2020年2月4日の活動

 

【千葉市長が語る『災害』の教訓】
「千葉市は、これまで風水害の無かった地域で、備えがまだまだだった。
 昨年は、台風15・19号、集中豪雨と3回の被害。
 大規模停電93万戸は、北海道に比べ少なかったが、2週間と長時間続いたのは、過去に無い。2年前の酷暑よりも多い熱中症53人。井戸水や集合住宅で生活している世帯の断水。停電2日目の夕方、通信途絶―携帯基地局の予備電源切れで、市街地であっても119番通報出来ない。職員を電波の届かない所に行かせて、届く所に戻って連絡。町ごと通話出来ない所も。
 電力会社は情報が集まらなかったが、市民のツイッターにより、どこで停電・倒木かの情報が集まって来た。電力会社からの連絡では、停電が大規模なのかさえ分からなかった。災害時の為にも、普段からツイッターの交流が必要(10万人登録)。千葉県庁はツイッターが無かった。
 近隣自治体の連携。「県庁が機能しなかった」と報道されたが、実際、県庁を介すとすぐ連携出来ないので、他市町村との直のネットワークが、発災後2週間くらいまで重要。それぞれの市町村で保健師・物資・職員が足りない部分を派遣。それにより、災害経験が貯まっていき、職員が自分達の街で機能的になっていく。
 北海道の“ブラックアウト”の経験で、電源の確保が重要で、EV車などにより命に関わる所の電源に。イオンは連絡後4時間後に“移動販売車”での販売開始。「あさってには復旧」と電力会社幹部が11・12日に言ったが、私はそれを否定。
 災害対策会議を行うと決めても2・3時間後になるので、幹部のライン・グループが災害時、役に立った。ラインでなくてもいいが。
 屋根が吹き飛び、ブルーシートを張らないと家がダメになるが、人手不足で張れなかったので、国交省に依頼。消防と職人のセットの部隊が有効で、消防にブルーシートを張る研修を行った。
 被害認定。液状化でわずかな傾きでも気持ちが悪くなるので、全壊の認定に。
 台風19号では他県支援を行った。
 集中豪雨が10月25日に発生。死者3人。土砂災害警戒区域指定地域の全国平均は88%で、県が指定してくれないと出来ない。住民理解が得られず、指定が遅れていた。ハザードマップで具体的に書かなければならない。1年半くらいで100%に持っていきたい。
 教訓。電力が4日以上 途切れると何も出来なくなるので、太陽光・蓄電池を全ての公民館・学校に令和4年度末までに導入。設置費は民間資金で、電力を買う。公民館は、学校に比べ避難所としての快適性が高い。車中泊での生活は、積極的に許容していい。
 EV車を持つ企業・市民と協定。電力が無い所へ🚕動かす。家庭のEV車購入補助制度を新たに作った。
 電線にかかった倒木は電力会社の業務だったが、感電のリスクが無い所やリスクが無くなったら、市職員が行う事に。民地の木を市が伐採する権限も。
 不動産業界では、これまで土砂災害しか『説明義務』が無く、ハザードマップによる説明を、宅建協会と首都圏で初めて今日、協定締結。
 集合住宅には、非常用給水栓があるが、管理組合が設置していなかったり、使い方を知らない。
 市長が“自衛隊派遣”を要請し、現地の自衛隊指揮官が判断し、事後の評価で出来るようにして欲しい。知事と新任の市長は、携帯番号を必ず交換すべき。
 避難所運営を市職員がやる事を出来る限り、避けたほうがいい。東日本大震災では、住民が避難所を運営するのが機能していた。電話が通じない地域への情報伝達をボランティアが出来るようなシステム作りが必要。
 鹿児島市を見て、富士山の火山対策も既にやっている」。
 ≪私から質問≫「千葉市で土砂災害が起きた事による対策は?」
 ≪千葉市長 熊谷俊人≫「『ミニ開発』など、市では止められない所があるが、国は『5戸以上』という規定があるが、4戸以下でも対応する。今の時代、2・3戸しかない所の擁壁を作る必要があるかという議論もあるので、移転への支援もしていきたい」。
 ≪前 新潟市長 篠田昭≫「『新潟地震』が風化して、”安全神話”が生まれた。『神戸は地震が無い』と神戸では言っていたが、地震被害は過去あった。“免震重要棟”の整備を、地元からもっと東電に求めるべきだった。熊本市の住民は地震前『地震保険が熊本は1番安い』と自慢していた。
 市町村と県庁は言う事が違い、話が通らず、岡山県 総社市長は仲間だったから、新潟市が職員を派遣した。
 新潟では、学校長が避難所の権限を強く持っていた。
 埼玉・大宮台地が災害の前線基地になるが、埼玉には空港・港が無いので、新潟が救援物資を送る拠点になる」。
《講演終了後、私から質問》避難所でなく、車中泊について
千葉市長「避難所での ざこ寝は、時代に合わなくなって来ていて、団塊世代以上の年令の方の避難所生活が難しい。
 防災は、反省に優るものはない」。
 細田県議(戸田市)・平松県議(新座市)も出席。

 

添付資料2枚は、千葉市長作成。