことから、地震対策セミナーや地震防災をテーマとする県政出前講座など防災関係の催しにおいても、積極的に義援金を募ってまいります。 今後も引き続き、様々な工夫で少しでも多くの義援金を集め、被災地支援に取り組んでまいります。

答弁者:産業労働部長

 (3)「被災地の物産品販売応援」について、お答えを申し上げます。 首都圏に位置する本県で、イベント開催時に義援金の呼びかけや被災地の物産品販売を行うことは、復興支援として大変意義あるものと考えています。 県では、4月から各部局のイベントに「東日本大震災復興応援イベント」の冠を付け、売上の一部を被災地の支援に当てています。 また、同様の対応を各経済団体にも協力依頼いたしました。 5月に開催いたしました「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」では、約130万円を義援金として寄付するとともに、東北地方の地酒販売なども行いました。 市町村でも、すでに様々な復興応援イベントを実施しております。 今後も、県の観光情報誌や観光サイトに『被災地の物産販売サイト』を設けるなど被災地の復興支援に努めてまいります。

答弁者:総務部長

 (4)「県職員による被災地応援」について、お答えを申し上げます。 まず、県職員の派遣についてでございます。 本県では、被災県を支援するため、これまでに事務職員40名を含め238人を派遣してまいりました。 職員の派遣に当たっては、現地の支援ニーズをしっかり把握し、速やかに対応するため、福島県の災害対策本部に職員2人を常駐させ、 岩手県、宮城県とは、現地と直接連絡をとりながら、支援を行っております。 こうして得た情報をもとに、7月からはさらに技術職員を、福島県に4人、岩手県に3人派遣することとしております。 また、事務職員についても、福島県の仮設住宅審査事務に10人、宮城県の災害復旧補助金事務に1人を派遣する予定となっております。 さらに、早急な対応が必要な「義援金支払い事務」などについても、必要な人数の事務職員を迅速に派遣してまいります。 今後とも、支援要請を待つことなく、県自ら的確にニーズを把握し、被災地の立場に立ってしっかりと支援してまいります。 次に、県職員のボランティアについてでございます。 職員にアンケートを行ったところ、1572人から回答があり、延べ115人が、ボランティア休暇のほか、土日・祝日を活用し、震災ボランティアを行っておりました(質問の打ち合わせの段階で、県は把握していなかったので、アンケートを取った)。 このうち51人が東北の被災地で、がれきの撤去、物資の運搬や配布、避難所支援などの活動を行っております。 さらに、回答のあった職員の51%が今後、震災ボランティア活動を行いたいと希望しております。 このため、ボランティア休暇制度の活用を促すとともに、震災ボランティアに参加した職員の実体験などを紹介してまいります。 また、NPOなどが企画している「東北ボランティアツアー」情報などを職員向けに提供し、ボランティアへの参加を促してまいります。 今後とも、多くの職員がボランティア活動に積極的に参加できるよう働きかけてまいります。

答弁者:都市整備部長

 (6)「被災者の住宅対策」についてお答えを申し上げます。 県では震災発生後、本県に避難された方々に、いち早く県営住宅などの公的住宅を提供してまいりました。 今回の民間賃貸住宅の提供につきましては、追加の支援策として被災県からの要請に基づき、災害救助法に基づく応急仮設住宅として、借上げ条件を設定して実施するものでございます。 この住宅支援は、住宅を失った方と原子力発電所事故により避難指示等を受けた方を対象とするもので、ご議決をいただきましたなら、速やかに実施いたします。 新たな自主避難者につきましては、今回の住宅提供の対象とはなりませんが、セーフティネットとして、国家公務員住宅を提供して対応してまいります。 次に、今回の住宅支援を3年くらいの中期的な支援にしてはどうかでございます。 福島県を始め被災県では、避難者に対して応急仮設住宅の建設や民間賃貸住宅の提供など様々な生活再建に向けた取組みが進んでおります。 しかしながら、原発問題の見通しが立たない中、態度を決めかねておられる方も多いのではないかと存じます。 本県では、定住を含め県内に長期滞在を希望される方に対し、相談窓口を設けて就業や就学を含めた総合的な支援を行っております。 中期的な支援につきましては、原発の動向を注視し、被災県や避難者の方々の意向を尊重しながら、その対応を検討してまいります。

答弁者:危機管理防災部長

次に(7)「県内被災者への支援について」、お答えを申し上げます。 今回の震災では、県内でも久喜市や加須市など、液状化による被害が広範囲の地域で発生しました。 液状化で住宅被害にあわれた方々にとって、住宅の再建が最も重要で、被災世帯の生活再建を支援する被災者生活再建支援制度の適用が望まれます。 しかし、現行制度は市町村の全壊戸数により適用するかどうか判断することになっています。 液状化被害による住宅は、傾きやもぐり込みは生じるものの建物全体に大きな損壊が生じないため、全壊の認定を受けにくく、この制度の適用が受けられないのが現状です。 一方、液状化による被害は地盤改良に多額の費用がかかることなどから被害の実態にあった支援が必要です。 このため、県では、国に対して、被災者生活再建支援法と施行令を改正し、適用要件の緩和と支援内容の拡充を図るとともに、液状化被害の実態にあった新たな支援制度の創設を要望しています。 今後も、引き続き、粘り強く、国に対して制度改正等を要望してまいります。

答弁者:教育長

 (8)「被災した児童・生徒の学習の遅れ対策」について、お答えを申し上げます。 被災地域では、学校の授業の再開が遅れた状況もございます。 一方、本県では通常に授業が行われており、6月16日現在、県内の小中学校で985人の被災した子どもたちが学習しております。 本県では、どの子どもにも、基礎的・基本的な力が身に付くよう、「教育に関する3つの達成目標」に取り組んでおります。 学校では、学習の遅れがないよう、放課後の時間等を利用して個別の学習支援を行ったり、長期休業中に補習的学習なども行っており、学習塾と連携した学習支援は考えておりません。 今後とも、市町村教育委員会と連携を密にし、学習の遅れが生じないよう、きめ細やかな指導に努めてまいります。

健康保険 4年で1万6千円増税?

  

健康保険4年で1万6千円増税?

 

 

有料橋無料化 / エコカー補助金制度

  

有料橋無料化 / エコカー補助金制度

市民意見を聞かず何の為の市役所?

  

市民意見を聞かず何の為の市役所?

小・中学校の夏休み短縮を / 循環バス

  

小・中学校の夏休み短縮を / 循環バス

増税ストップ / 西口開発 / 入曽駅

  

増税ストップ / 西口開発 / 入曽駅

介護・狭山市駅駐輪場料金

  

介護・狭山市駅駐輪場料金