2017年8月18日の活動

今発売中のニューズウィークで『先進国陥落は間近 戦後幻想の終えん』のページは、高齢少子化している中で行わなければならない日本の『生産性』向上の方法が間違っていると書かれ、問題意識を持てます。

 

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全国政策研究集会(新潟市)

神野直彦 東大名誉教授・日本社会事業大学学長
「世界は今どうして憎しみにあふれているか?戦争が起きてから『私は戦争に反対していた』と言っても、状況を理解をしていた事にならない。戦後責任を考えるのではなく、戦前責任を考えなければ。トランプが大統領に押し上げられたのは『このままでは白人中心社会が失われる』と思ったから。原因はコミュニティの崩壊。人間との結びつきが弱くなったという根源的な不安。断りもなく生まれて来て、必ず死ぬ不安があり、人間はコミュニティで不安を取ろうとして来た。クライシスとは、破局か好天かの分かれ道。
 現金給付による国の『所得再分配』は限界で、地方自治も担う。現物給付は地方自治体しか出来ない。
 人間は人口ではない。人口が爆発的に増えたのは、工業化したから。人口減少は悲観する事ではない。サービス産業にシフトしなければならないのに、前の時代の勝利者の日本はまだ変えようとしない。量から質に、知恵で転換しなければ。無理に曲げる盆栽教育でなく、やり直しのきく教育、医療・環境、共同作業による社会資本の培養を。
 家族とは、食事を同じくするもの。ローマの奴隷にも、家族で食事する権利は認められていたが、日本は危うい。家族で食事をしてるかどうかに、子供の学力は比例している。
 民主主義への不信感・幻滅が、他者・環境への関心を失わせる。日本はG7で最悪。環境が破壊された所で育てば、環境を育めない。社会保障予算が多くても、経済成長との関係は無いが、格差は解消出来る。生活保護に手厚くすると、格差は拡大する。
 スウェーデンでは『分かち合い』に、福祉だけでなく、教育・医療も含む大衆社会サービス。国の社会保障は独・仏に劣るが、地方自治体の社会保障が手厚く、ドイツをスウェーデンは上回っている。
 『公』というのは、誰も排除してはいけないという事。日本は、保険があって、介護無しになっている。
 著書『分かち合いの経済学』は日本では売れず、韓国ではバカ売れ。
 フランス・ストラスブルグのように、車で通られるより、街は歩かれたほうが経済効果がある。
 日本は、バブル時代より電力使用は3割増えている。大事な所にお金が回っていない。
 発展途上国と日本だけが、一極集中になる。欠点を伸ばすのは、人並みになるだけなので、良くない。良いところを伸ばさないと」。

 

新潟県知事 米山隆一さん
「地方として『所得再分配』を担って行きたい。雇用政策で県が出来る事は限られ、『官製〇〇』は大抵失敗するので、クールジャパンは好きになれない。
 『原発が無いと経済は回らない』というのは疑問だった。新潟日報の特集はいい特集だった。柏崎刈羽原発が出来る前のほうが地域に力があったと思う。幻想との決別、原発もその1つ。送電線網の改革を国政でやらないと、自然エネルギーは接続出来ないので厳しい。
 分かっている市民が地域を作って行き、行政がそれを活かさないと。コミュニティを再構築したい。SNSも活かしながら」。

新潟県知事 米山隆一さん

 

おらって新潟市民エネルギー株式会社 佐々木寛さん
「エネルギーは今、太陽“熱”の時代。デンマークでは、大型の太陽熱発電設備があり(写真)、エネルギーに6割活用出来ており、地域の暖房・お風呂・温水プールを沸かす。新潟でもこのような取り組みをやって行きたい。
 東日本大震災は『第2の敗戦』『文明災』。
 市民団体でシンポジウムを行うと行政職員が受付を自らやってくれる。そのように半歩・1歩前に出て欲しい」。

「東日本大震災は『第2の敗戦』『文明災』」の説明資料

 

福島原発震災情報連絡センター
「新潟県が独自に原発の検証を行っているお陰で、マニュアル違反が分かったりしている。

講演終了後、新潟県知事に挨拶。

 

新潟県立大学 小池由佳 准教授
「子供の出生率が減少しているのに、虐待が減らないのが疑問。『寝ている時に親に叩かれるかも。寝ている間に親がいなくなるかも』。72人の子供が1年で亡くなっている(虐待・心中。全国H27年)。子供が、住み慣れた地域で普通に暮らすのが難しくなっている。
 (私からの質問の回答)里親の率で新潟が全国で一番高かったのは、児童施設が少なく、里親にお願いするしかなかったから。新潟市は全国1位を福岡市に明け渡した。
 国民の平均所得547万円、子育て世帯は707万円。
 子供が毎日朝食を食べるのは90.1%(新潟県)」。
 兵庫県内の市では基金を作り、学校区ごとにこども食堂を設置・運営する計画。県も応援。新潟県も今後、設立時に補助金を出す予定との事。

 

講演終了後、新潟市内のこども食堂代表の方、自立援助ホーム施設長の方、高齢者施設で虐待児を受け入れる医師の方にお話を伺う。
筑紫野市議と意見交換。児童虐待対策。
新潟市議2人と意見交換。『里親支援員』を増やそうと提案しているとの事。
千葉県議3人と意見交換。米軍基地問題。
高松市議・千曲市議と意見交換。脱原発。
明石市議と意見交換。中核市での児童相談所設立。
久喜市議と意見交換。ごみ減量と県としての広域行政。
尼崎市議と意見交換。阪神大震災。
泉大津市議と意見交換。労働争議について。
高砂市・静岡市・鏡野町議と会合。新潟のBRT。政党の問題点。
(11時に新潟市内ホテル着)