枝野幸男衆議院議員・大野元裕参議院議員報告、集団的自衛権について(浦和)。
集団的自衛権について、枝野幸男衆議院議員・大野元裕参議院議員が報告。
枝野衆議院議員(党憲法調査会長)報告:
憲法について、学校ではあまり教えてくれない。
国会が国民に義務を課す権限は、憲法で与えられる。
立憲主義と民主主義がセットで、近代社会の正当性を持つ。民主主義だけではダメ。
立憲主義は、王様の時代に出て来た考え。気に食わない人がいたら殺したり、懐が寂しくなったら税金をかけるような事を、フランス革命の頃からしばって来た。
民主主義は決していい仕組みではない。最後は多数決。多数決は少数意見を切り捨て、権利や自由が侵害されるリスク。「国の負担が大変だ。少数のこの人達に税金をかけてやろう」。
高齢化社会だからと言って「お年寄りを支えれば支えるほど苦しくなるから、姥捨て山に」。あるいは、お年寄り達が「俺達は若い頃頑張ったから、若い人に税金をたくさん納めてもらおう」。ダメですよね。
自分は多数派だと勘違いする人がいる。自分の人生を通じて自分が多数派でいられる人は1人もいない。誰も明日は分からない。人間ある部分では少数派となる部分を持っている。
抽象的なルールで縛るのが、立憲主義。一時の風で憲法がコロコロ変わる事が無いようにする事。近代社会では当たり前のルール。安倍さんがこれに反している事はご存知の通り。
ホントに一番権力を持っているのは、内閣官房副長官なのではないかと思うが。
近代立憲主義が確立されていない国は、安倍さんの嫌いな国、北朝鮮・中国。まさに安倍さんがやろうとしている事と同じ。
安倍さんや公明党は「過去の解釈と論理的整合性は取れている」と言っているが、合格点は与えられない。
昭和47年、個別的自衛権の政府見解。国民の生命・自由・幸福追求の権利が根底からくつがえされる事態をはねのける。
今回安倍さんが「明白な危険がある場合」と言っている。今回のは、明らかに違う。
なぜ我が国が攻められていないのに、武力行使が出来るのか。石油が入って来なくなったと言うだけで、武力行使できる事になる。
他国が攻撃受けてるかどうかは関係ない。
覆される事態にならないとダメだったのに、覆される事態になっていなくても、拡大。つじつまが合わない。
太平洋戦争は、石油を確保する為に起きた。これなら、ウクライナはロシアに戦争を起こせる事になる。ウクライナはロシアに天然ガスを止められそうになっている。
日本の自衛隊は、領土・領海でないと武力行使出来ないだったが、今の時代は、ミサイルだけが飛んで来る。ミサイル基地を米軍が撃つしかない。ミサイルだけを壊せる。
集団的自衛権の見直しは、将来に渡ってはあるかも知れないが。
大野元裕 参議院議員(党安全保障総合調査会事務局長)報告:
安倍さんが使う言葉「安全保障環境が変わっている」。
自衛権は憲法には書いておらず、国連憲章から来ている。
人類は愚かな事に、第1次大戦の後、国際連盟をつくったが、再び過ちを犯した。
特別協定。安全保障の合意。これが国連。
戦争の禁止。国連憲章2条4項。
ところが国際法は、非常に特殊な法律。国際社会に警察はいない。国連事務総長は、ただの事務方。
戦争の禁止が書かれているのに、しかし捕虜・機雷の扱いについても書かれている。
42条、集団安全保障。国連軍。
安全保障理事会で、15か国のうち5か国が反対すると助けられない。やられて終わり。
51条、自衛権を認める。自国の勝手な権利ではない。集団安全保障が認められるまで認められる。
武力行使で1発撃ったのは、武力攻撃ではない。武力攻撃とは、継続的かつ組織的。意図を持っている事。
第2次大戦後、国連軍をつくるはずだった。
ベトナム戦争・アフガン戦争では、集団的自衛権が、戦争をする口実になってしまった。
歯止めなく、どこまでもやっていいのか。「石油が止まったから」では、結局同じになってしまう。日本は経験から学び、果たしてそれでいいのか。
根底から覆される事態。これについて丁寧に議論し、きちんと伝えたほうがいい。
今年末、日米防衛ガイドライン。97年の改定の時と違って、日米とも金が無い。97年の時、想定していなかったのは、サイバー空間と宇宙。
政府自民党が出した15事例。自民党は、ひとつひとつの事例を細かく検討せず、閣議決定した。
事例8、韓国が武力攻撃を受けていて、日本国民が乗っている米艦を守るのは、国際法違反。なぜ米艦に乗っているだけを議論するのか。どの船に乗っていようが守れるようにしたらどうか。
事例14、機雷掃海。ホルムズ海峡は日本の船が年間3千隻通る。日本の石油8、9割が通る。
機雷の除去。機雷は志向性が無い。どの国の船が通ろうが。
ホルムズ海峡は22カイリしかなく、近隣国の領海内。
日本は162日間分の石油備蓄。中国は恐らく20日。インドも十数日。日本が干上がる前に、国際議論に必ずなる。日本が単独で行くのは、考えられない。
自民党は、これら具体的事例を飛ばして、閣議決定した。伝える作業もしていない。
民主党は、どの党よりも早く見解を出した(2月27日・6月27日に発表した資料が今日配布されました)。
(民主党 2月27日発表 集団的自衛権をめぐる憲法解釈の変更に関する見解。
民主党 6月27日発表政府の15事例に関する見解)
みんなの党は賛成から反対に回って、結いの党・維新は棄権に回った。
第2次大戦後つくられた懸念に答えられない。
(徴兵制についての質問)
枝野:イラク戦争・アフガン戦争、どちらも多くの犠牲者を出し、後から間違った戦争と評価された。こういう事態になったら、日本の隊員の親族は、はがいじめにするのではないか。
自衛隊員が足らないという事態が生じる可能性がある。
しごく簡単に憲法を変えてしまうのだから、10年後に徴兵制の法律をつくる事は想像できる。安全保障の観点からは、徴兵制は機能しにくい。
大野:自衛隊員が、政治に信頼がおけなくなったら、今と同じかは分からない。
(平和運動の質問)
枝野:何となく不安だと思っている皆さんはマジョリティ。日本の平和運動のこれまでの傾向は、小さくなって、内向きになっていってしまっている。ロジックで、いかに集団的自衛権がダメなのかやっていかないと。
大野:日本が何を装備するのか慎重に考えなければならない。例えば、F16を1機整備するのに、隊員16人いる。
日本がA国は危険だと火を付けてはいけない。米国国防総省で、尖閣について聞いたら、日本の小島でなぜ米兵が命を落とさなければならないのかという意見が半分。尖閣を取られたら台湾などが丸裸になるという意見が半分。安倍さんがやろうとしているのは前者。(以上、報告)
県庁。県議と意見交換。
狭山に戻り、市内自治会夏祭りを回る。途中、雨でずぶ濡れに。
(9時半に帰宅)