2015年12月5日の活動

事務所。
市民相談。
さやま市民大学。
 学校支援ボランティアの方々にお話を伺う。

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 さやま市民大学。まちづくり担い手養成講座、成果発表会(以下)。
狭山市の高齢化率、平成33年31.7%。
 狭山市は国・県の2倍以上のスピードで高齢化が進んでいる。
 健康寿命、1位は静岡県。お茶の効能だとHPに書かれている。
 脳卒中のリスクは、喫煙で高まる。静岡県では禁煙を企業に呼びかけ、表彰している。

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 『首都圏自治体で人口減少をどうとらえるか』講演、首都大学東京 山下祐介 准教授(以下)。

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 「『埼玉より東京の仕事のほうが上だ』と言う序列意識があり、地方に人は流れない。『都落ち』。無理にでも大都市に居続けようとする。地方に仕事はある。地方に無い仕事は『威信の高い』仕事。ミスマッチ。地方に仕事を作っても、その威信が高まらない限りダメ。皇居の周りにある物が1番上、その下に政令指定都市。脅しのような形で市町村合併が行われた。威張って、国の意向に沿おうとする。この威信は国が与えて来た。この仕組みを変えないと、どうしようも無い。若い人「地方に居ても、バカにされるだけ」就学・終業時の若者の移動を方向付ける。東京に本社を置くのは序列に従っている。マンションの1室に本社があったりする。
 2010年代に地方の限界集落から昭和1ケタが抜け始める。高齢者世代ほど威信の低い仕事をしている。行政がその仕事にセーフティー・ネットを張るが、引っかかりたくないから若い人は避ける。仕事づくりではなくて、それが無いと社会が成り立たない仕事の威信を上げる事。
 中央集権国家から、自立を伴う地方分権国家への移行を必ず進めなければならない。自立を強要し過ぎるのも、霞ヶ関の論理。東京が稼いでいるような意識になるが、首都圏も地方に依存している。産業も低次産業が豊かで初めて高次産業は発展可能。明らかに、失政。成長優先から持続優先へ。『財は人を呼ぶ』は間違い。 
 明治維新の頃は、東京がえらい訳では無かった。戦後の教育の現場の中でそれが生まれ、2000年以降新自由主義が実行され、非正規雇用も生まれ、序列は益々強まる
 価値は以外にコロッと変わる。20代前後あたりの教育が大事。就職する直前に学んだ事が非常に重要。農業へのあこがれは、小中学校のお陰。2000年代以降、ゆとり教育で地域教育が入って変わって来た。地元愛。
 東北は東京に吸われるが、西日本は違う。島根県民は広島に通う。埼玉は行き来をしているが。家族・地域の絆を、税金やNPOで全部やろうとするのは、難しい。
 政治家が論理を通す事。これまで選挙でこう言って来たから、今更変えられないではなく。行政と市民が負担し合う。

【『子育て支援』を私達は間違えていないだろうか】
 東京一極集中が『人口減少』を引き起こす。出生率が低い首都圏に、出生を控えた若い世代が集まり過ぎ。人間関係を弱め、行政・市場サービスへの依存が強まり、本来持っているはずの人間の自己再生能力を減退させる。
 経済力と子育て力は、相反する。結婚・出産や子育ては経済で行うものでなく、人間関係、家族や地域で行うもの。専業主婦は、子育て力を確保している。仕事が増えても、子供の数は増えない。
 経済・保育所の問題より、心理・社会的問題が大きい。「大学を出て、そんな仕事は出来ない」という敬遠。高学歴化が進み「地方・農村を知らない」。
 雇用を企業が嫌がるのが最大の問題。人を労働力として考え過ぎ。人間として扱う事をどう考えるのか。一面で考え過ぎ。戦国時代には、田舎に人を配置し、領土を守った。国民全体が1つの集落なら、どうするのか。首都圏への集中・国の権限の集中を止める事。都市と地方の社会のハイブリッドを。ふるさと回帰、地方移住、定住対策を。経済重視から、暮らし重視へ。スケールメリット・効率主義から、スモールメリットへ。国民の社会への主体的参加・共同形成の促進を
 本来、日本は共同体主義・他者志向。後進世代へ向けた自己犠牲(先達主義)。
 CCRCは、移住者主導ではなく、受け入れ側主導で進めなくては。中央政府は事業さえ成立すれば失敗しても構わない?
 『地方創生』は「全ての町は救えない」“経済重視”という発想に引きずり込むマインドコントロールが隠れている。中央資本による地方侵略が、国家政策を通じて貫徹して行く?地方創生が地方蔑視につながらない保障はない。『増田レポート』は民間有識者との形態を取っているが、恐らく霞が関のタスクフォースが出したもの。政策を進めやすい下地を作ろうとしたのは明らか。コンパクトシティ、市町村合併、選択と集中」。

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【学校統廃合の悪循環】

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 政府に先駆けて、地方がやってしまっている。「人数が多い学校で育てておかないと、最後は都市に行かなければならないから、捨てられるのでは」という親の不安。インフラの撤退が地域解消を余儀なくされる。そこら辺を議論しないで、人口の大きい地域だけが生き残る。大きい集団に入っていないと危ないという心理。不安の悪循環が、地方消滅をもたらす。
 財政問題より、心理的な要因に基づく。学校は教育問題であって、地域問題ではない。
 排除の論理から、依存が生まれ、上意下達になる。排除ではなく包摂・支え合い(インクルージョン)へ。
(以上。12月5日浦和にて。講師の山下先生と、武蔵浦和駅まで歩きながらお話を個人的に伺わせて頂き、帰りに先生の著書を本屋で2冊購入)

市民相談。介護。