県庁。高齢介護課長。福祉政策課長。
県社会福祉審議会。以下、私の発言。
(中川委員)
お配り頂きたい資料がありますが、よろしいでしょうか。
(委員長)
はい、よろしくお願いします。
(中川委員)
時間の関係もあるので、配って頂きながら質問させて頂きます。
まず社会福祉審議会の開催頻度について伺います。
福祉分野というのは皆様御承知のとおり、大変きめ細かな改正が必要になる分野だと思います。そのような中、社会福祉審議会は、一昨年までは基本的に年3回、一昨年も3年前も行われていましたが、昨年から年1回ペースになっているのは、色々な言い方が出来ようかと思いますが、形骸化していると言われても致し方ないのではないかと思うのです。今年度内に3回開催される予定があるのかどうかをお尋ねします。
もう1点は、今日示されている高齢者施設の基準に関連して、埼玉県では「施設から在宅へ」という方針をお持ちのようです。そうは言っても、介護を必要とされる家庭から見ると、実態が中々理想論の域を出ないのではないかと思います。知事も言われるように、埼玉県は一番高齢化率のスピードが早い中で、高齢化した時に、施設がどの程度整備出来るのかという長期ビジョンを示す必要があろうかと思います。その点について高齢介護課長のお考えを伺います。
3点目、今お配りしたものは東京都が独自に定めた基準です(11ページに記載)。今日事務局から示された資料2と比較して、御覧頂ければと思います。
特に私が申し上げたいのは、前回、昨年度の社会福祉審議会で、特別養護老人ホームの廊下などの要件を緩和して、出来るだけ特別養護老人ホームなどの整備が促進されるようにして頂きたいと私が質問したところ、その時の高齢介護課長の答弁では「例えば廊下の幅をどうするかなど、独自に定める基準が出て来ているので、しかるべき時期に条例を定めさせて頂きたい」との事でした(10ページに記載)。聞いていたほうとしては、廊下の基準などは既定路線として改革されるのではないかと思っていたのですが、今日示されたのは、全て今まで県がやって来た事をただ単に条例でうたうというだけの話で、それを知らない方にとっては、新たに独自基準が示されたのではないかと勘違いされてしまうのではないかと思うのです。
福祉部長にもこの点を伺いたいのですが、どうしてそのような形ばかりの定めになったのか、まったく理解が出来ません。これは12月議会の議案案件だと伺っていますが、今日の審議を経て12月の議会へ送るのであれば、この審議会の委員としては、現時点でこれを賛成できる案件では無いと思います。
今日私がお配りした東京都の基準では、簡単に比較出来ます。国の基準では廊下の幅が1.8mのところ「東京都は独自に1.5mとします」というような事をはじめ、「ユニット定員も12人以下とします」と、具体的に特別養護老人ホームが欲しいと思っている都民の視点に合わせて改革をしている姿勢が示されているのです。
恐らくこれを聞くと、「いや、防災の観点から今回はこれを見直しませんでした」という答弁が返ってくる事を想定します。それであればサービス付き高齢者向け住宅、高齢者専用賃貸住宅などはまったく基準がない、言い方を変えれば、職員の基準もない、廊下の幅の基準もない、そういう所に規制をかける考えもない中では、全くバランスを欠いていると思います。
詳しくは高齢介護課長から、総括的に部長から御答弁を頂きたいです。
(福祉政策課長)
私のほうから、社会福祉審議会の開催頻度について御説明させて頂きたいと思います。
私が以前に中川委員に説明した際に、「22年度に3回開催した」と説明申し上げたのですが、これは大変失礼しました。2回でした。まずは訂正させて頂きたいと思います。
過去の開催頻度については、平成21年度は3回、22年度が2回、昨年度は御指摘のとおり1回でした。昨年度については委員の皆様方の日程等が調整できず、1回となっています。本年度については、今のところ事務局の考えではありますが、年明けに福祉部の抱える行政課題について報告させて頂けるような場を設けたいと思っていますので、御理解を賜りたいと思います。
(福祉部長)
それでは、私のほうから先にお答えさせて頂きます。
今、中川委員から御質問がありました。この内容について東京都がこういう形で考えておられる事は当然私共も承知しています。それで検討してまいりました。結果的には例えば廊下の幅、ユニットの定員などについて、従来埼玉県が指導して来た内容で今回条例を制定していきたい、としています。
基本的には「入居者の安心・安全の為の基準はどうあるべきか」という事を重点的に考えながら、基準を設定させて頂いています。細かくは担当の課長からなぜこのようになったかを説明させて頂きます。
もう1つ、東京都と埼玉県の違いとして、東京都には土地の問題があります。東京都では、特別養護老人ホームについては若干造りにくいというお話をよくお聞きします。そういう中で東京都は独自にお考えになっている部分もあるかと思います。埼玉県の場合は当然ながら知事の方針のもとで、特別養護老人ホームについては積極的に整備を行っており、現時点で独自の緩和基準がないと整備が難しいというお話は聞いていないものですから、基本的には従来の基準の中で、利用者の事を第一に考え、こういう形にさせて頂いているという状況です。
あともう1つ、昨年の議事録のお話がありました。そういう誤解をされるような答弁をしてしまったという事について、大変申し訳ありません。気を付けて、きちんとした答弁を心がけていきたいと思っています。
(高齢介護課長)
まず東京都の基準と比較してなぜ埼玉県は基準を緩和しないのか、という御質問でした。
今回の地域主権一括法は、地域の実情に応じてそれぞれの地方公共団体が条例で基準を定めるという考え方に基づいて実施されています。東京都の報告によると、東京都は非常に人口密度が高い中で地価が非常に高い。埼玉県と比べると約3倍になっています。更に入所の待機者も多くなっており、併せて特別養護老人ホーム等を整備するのに必要な土地の確保が非常に厳しい状況であるという事で、埼玉県と比べると施設の整備促進という事が非常に喫緊の課題となっているという認識だと考えています。
一方、埼玉県においても、特別養護老人ホームの入所待機者が非常に多い事は事実ですが、東京都と比較して計画的な整備が進んで来ているという実態があります。平成21年度から23年度までの3カ年を期間とする第4期高齢者支援計画では、整備目標数を上回る特別養護老人ホームの整備が実現しています。また、本年度を初年度とする第5期高齢者支援計画で定めた整備目標数に対しても、現在、目標数を大きく上回る約1.5倍の整備の協議が出来ている状況です。
このような状況を踏まえて、廊下幅の見直しをして整備していく必要があるのかどうかという事を、昨年の審議会以降もずっと継続して議論し、検討して来たところです。そのような中で、廊下幅についてはやはり従前の基準を維持するほうが入所者の安全・安心という観点からいいのではないかという結論に達したところです。
なお、今回問題となっている廊下幅については、東京都の資料にあるように、従来型の特別養護老人ホームでは基準が厳しいのですが、いわゆる個室ユニット型の特別養護老人ホームについては、東京都の基準に近い片廊下が1.5m、中廊下が1.8mとなっています。途中ですれ違いが出来るような場所が確保されれば、現在でもこの基準で整備する事が出来るようになっています。埼玉県ではユニット型の施設を中心に整備を進めているところでして、現在では、従来型の整備はかなり少ないという状況があり、そのような事も考慮しました。
併せて、ユニット型の定員について、東京都では、「概ね10人程度」という基準が不明確なので「12人」と明確にしたと聞いています。埼玉県においても、施設や土地の形状等による制約によりやむを得ないと認められるような場合には、従来から「概ね12人」という事で、12人までユニット定員を増やす事を認めて来たところです。ただ非常に例外的な取扱いという事で、過去に認めた例はかなり少ない状況です。
このような事も踏まえながら、ユニット型の特別養護老人ホームは、基本的には少人数の家庭的な雰囲気の中で個別にケアをしていくという事が重要だと考えています。基本的なユニット定員については、10人を維持しながら、例外的な部分について従来基準の若干の見直しを検討しています。職員配置が通常の介護報酬上の基準等で定められている「入所者3人に対して1人」という基準を上回って、通常ユニットで行われる事が望ましいとされている「入所者2人に対して1人」という基準で運営がなされる場合には、従来の基準を見直した上で、東京都のように12人までのユニットを認めていく方向で検討しています。
これについては、条例上は「概ね10人以下」とした中で、数値等をきちんと基準で明記した上で、運用の中でそのような取扱いをしていきたいと考えているところです。
それから、先ほどサービス付き高齢者向け住宅等については廊下幅等の基準がない、というお話もありました。基本的にはサービス付き高齢者向け住宅は「住宅」という事を基本にした基準なので、そういう事になっているかと思います。特別養護老人ホームは常時介護が必要な入所者、特に近年は重度化しており、要介護度も4や5の方が6割を超えるという状況になっています。そのような観点からも違いがあると考えていますが、いずれにしても、埼玉県としては総合的に検討してきた結果、このような基準で定めていくのが適当ではないかと考えているところです。
(委員長)
中川委員の御質問が3つありまして、開催頻度の問題、2つ目が施設の今後の見通し、それから3つ目が基準の問題。今のお答えでよろしいでしょうか。
(高齢介護課長)
申し訳ありません、長期の視点に立ったビジョンが必要ではないかという御質問がありました。私共も3年間を基本的な計画期間とする高齢者支援計画を定めながら、計画的な介護基盤の整備に努めています。
特に特別養護老人ホームについては、介護施設の中でも中核的な施設であり、また、入所ニーズも高いという事で、より計画的な整備をする為、今年度から始まった高齢者支援計画でも期間を5年に延長して、28年度までの整備目標を定めているところです。
そのような中で「埼玉県は施設から在宅へシフトしているのではないか」とのお話がありました。私共としては施設から在宅へという事だけではなくて、家庭で生活を続けていきたいという方が非常に多い中で、そのような要望にも応えつつ、しかしながらやはり在宅では生活が困難な方も非常に多い事は事実なので、そういう事にも対応できるように、従前よりも整備率を高める方向で計画を作って来たところです。平成23年度末時点で65歳以上の高齢者に対して1.6%程度の整備率だったものが、26年度で1.8%、28年度では1.9%になるまで整備目標を定めているところです。
必ずしも施設から在宅へシフトしたという事ではなく、在宅と施設をバランスよく整備し、県民の皆様が安心して暮らせる環境を整備していこうと施策を進めているところです。
(中川委員)
答弁を聞いていても、現状でこの案を了承できるような状態ではないと思っています。と言うのは、単純に東京都の方針を見た時と、埼玉県の方針を見た時と、どちらが県民の為に、あるいは県民に分かりやすい状況になっているかと言われれば、一目瞭然です。
これは質問です。先ほど「東京都は地価が高いから」とおっしゃいましたが、東京都の区部ではなく、市町村部の現状の特別養護老人ホームの設置率と埼玉県の設置率は、残念ながら東京都のほうが高いと思うのです。それでも総合的に判断したとおっしゃるのかという事をお伺いしたいのが1つ。
また先ほどの「廊下の幅については、施設関係者からも意見を聞いた」とおっしゃいましたが、廊下幅を緩和する事について施設からの意見を聞いているのでしょうか。というのは、先ほど「防災の観点から」とおっしゃいましたが、私は本来施設に入れたいのに一杯だから入れなくて、結局殺してしまうというリスクも当然防災上のリスクの1つであり、その事も含めて総合的に考えて頂きたいと思います。とてもではありませんが、今介護が大変な人から見たら、今までの踏襲としか私には思えないので、このテーマについて伺いたいのです。
先ほど長期ビジョンについて御答弁頂きましたが、それはペーパーになって今後県民に示されるのでしょうか。以上2点、よろしくお願いします。
(高齢介護課長)
まず、東京都の場合には区部の整備率に比べて、市町村部の整備率が高い、それと比較して埼玉県はどうかという事です。確かに、御指摘のように東京都の資料によると、東京都区部では高齢者人口に対する整備率は1.05%、それに対して市町村部は2.13%と承知しています。私共はこういった事も含めて総合的に勘案し、埼玉県においては東京都に比べて整備目標を上回る整備が実現して来ている事から、現行基準を維持する事が適当ではないかと判断させて頂きました。
それから廊下幅の関係について施設の意見を聞いたのかという御質問です。これについては、平成23年の2月の時点で、廊下幅の基準の緩和について県内269施設の特別養護老人ホームにアンケートをしています。回答頂いたのが223施設という事で、多くの施設から頂きました。回答では、「現状で良い」が85.2%、「緩和したほうが良い」が12.1%、「厳しくしたほうがいい」というのが1.1%という事で、概ね現状が適当だという御意見だったと考えています。
長期ビジョンについては、現行の高齢者支援計画の中で、平成28年度までに圏域ごとに何床整備していくかという整備数を示しています。
(中川委員)
よく役所は総合的にとおっしゃるのですが、結局東京都のほうが市町村部は(埼玉県より)上回っていると考えれば、全然総合的では無いではないですか。
県民は今の埼玉県の目標値などどうでもいいのです。自分の親を入れられるのか入れられないのか。「県では目標を上回っていますから」と言っても県民は納得しません。
12%の「変えて欲しい」という声がある訳です。であれば変えたほうがいいのではないでしょうか。いかがでしょうか、部長。
(福祉部長)
今、12%の意見を踏まえて基準を変えてはどうかという御意見を頂きました。
私どもは色々な方から様々な御意見を頂き、県の第5期高齢者支援計画において5年間の整備目標を出させて頂きました。
当然、特別養護老人ホームを1つ造れば、相当財政的な負担がかかってきます。確かに中川委員がおっしゃるように、施設の数は多いほうがいい、これは当然の事だろうと思います。そうは言っても、それぞれの財政負担等を考えれば、県も市町村もそうですが、介護保険料に跳ね返って来る分もあるので、それは県として計画の中で目標値を定めて整備を進めていく形でやらせて頂いているところです。ぜひ御理解頂ければと思います。
あともう1点。確かに12%も(変えたほうがよいと)言う人がいるとの事ですが、施設側の大多数の方は今の廊下の幅が必要だとおっしゃっています。それを狭くする事になる訳ですから、慎重に検討すべきだと思います。県としては、そういう点を踏まえて、今回は現状のままの形で出させて頂いたという状況です。
(中川委員)
財政状況も勘案して、と部長はおっしゃいますが、ではどこで予算を削れるのですか。結局施設整備を抑制したいだけではないか、と部長の答弁を聞いていて思いました。以上です。答弁は結構です。
(福祉部長)
予算を削る為ではないかとのお話でしたが、決してそんな事はありません。県・市町村の財政も含めて最大限出来るところを目標として定めさせて頂いて、それを計画に明記して計画的に進めています。その年度の予算状況に応じて整備を行っているので、結果としてそれ以上に出来る事はいいわけです。その事を説明させて頂きます。(以上、社会福祉審議会)
役所が「“総合的”に判断」という言葉を口にする時は、利にかなっていない。当たり前の話だが、総合的に判断したでは説明になっていない。
私から県西部地区の県議に呼びかけ、上田知事に会って、狭山市をはじめ、県西部地区の新生児医療体制の構築について要望。
会派、医師不足対策プロジェクトチーム研修会。
講師:日本医療企画 松本洋氏。
昔は夜間、病院の扉を叩かれれば、医師は何時だろうが扉を開けた。ところがそのような病院を医師の子供が継がれる所もある一方、開業する目的は、総合病院の劣悪な労働環境から脱出する為、新たに“ビル診療”を、バイパス道路に面した所に開業する。夜行っても、住んでいないから、そこには誰もいない。
「年末~年始の間の連絡先は○○市医師会へ」となっていて、救急医の疲弊に拍車をかける。
ちょっとでも気になると、大病院を紹介するので、益々疲弊する。
女性医師の割合、29歳以下は1990年19.4%。
ヨーロッパでは女性医師が5割を超える国はいくつもある。
女性のほうが勉強するが、日本ではM字カーブで、女性が5割にはならない。
大学病院の女性医師の多くは、結婚してないか、子供がいないか。
病院の雇用システムに問題がある。特定の所で深刻。
海外と比較して見ると、医師の規制を日本はしておらず、特に専門医の規制は先進国で一番弱い。
訴訟リスクから皮膚科・精神科が増え、小児科が少なくなった。
アメリカでは優秀でないと、眼科・皮膚科に行けない。
そうなると、地域住民の不足感に拍車をかける。
出産は宿泊で例えばどこかの病院に泊まりでする。
その市の市長が医師を1人確保しようとし、医師が疲弊し、医師がコロコロ変わる。
大学病院は、自分の医局に新人が何年も入って来ない所がいくつもある。供給を多くしても益々細分化されるだけ。
今後、認知症高齢者数に拍車がかかる。地方は高齢者の見守り体制があるが、都市部にはなく、都市部の高齢化が拍車をかかる。
医療と介護の単価を比較すれば、医療のほうが10倍かかる。
医師など年間国家資格取得者数は20万人。ヘルパー含め25万人。一方で1年間の出生数108万人。誰が支えるのか。
ベストは無い。限られた資源をどこに投入するのか。
“地域トリアージ”。医療・介護・保険の連携。
50万人分の死に場所が無い。家族が崩壊しているのに。
集合型の老人施設をつくっていくしかない。あと10年経つとフルサービスが必要になる。介護職員体制整備を。
総合医という定義が無い。
糖尿病患者の1割しか病院にかかっておらず、予備軍は2000万人いる。ガンに匹敵するぐらいの死亡誘因。心血管疾患を起こす危険が約3倍。透析500万人。50歳で糖尿病にかかっても20年生きられるが、財政は破たんする。
埼玉利根医療圏のネットワークが日本の最先端。今年始めて6500人。
自治医大は、医師の勤務先9年間の制限がある。10年目は29.5%。
“医学部新設”について私はお薦めしない。
では、どうするか。
秩父の小鹿野に、新宿国際医療センターから派遣。小鹿野町では急性期医療は困難だが、町民は「1.5次(医療)の病院でいい。秩父に搬送しないでくれ」と言う。
心臓発作が起きた時にカテーテル医療が可能なエリアのドライブアクセス圏。
私からは、今日の社会福祉審議会で私が質問した介護施設需要・供給の長期計画作成の必要性についてや、コンパクトシティについて質問させて頂きました。先生からの回答は、
成功した世界が60年も続くと、既得権益だらけになる。
医師が専門化・細分化し過ぎている。医療に大切なのは、コミュニケーション能力だが、専門医に大切なのはペーパー試験・研究論文で、関係ない(以上)。
『のぼうの城』の映画会社の方と会合。県・県議としてのPR。
夜は政治評論家主催勉強会(都内)。
民主党国会議員と会合。