2016年10月6日の活動

八ツ場ダム工事・埼玉県の負担増額が明日、県議会で審議される。
 群馬県議会は、八ツ場負担増額の請願を『継続審査』にした。『○○党が請願を出してはダメだ』と市民団体と民進党県議が請願の文章内容を丁寧に調整したとの事(請願文書を要旨も読んでみて)。
 八ツ場の地元で、否決でなく、継続審査に持って行ったのはすごい。しがらみもあるだろうし、保守的だろうに。埼玉県議会では、どこまで議論になるか?都会で軽くなってしまうか?
群馬県議会へ八ツ場ダム計画変更案(事業費の再増額)についての請願提出

 

民進党の支持率が上がらない原因は、八ッ場ダムにあると思う。
 未だにこの問題にヒヨっているのではないか?
 ムダだと止めたのなら、今でも徹底的に議論すべきだ。

この写真は、八ッ場の『道の駅』に今日も貼られている写真。
税金を使って建てた施設では異例の掲示。1006_01

【埼玉県庁・市町村も『借金体質』】
 目先の事しか考えていない県職員の場合、県が新たに借金しても、その一部を国が払ってくれるので(『交付税措置』というのが業界用語)「現金で払うより、借金したほうが得」と思ってしまいます。しかし、借金すれば当然利子が発生しますから、国と地方の借金は『次の世代』にその分、多く負担が回ってしまう、短絡的な考えです。
 埼玉県の場合、借金しなければ財政がどうにもならない訳ではありません。でも、この発想がこの国の『財政破綻』を速めさせ、国民の『先行き不安』を助長させます。
 明日、県議会で、これを質問します(シリーズ①)。

【八ッ場ダム・県負担の新たな借金利子は『5億円』】
 これが目先の事しか考えていない県職員と、先ほど私が言った証拠資料です(県庁作成)
 これまでも「借金したほうが得」と思って何の見直しもせず、167億円、借金の利子を発生させています。
 今より来年以降は、人口が減り働く若い人も少なくなるので、税収は減り国内消費は悪化します。自分たちが決断した事は、自分達の世代が責任を取るという考えが欠落しています。
 職場の後輩や、子供・孫をかわいがっているのは『形式』なのか?と思われてしまいます。若い人は、見抜きます(シリーズ②)。

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【国が言って来た事の予算化なら、県はすんなり?】
 今回の県議会で、各会派の議員から防災・交通安全・教育・福祉などの一般質問がありました。しかし知事など県庁は「財源の裏付け(お金)が無いと出来ない」と、よく口にします。では明日(金)、県議会で審議する、突然ふって沸いた八ッ場ダムの県負担金増88億円は、財源の裏付けがあるのか?予期していなかったのだから、どこを削るのか?
 家庭・事業所なら、予期せぬ出費は、ムダを削ろうとしますよね?
 ましてローン(借金)を組むなら、返済計画を立てますよね?
 税金だと、それは考えない? そんな公務員なら、いらない(シリーズ③)。

【八ツ場ダム・県負担増は『全額借金』!】
 20年以上、次の世代に、任をなすり付ける。これで「財政の裏付けがある」と言える?
(シリーズ②の資料に『100%起債』=全額借金、『20、30年』と書かれています)(シリーズ④)

八ッ場ダム建設現場を、会派で6時間視察。
 市民団体役員さんと国土交通省、それぞれの話を聞き、現地を細かく回りました。
 ヘルメットをかぶってる所は、ダム本体の工事現場で、これからダムの壁が造られる所。

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『天明の大飢饉』(1783年)をもたらした浅間山噴火の土石流で、八ッ場ダム建設現場の川原湯地区だけで死者14人。東京・柴又まで死体が流れた。
 浅間山からここまで30kmを1時間かからず、土石流が来た。まさかここまで土石流が来るとは思っていなかったでしょう。江戸時代だけでなく、今だって噴火しても思わないでしょう。ここに土石流が来た事を知らなければ。


噴火での集落被害の発掘調査現場。
八ッ場に行った事が無くても、この橋はTVでご覧になったのでは?
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浅間山から八ッ場までの距離や、柴又までの距離を航空写真で確認しました。
上の真ん中の左足元が浅間山の位置。1007_05

浅間山の噴火により起きた『天明の飢饉』は以前から、防災上関心を持っています。
 この遺跡はダムの底に沈んでしまうので、ここを見れるのは、発掘している今だけ。ダムの是非でなく、もったいなくないですか?群馬県が発掘しているとの事で、今日は聞けなかったので、日を改めて聞いてみたい。


噴火の土石流が来るまで、ここで生活していた事をアリアリと感じる発掘現場。

大きな屋敷があった事が分かる。1007_06

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発掘現場の地面で、横に線が何本もある所は、噴火前畑だったうねり。
よく江戸時代の畑が、そのままの形で残ってますよね。
地面は、何かを語る。1007_08

八ッ場ダム本体の壁が造られる底地。
立っている場所は工事現場だが、見晴らし台があり、観光客が見られる。
茶色の線は、コンクリの管。1007_09

八ッ場ダム建設工事の為、山を3千mも掘り、山の向こう側からコンクリになる土砂を送っている工事用トンネル
 このトンネルを工事後どうするか。もし一般道路として使うなら、トンネルの整備費は国ではなく群馬県が負担するとの事。群馬県は大変だ。そうでなくても山が多く、道路の維持管理に多くの金がかかっているだろうに。

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線路はダムに沈むので、移転。
線路だった所に、山の向こうから送っている茶色いコンクリの長い管が通る。1007_11

コンクリの管は長い(白く光ってしまっているので分かりづらいですが、鉄橋の所も通っています)。1007_12

ダム建設の為に移転した、新しい川原湯温泉駅。
 温泉の駅で、特急が止まるのに、全国の駅で10番目に乗降客が少ない。
 実際、私が以前、電車で来た時も、特急に乗る人は他に2組しかいなかった。
 群馬県を車で走っていると、車線の数が異様に多いと感じた事があるでしょうか?結果、電車利用者が減り、間近に迫る人口減少・超高齢化で、車を運転出来ない人は、困る事になる。
 埼玉県でも、国道16号から北側にある地域や、そうでなくても高齢者などは、ひとごとではない。

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ダム建設予定地から移転造成した住宅地区(川原湯温泉駅周辺)
 「なぜ駅の真ん前なのに舗装されてないのか?」聞いたら、道路の路盤に、有害物質をまぜて道路業者が巻いてしまったとの事!
 有害なだけでなく、舗装しても石に含まれる鉄さび(鉄鋼スラグ)が膨張して、舗装を痛めてしまう。県が業者を訴えていると言うが(とてもいい天気で、周りはいい景色なのに、気持ちが晴れない)。

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有害な石は、ちょっと見ただけでゴロゴロある(業者は「取り除いた」と言っている)。素人が見ても分かる。
 これが、鉄さび(茶色)が含まれる石(鉄鋼スラグ)。
 今後、道路などの維持管理で面倒くさい事になるだろう。群馬県は大変だ。

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山を削り、谷に土を盛って、ダム建設予定地から移転した住居地区。
 川をはさんで両側にあり、地滑りを起こしている。
 国土交通省に私は「広島豪雨災害を思い出す」と言った。
 ダムに沈む地区に住んでいた3/4の世帯は、よそに移り住んだ(写真の削られた斜面は、コンクリではない)。

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