2014年7月31日の活動

被災地視察④
◆岩手県陸前高田市
 津波対策の為、山からベルトコンベアで土を運び、市街地を盛り土・かさ上げしている現地を視察。


山から土を運ぶベルトコンベアの右に『奇跡の一本松』が見える(岩手県陸前高田市)。
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岩手県陸前高田市。ベルトコンベアで土を運び、市街地をかさ上げする。
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ベルトコンベアの長さが圧巻でした。 
 かさ上げした後、どのくらいの人が住むのでしょうか。(短い時間しかいられなかったので、お話は伺えませんでした)

被災地の巨大盛り土工事いよいよ 安全性に不安も』朝日新聞(映像)7月10日

この他、今回被災地で伺った話。
 「被災地では、強姦が増えている。非常時には生殖能力高まる。衣食住のバランスが悪い。
 福島は、原発事故があるので、宮城より複雑。
 震災後、山形県に移住された方は、経済的に大変。産業の衰えが前からある地域なのに、雇用の問題。
 京都府での被災者の受け入れは、仕事があるので、安定している。
 2次避難では保障は出ない。生活保護では足らない。
 50、60代の仕事は、土木・水道の技術職以外には無い。復興の公共事業が終わったらどうなるか」。

今回の被災地の車での移動距離は430kmでした。

埼玉に戻り、県議と意見交換。
新聞記者と意見交換。
浦和での集団的自衛権反対デモに参加(県庁から浦和駅まで)。


県庁から、埼玉弁護士会主催『集団的自衛権行使反対』デモが始まりました。

浦和駅まで。
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埼玉弁護士会長をはじめ弁護士の方々と意見交換。

 

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なかにし礼氏の講演会へ。
(はじめに各専門家からのビデオメッセージ)
・日本の役割は、紛争の根本解決。
・経済同友会国際開発センター会長。閣議決定を国民の運動が押し戻したら、中国から見た、アメリカから見た日本の目が変わる。
・平和は、人権。
菊地 埼玉弁護士会副会長「内閣法1条で、国民主権にのっとり、内閣は立憲民主主義の枠内で行う事を定めている」。

青井美帆氏(学習院大学教授)
 漠然とした脅威・抑止力という言葉が私達の心の中に、段々と入って来ているのではないか。
 抑止に限界・限定は無い。アンリアル。
 安倍さんのフリップ。赤ちゃんを抱いた日本人と、善良そうな米国人。
 危ないじゃないかと言う空気に、私達は気を付けなければならない。
 政治がやってはいけない事・出来ない事がある。これが立憲主義。
 国家権力とは、やってはいけないものをやってしまう所。正当性を生ませない事が私達が出来る事。
 閣議決定のおかしさ。何重にも違憲。
 内閣の職権・任務ではない。無いものを作り出した。
 宣戦布告・講和の権限が無くなった。
 国際法上の常識として、武力行使は使えない。
 各国の防衛力は小さいはず。
 石破が言うネガリスト「やってはいけない事以外は何でも出来るのが軍隊」。
 戦争は政府がはじめ、終える。しかし、弾となり、盾となるのは、人。
 国家が無くて、あなた方の命が守れるのか。危機が無い。危なくないと、論証できるのか。という論証のスタイルに持っていかれるのが、危ない。
 戦争の惨禍を引き起こすのは、国家。
 身の周りの人が亡くなる事の思考を遊離させてはいけない。国家ではなく、人が死ぬ。
 だまされたと言っているだけでは許されない。
 今の安倍政権「仕方がない」という雰囲気が仮にあるとすれば、「騙されている状態ではない。正当性をうまさない為に、おかしいという事をあげないと法になってしまう。
 安倍の「守り抜く」には違和感。
 国会議員が憲法を守ろうと思っていない。政治家の中にその精神が生きていなければ、憲法ではない。
 国会議員の心の中にある憲法と違うのではないか。立憲主義に反していると言ってもダメ。
 憲法の主権在民は、今は考え直さなければ。安倍さんは「選挙で選ばれた」と言っている。主権者は直接行動出来ないが、国会議員は暇だからやっている。49対51で、49は死に票になってしまう。

なかにし礼氏講演。(以下、講演内容)
 3月に『天皇と日本国憲法』を出版。
 毎日新聞夕刊で、詩『平和の申し子たちへ』を発表(本人が会場で朗読)。
 反響が大きいという事は、国民の間で気持ちがありながら、中々言葉が見つからず、私の言葉が合致したという事ではないかと思う。
 私は昭和13年、旧満州 牡丹江生まれ。昭和20年8月9日、ソ連機が爆弾投下。
 日本への引き揚げは、まず軍人家族・軍人・満鉄関係者。そのような人達は、その後、駅から離れた所から汽車に乗るようになった。牡丹江駅前は阿鼻叫喚の渦。
 大体、戦争が起きて、兵隊が逃げるって変でしょ。
 関東軍の99%は逃げた。満州第5軍のみ戦った。
 『泣く子も黙る70万関東軍』と言うのは、全くのウソ。
 撤退した関東軍は、少年兵を送り込み、木で出来た鉄砲のようなものを持たされているのを、ソ連軍から見ても分かった。著書『15才の少年の夏』で書いた。
 少年達の汽車の窓は、ブラインドを下ろされ、逃げていく大人達を見ず、戦場で3方向から重装備の軍隊に殺されていく。
 これが戦争の真実。
 自民党幹事長は「国を守るのが軍隊」と言っているが、国民を守らなかった歴史があった事を反省すべき。
列車はソ連機の機銃掃射で狙われ、私の目の前30㎝の人が亡くなっていった。
 母は僕(6才)に謝った。「これからこういう事が何回もあるだろうから、母親の言う事も聞いてはいけない。自分の意志で逃げ、生きようとしなさい」。
 中国残留孤児は大体、僕の年齢が多い。
 関東軍は逃げており、力のある子は軍隊に引っ張られ、残っているのは、お年寄りと子供だけ。目の前で、中国人に渡される子供は何人もいた。幅100mの川を渡れない子供は置いて行かれた。
 中国大使だった丹羽宇一郎さんの著書『中国の大問題』。丹羽さんは、残留孤児を中国人が育てた記念碑を作り、育てた中国人が見付かれば感謝状を捧げに行った。(『駐中国大使、残留孤児の養父母に感謝状』2011年6月3日中国新聞)
 中国の事を悪く言う人がいるが、はたして日本人が中国人を預かって、育てるだろうか?
 厚労省 満州引き揚げ援護局。引き揚げ事業とは書いていない。援護局の書類に、「海外居留民は、帰って来られると思う。近来日本は大飢饉なので、生きるも死ぬも勝手に」と書かれてあった。これが今の政治家は分かるか?
 日本は引き揚げ事業を始めなかった。かつての日本はすごく冷たかったのだと、戦争と言うのはそういう事もしてしまうのだと、忘れないで。
 そういう事をしたらやっていけないと言って。国家は何でも出来る。
 高学歴の学生は、後々の日本の為に残さなきゃいけないのに、出陣。日本男児の本懐だとか言って。しかし、飛行機もガソリンも無い。あったのは、布製の練習機、赤とんぼ。
 戦争は人間の精神を破壊する。
 司馬遼太郎さんは陸軍 戦車隊で上官に質問「進軍した時、自国の民がいたらどうするか?」上官「踏み潰して進め」。
 戦意高揚映画 木下恵介『陸軍』「お前の息子の1人や2人が死んだからって、どうって事は無い」。
 国民投票18才に下げたが、とんでもない。甘い考えは捨てて。
 警察予備隊から自衛隊になって、7千人退職。
 徴兵制の準備の為の、年齢引き下げ。
 清沢洌『暗黒日記』。
 国は何かをしようとする時、臨戦態勢にする。
 我々は騙され切ってはいないので、だまされないままに行きましょう。
 司馬遼太郎『この国のかたち』。「そこに不定形の物が横たわっている。自らの力ではもはや人里には出られそうにない。異胎は声を発した。
 歴史は一個の人格として見られなくもない。
 統帥権を参謀が所有していると思い始めた。
 参謀本部は国民を統治する事が出来るという。現にそのようにした。
 統帥機関が日本国をつぶした。
 日本史は独裁者に強い反発を持った歴史がある」。
 まさに現政権、文中の統帥機関を、安倍政権と置き換えられる。
 僕は皆さんの前で、憲法を守ろう、平和を大事にと言わなければならなくなるなど、思ってもみなかった。悲しい。
 支持率を下げよう。支持率が下がれば、次の内閣では、やれなくなる。彼らを震え上がらせようではありませんか。支持率を下げましょう。それだけ。
 戦争体験者が、戦争の恐ろしさは言葉で言い伝え切れず、どうしても伝えようがない。
 平和の申し子は飢えも知らないが、戦争をしながら、交易をするのは、あり得ない。飢える。
 日本中を弱虫だらけに。思いやりのある国に。そうなれば、国そのものが変わる。
 棄民(国家が国民を見捨てる事)は起こり得る。福島原発もそう。核廃棄物も「最後は金目でしょ」と発言しても、大臣を辞めなくて済むこの国は異常。民主党政権時代には、大臣が福島原発から帰って来て「移しちゃうぞ」と言ったその日に首だったが。
 だったら原発やめちゃえばいい。
 国は国民を捨てている。商売の為、外国の為に。
 戦前、軍隊が国体を守ると言った。天皇を拉致しておいて。彼らの論理がある。それと似たような事がある。
 自民党の憲法草案で、天皇陛下を元首にする、「基本的人権は認める」と書かれているが、基本的人権は憲法では、おかされてはいけないもの。政府は、我々があきれるのを待っている。国は、我々のもので、彼ら政府は事務員にすぎない。最高責任者は我々。論理矛盾は何もない。
 菅官房長官は「国民が臆病なのがいけない」と言ったが、臆病こそ、最高。
(以上)