2014年7月17日の活動

【解釈改憲の違憲訴訟】を起こす事を目指し、三重県松阪市長が呼びかけ人で、ピースウイング『議員の会』を旗揚げすると昨夜知り、日帰りで三重県松坂市へ。
記者会見の動画

17日に発足会見を予定している「ピースウイング議員の会」設立に向けた動きを報じる中日新聞(右)と、
地元の夕刊三重(左)。

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山中 松坂市長の話。(以下)
 憲法裁判が目的ではないが、目指す。ドイツのように日本に憲法裁判所がある訳ではないが。
 行政機関としての不作為。司法の場で議論する。
 多数派をけん制する為に、三権分立がある。
 愚かな為政者をストップさせる。
 市長として、呼びかけ活動をする。また市民運動は、原告団の1市民として活動する。
 市民運動のスタートは、8月1日に市民集会を午後7時から松阪市の松阪商工会議所で行う。平和主義を徹底して守ろうというのが原点。立憲主義と集団的自衛権の問題点を議論する場。みんなで声をかけていく。今日は発足のスタート。市民というのは英語でいうシチズンであって、松坂市民というのでなく、国民。
 賛同する1万通以上のメールを頂いている。他の意見も頂いている。割合は8:2くらい。海外の日本人からも。
 宝塚市長なども賛同して頂いている。
 日本が必ず守っていかなければならない前文の理念。9条、13条幸福追求権、99条。行政行為として、改憲出来るのか。
 憲法学者と意見交換していて、集団的自衛権には賛成だが、やり方に反対の方もいる。
 抑止力を付ける為を理由に、範疇を超えている。あり得ない。
 (記者からの質問:丁寧な議論をすれば、憲法改正に賛成か?)私の考えでは、憲法を改正する必要は全くない。特に、集団的自衛権の改正の必要性における危険性を感じる。
 私達は虹色なので何の色にも染まらない。来るものは拒まない。
 議員の賛同者40人、今日の出席者12人。
 民主党・みんなの党など野党が、国民の想いであるNOを突き付けられず、受け皿になっていない。今日集まった議員の方々も、議会で多数派になろうというのではなく、市民運動的にやっていこうとされていると思う。
 (以上)


解釈改憲の違憲訴訟を起こすべく、三重県松阪市長の呼びかけで、全国議員の会『ピースウイング』が設立。
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<松坂市長 記者会見>
 この運動は政治活動でもなければ首長や議員だけがする運動ではありません。
 松阪市民と日本国民の全ての人と、ピースウイングと言う団体を立ち上げる事によって、もともと半世紀以上守って来た平和の原点に対する思いを、翼を持って届けて行く、そしてさわやかな平和の風を次の世代へ日本国中へ世界へと広げて行く誓いとします。
 左翼でも右翼でもない、そして様々な議論にも染まらない、虹色を模した平和の翼を多くの方々に届けて行きたい。
 そのような思いで、市民活動として、市民運動としてスタートします。
 安倍内閣は集団的自衛権を閣議決定しました。
 個別的自衛権と集団的自衛権は大きな違いがあります。
 集団的自衛権を承認していくプロセスにおいて、「武力による抑止による平和」と言う言葉が使われ続けています。
 かつて、武力により平和が保たれた歴史があったでしょうか。
 これまで、自衛のため平和維持のための武力という論理に基づいて平和維持活動が行われて来たのではなくて、戦争という手段を持って、多くの侵略戦争と結果として判断されるものが、自衛という言葉の元に行われて来ました。
 日本は戦後、憲法9条の徹底した平和主義に基づく国家の形成、そして平和主義を貫く事で現実的な外交交渉と、外交手段を用いる事によって国家としての安全を守り、武力による抑止ではなくて、徹底した平和主義による抑止と言うものを貫いて来ました。
 それが、日本としての誇りであり、次の世代に引き継いでいく誇りでもありました。
 今回の集団的自衛権という論理においては、他国、同盟国、又は密接な関係にある国家が、自衛という正当性に基づいて実質的な戦争を行った時には、日本という国家が加担が出来るこのようなレトリックを使う事が可能となります。
 個別的自衛権の範囲においては、日本と言う国家の自衛と言う論理に基づいて自国を防衛する為の武力の行使、自衛権の行使が行われますが、集団的自衛権では、他国の自衛の正当性に基づいた武力行使が将来に渡って可能となります。
 集団的自衛権に賛同する論理には二つあります。
 1つは、一国平和主義ではダメだ、積極的な国際貢献活動をすべきではないか、日本も一国だけ平和であってはいけない、私もそう思います。
 日本は平和国家として、国際社会に対して、戦争や内戦が起こった国に対して、平和外交、平和主義の恩恵を外交上貢献していく事は日本の能力として可能です。
 集団的自衛権と言う、自衛と言う論拠、同盟国と戦争が出来るという権利を使って国際貢献活動を行うと言う事は、日本の国家として決して適切ではありません。
 積極的平和主義を用いるのであれば、人道的支援もあれば、国連や国際機関の枠組みを通じての、自衛隊との連動による国際貢献活動も可能です。
 日本はアメリカと同盟国を結んでいます。
 アメリカは数十年に渡って、自衛権という論理を使った中で、直近においてはイラク戦争で、大量破壊兵器を持っているという推測に基づいて先制的自衛権という論拠に基づいて、国連、国際社会の理解が得られないままに、侵略行為をイラクに行いました。
 日本はそこに国際社会としてではなく、同盟国として関与しました。
これは、非常に恥ずべき行為でした。
 アメリカの行為自体が、アメリカ国内でも国際社会でも、決して認められたものではありませんでした。
 湾岸戦争の時には、国連の平和維持活動として、国際社会のオーソライズを経て安保理678決議に基づいて、多国籍軍が用いられました。
 これは国連の平和維持活動でもあり、国際貢献活動の一環でもありました。
 それとは違い、アメリカ単独による武力行使は、多くの自衛権と言うレトリックによってもたらされて来たという歴史があります。
 日本の第二次世界大戦までの歴史を振り返っても、世界全体の歴史を振り返っても、侵略を行うと言う論理を使って戦争を行うという事は、歴史上ほとんどありません。
 各国が自国の安全を守る為、自衛と言う論拠を用いて、これまで戦争が行われ、多くの国民の当たり前の幸せが失われ、多くの国家が疲弊して行きました。
 私もアフリカに医療活動、又は戦争の跡地に置いて、様々な個人支援活動を行ってまいりました。
 アフリカにおいて、人種差別が行われる、飢餓が起こる、戦争の跡地において多くの苦しみが生まれる。
 愚かな為政者が、一度国民の当たり前の幸せを壊してしまった後においては、現場において当たり前の幸せを取り戻すのがどれだけ難しいのか、強く痛感をしてまいりました。
 だからこそ、今日本において、愚かな為政者が集団的自衛権と言う新たな検討が出来る論理を打ち立てる事によって、当たり前の日本国が守って来た、当たり前の市民1人1人の幸せが、壊されてしまう。
 そのような事を国民全体で、市民みんなで守って行かなければいけない。
 今がその分水嶺だと思っております。
 私達は今回の集団的自衛権を認める閣議決定は、一内閣における暴挙であり、憲法違反、国民の平和的生存権が害される、1人1人の当たり前の幸せが害される、そして、未来に生きる子供達の当たり前の幸せが害される、その事によって生まれる不利益を享受する事をしっかりと拒否する為にも、今回の安倍内閣総理大臣が閣議決定の中で決めて行ったプロセスに対して、NOを突き付けなければいけない。
 私達、今日集まった同志においては、しっかりと次の世代に対して平和への翼を届けて行きたい。
 このような思いを持っています。
 日本国憲法が9条を半世紀以上に渡って守って来たこの歴史の中で、1人の愚かな為政者、一つの愚かな政権によって、これまで当たり前の幸せを守って来た1人1人の国民の努力、歴史の中で培って来た経験、これから次の世代が当たり前の幸せを享受しようとするその思いを、台無しにする事は出来ません。
 だからこそ、私達は集団提訴というのを視野に置いて、安倍内閣が行った行政行為に対して、また今後、法律を立法機関として国会がですね、憲法違反の法律形成を行って行くのならば、国家賠償請求を平和的生存権に基づいた形で行って行きます。
 平和的生存権は、私達国民と次の世代が当たり前に教授をする幸せの原点としてしっかりと受け止められる、必要不可欠な権利だと思っています。
 今、多数派の中で構成された政治が立憲主義を守れないのであるならば、私達市民運動の中で、しっかりと、この平和国家の原点を守らなければならない。
 そして、司法の場において、今の一内閣総理大臣でしかない、また、閣議と言う行政機関の一つの役割でしかない、憲法の中での一組織でしかないものが、これまで憲法違反だとしっかりと公的に認められてきた、そして、戦争に向かって行くと言うこれまでの歴史を冒涜する、国家としての歴史を冒涜する判断をした安倍政権に、司法の場を通じてしっかりとNOを国民全体で突きつけて行かなければいけないと、思っています。
 ピースウィングの運動は、まず松阪地域に置いてしっかりと平和におけるスタートを切らせて頂きたいと思っております。
 この運動は松阪地域を発信にして、今日全国各地から来て頂いておりますが、各地域にピースウィングの輪をしっかりと広げて行きたい、次の世代につないでいきたい。
 あくまで、集団提訴は一つの手段でしかありません。
集団的自衛権が国家の方向性として作られることによって、日本国の平和主義の原点が侵されるこの怖れ、そして、当たり前の幸せが愚かな為政者によって壊されてしまう、それを、壊されてしまう前に防ぐ事の重要性を多くの国民が認識をする中で、ピースウイング運動を全国に広げて行きたい。
 一度当たり前の幸せが壊されてしまえば、現場で、または政治を使っても、それを取り戻すのは本当に難しいです。
 だからこそ、今壊されてしまう前に、当たり前の幸せが壊されてしまう前に、市民みんなで、国民みんなで、この平和国家日本を守っていく事が、何より大事だと思っています。
 このピースウィングの運動、徹底した平和主義による平和は、決して理想主義ではありません。
 現実的、戦略的な、非常に有効な国家としての手段であると思っています。
 日本が平和国家として世界に誇れる、次の世代に誇れる国になるために、このピースウイングの運動を虹色の翼で羽ばたいて、平和の風を次の世代に届けて行きたいと思います。
 ご協力よろしくお願いします。(以上)

会終了後、松坂市長、松坂市議3人・岡崎市議と意見交換。
会場を出たら、本居宣長記念館が近くにあると書かれていたので、寄ってみました。
 記念館に、200年前、本居宣長が書き写した関東の地図があり、どこの地名が書かれているか気になりました。


本居宣長が書き写した埼玉の地図。川越・岩付(岩槻)の他、のぼうの城の”忍”が見える。
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 また、23才で戦死した詩人 竹内浩三さんの詩を読ませて頂きました。『日本が見えない』、『骨のうたう』は、今読んだほうがいい詩だと思いました。
 松坂市は、城跡の周辺に武家屋敷など昔の建物が多く残っており、散策するのに楽しい所だと思います。
松阪市歴史民俗資料館にも寄らせて頂きました。御城番屋敷は民間会社が所有していて、つらなっている家の1つを市が借りて見学でき、あとの家は人が住んでいました。(狭山で食べ物を買って行ったので、松坂牛は食べていませんよ(^^))
 三重に行くのに、名古屋からの往復で、名鉄・JR両方に乗りましたが、1本電車を待っても、名鉄のほうがいいと思いました。

憲法CAFÉ『ちょっと待って!「集団自衛権」って何?』(世田谷・下北沢)。

世田谷・下北沢で『憲法CAFE ちょっと待って!「集団自衛権」ってなに?』が始まりました。
 まず、弁護士からの講演。
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 今年1月から毎月、憲法カフェが行われている。今日は幼児連れが20人くらいいます。
弁護士からの講演。(以下)
 国際法は、何が違法で、合法なのか示してくれるので、有効。
 自衛戦争は、国際法上、違法で出来ない。しかし、国際法は違反を罰せられない。
 国連憲章第51・41条で、日本の“自衛隊”の事は規定されている。
 「9条を変えて普通の国に」と言う人がいるが、190か国が国連憲章を批准している、こちらのほうがグローバル・スタンダード。
 9条を変えても、違法。
 憲法は、この国の形・人間論・哲学を発信する側面がある。9条で一目瞭然。
 9条には自衛権と書かれていない。
 憲法に書いていなくても、禁止している目的があり、それが解釈。
 第13条、憲法の根幹をなす条文の1つ。国民の安全を守る義務から、個別的自衛権は認められる。
 日本国外・領域外の自衛権は、法的・憲法上行使できない。集団安全保障・集団的自衛権を想定してないと読むべきで、行使できない。
 国際貢献のうち、PKOは安保理決議。①PKO法、②停戦合意がある。当事国の合意。③中立である事。3つの要件が欠けた場合は、即時撤退。必要最小限の武器所持。
 日本は日本なりに貢献すべき。
 集団的自衛権は、他国の戦闘に参加するものなので、日本の防衛力強化にならない。
 事実と規範があり、平和じゃないからとそちらに合わせる事はない。
 規範的概念としての平和を。
 安倍さんは憲法改正をあまり考えていないと思う。集団的自衛権をやりたかった。経済界の動きとリンクした行動。
(休憩時間に質問項目を持ち寄り、世田谷区長・弁護士・憲法カフェ主催のお母さんの3人のトーク。以下、平文は弁護士の話)
・徴兵制は、可能性はあるかも知れないが、現在の憲法18条で認められていない。
 世田谷区長「自民党元幹事長 加藤紘一さんが『犠牲者が出てくれば、徴兵制の話が出て来る』と言っている。戦争に直接参加する事がないとして、これまで自衛隊員は入隊して来た。いま憲法上無いから、徴兵制は無いという安直なものではない。
・安倍総理が何を考えているのか。武力行使した後に、最低限だったと言うと思う。刑法の正当防衛。武器対等の原則があるが、抑止する為に、パンチより銃と言ってくるかも。
 世田谷区長「安倍総理は『解釈改憲をしても、基本的考えは何ら変わらない』と言っているが、参議院予算委員会で『密接な関係にある国の相手の武力行使の態様で相対的に決まる』と答えている。つまり、向こうの武器のランクがエスカレートして行けば、上がっていく伸縮自在。必要最小限とは、内閣が決める。言っている事が情緒的。
 関連法が通らなければ、閣議決定の意味をなさない。関連法案は13くらいあると言われているが、一括法でやると言っている。昔では考えられなかった。
 安倍さんに『戦前の教育のどこが間違っていたか?』と国会議員時代に聞いたら『突然聞かれても答えられない』と言った。日本の過去は正しかったと思っているのだと思う。自虐的に否定され続けたのが、戦後レジウムだと。
 世論がカギになって来る。新聞の声欄に、中高生が載るなんて今まであまり考えられなかったが、多くなって来ている。
 与党の人達は『国民は、70日経つと忘れる』と思っている」。
・国際法・憲法、どっちが上下、一概には無い。憲法で、国際法が位置付けられるので、憲法のほうが上という考え方も。
・(宣戦布告を必ずしなければならないか?)
区長「キャロライン条項というのがあって、宣戦布告しなければならなかったが、ブッシュが9.11の時『時代が変わった』と言った」
 集団的自衛権の行使というのは、地球の裏側まで行く事。この条文があったら、イラク戦争には行っていたのでは。
・閣議決定・法律が出来ても、誰かが侵害されないと違憲の訴えが門前払い。
 違憲立法審査権。日本の裁判所は行使できない。ドイツには憲法裁判所があり、違憲かどうか判断できる。
 コスタリカの大統領がイラク戦争について指示しただけで、違憲と判断。
 北海道恵庭事件でも、憲法判断しなかった。裁判で争うのは、難しい。

休憩時間中や終了後、世田谷区長、弁護士さんなどと意見交換。
(10時過ぎに帰宅)