宮城県仙台市。震災がれきの処理施設を視察。仙台市職員にご説明を頂いた(以下、説明)。
津波でなぎ倒された仙台市若林区の松林。
津波が押し寄せた時の写真をご覧になった方も多いと思います。
若林区荒浜地区。この地区は津波で800名弱が亡くなっている。海岸から4キロ離れた所にも津波が来た。(震災後、私が被災地の惨状を最初に目の当たりにしたのが、この地区でした)
震災翌日、ヘリで救出された模様がTVで生中継された荒浜小学校の近くに、がれきの分別・破砕・仮設焼却施設がある。市内3ヶ所、合計100ha、焼却能力480t。
農水省で今年くらいから津波にあった畑の除塩が始まる。
県道10号線の海側は、居住制限し、集団移転(『津波地域からの移転対象1706戸~仙台市』と、偶然、仙台に伺った日に報道されていました)。住民の9割が賛成、反対派は黄色い旗を家の前に掲げている。
気仙沼市では、がれき焼却施設の用地の借り上げに時間がかかり、今日くらいに地鎮祭で、秋くらいに焼却炉が出来る。
仙台市の震災がれきの量の推計135万トンは、極端にずれる事は無いだろうが、がれきの種類のバランスが違う事はあり得る。がれきの塩分が梅雨の雨で流されて、リサイクルに回せている。
仙台市では、昨年4月22日頃から、がれきの撤去開始。ここの焼却炉は昨年10月1日稼動。
ここに搬入される段階で、分別がされていないと、追い返し、最初は業者から苦情が来た。
がれきと仙台市の生活ゴミの焼却灰は一緒に既存の最終処分場に処分している。
がれきで分別出来るものは10品目に分別。50%以上リサイクルする目標。
木材は、製紙工場などのボイラー燃料になるので、売却している。
がれきの一時保管場所は、自然発火しにくいように高さを5mまでと制限し、がれきの表面温度を毎日測り、温度が高くなると場所を変えている。
この焼却炉は中古で、震災から3年間のリース。2年4ヶ月間の稼動で、40億円(運転管理費は別)。阪神大震災の時も同型を使用した実績がある。震災がれきの処理規模は、国内最大規模。
バグフィルターは新品。排ガス設備は、通常の焼却炉と同等。
津波でごちゃごちゃになったものは、破砕し、分別していない。(がれきの広域処理をお願いする他の被災市町村では、それでも更に厳しく分別を行っていたと視察したさいたま市議から聞きました。詳しくは後日お伝えします)
焼却するがれきに、土が多く、残さ率(燃え残る率)は通常のゴミの場合15%だが、5割。燃えにくい場合は、助燃材的に、木や重油を入れ、燃焼温度800℃をキープしている。
津波の土(堆積物)130万トンの活用は、国などと協議中。
仙台市は、石巻市・東松島市・女川町のがれき10万トンを早ければ7月から、焼却から埋め立てまで一貫して受け入れる予定。
既存の焼却炉を使うと、津波の塩分があるので、影響が無いように一般ゴミとまぜて焼却している。
がれきの放射線量は、月1回調査。数値は高くても、焼却灰が260ベクレル、飛灰1300ベクレルで、埋め立て処分の基準8000ベクレルを下回っている。街中にある焼却炉は、草木を燃すので、1030、ベクレルと比較的高い。
この施設敷地内の空気中の放射線量は0.08ベクレル。(さいたま市議が持参したガイガーカウンターは、さいたま市で計った数値0.07より、このがれき処理施設は0.04と低い値でした)
アスベストの調査(モニタリング計画)については、昨年3月から市内30ヶ所測定。仮置き場・処分場でも月1回調査。
建物を解体する前の調査でアスベストがある場合、ここには持ち込まない。(以上、説明)。
実際にがれきの処理現場を見せて頂いて、知らなかった事が分かり、良かった。
仙台市の職員の方に聞いたら、今日説明頂いた2人のうち、1人は横浜市の職員で1年間の派遣で来ているとの事だった。昨年は1、2ヶ月間の派遣が多かったが、今年は3年間の職員もいる。
私も県議会で質問し、埼玉県は他の県よりも多く被災地に県職員を派遣しているが、被災地の業務応援だけでなく、災害にあった現場の職員に出来るだけ負担をかけずに被災地以外の者が状況を把握しやすくする仕組みが大事だと思って、今日職員に聞いた結果分かった事だった。
岩手県盛岡市。これからのくらし仕事支援室。室長さんにざっくばらんにお話を伺いました。
市議時代、消費生活センターの取り組みで、一番進んでいる盛岡市にお邪魔した時、お世話になった職員が中途退職して、このNPOの役員をやっていると聞き、お邪魔しました。行政の手の届かない、生活に困った一人ひとりに寄り添って相談に対応しているとの事。埼玉県は、国のハローワークの業務を今後国に代わって行おうとしている。