2013年11月25日の活動

新潟県津南町。(観光動画。女神輿・ひまわり50万本・雪のかまくら など)
 今日は初めての農業、蕎麦の畑仕事。
 あれをやってという指示は一切無く、人がやっているのを見て、自分は何をやればいいか考えてやらせて頂きました。
 まず、農協で蕎麦の入ったズタ袋(20kg)をトレーラーへ荷揚げ作業。

ほ場整備中。日本で一番おいしい米が出来る。写真奥の高台だと肥料を3倍以上使う。
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 次に、ほ場(田んぼ)整備の現場見学。雪解け水の信濃川沿いの(元は川だった)肥沃な堆積土である為、肥料の量が、ここより少し高台にある田んぼの1/3~1/5で済む。再来年、ほ場整備が終る。600俵取れる見込み。8町歩は来年から作付け(1町は約1ha)。
 1年で日本人1人が食べる米の平均は1俵=ご飯1000杯分。
 津南町は日本で一番の豪雪地域で、雪降ろしは例年7,8回やっている。この地域では10月までに米を刈った後、11月以降に蕎麦を刈る。今日は今年最後の蕎麦の刈り取り作業。

蕎麦の茎は普通、これくらいは立っています(ちょっと見にくいですが)。
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トラクターの間の畑は、まだ蕎麦を刈る前です。雪で蕎麦の茎が倒れてしまっています。
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蕎麦の茎を、起き上がらせた後。
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 蕎麦の畑は、先日雪が15cmも降って、ほとんどの茎が倒れてしまい、茎を起こさないとトラクターが蕎麦の実の付いた茎を刈り取れない(実際、茎を起こさないで刈り取った所は、蕎麦の実が畑に多く残っているのが見て分かった)ので、茎を手で起こす作業をしました(天候の影響で今年は蕎麦を植えるのが遅かった)。何も道具が無く、始めは、かがんで茎を手で起こしましたが、効率が悪く、腰も痛くなるので、何か使える物は無いか探し、たまたまあった家庭菜園用の支柱を使って起こしました(道具を使い始めた人類の進歩を感じます)。起こした後は、トラクターで刈り取る(トラクターは1台500万円。うち150万円は県から補助が出るが厳しい。使えるのは15年くらい)。今日刈った畑で蕎麦は80kg取れる。
 作業場に移動。蕎麦を粗選別機へ、ズタ袋から小分けにして移す作業。今日以降、蕎麦を食べる時の気持ちは違いますね。
 今日は昼食と言われるまで、ただ寡黙に働いた。12時だから昼食ではない。気がつけば3時半になっていた。写真を撮ってる余裕も無い。町の定食屋さんは時間的に閉まっていたので、津南観光物産館で昼食。とんかつが、とってもおいしかったです(越後湯沢駅でも、津南の豚カツを見かけました)。食事を待っている間に、物産館を見て回る。

津南で一番標高が高い畑は、もうこんなに雪が。
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 来週には本格的に雪が降り始めるので、津南町で一番高い所にある畑の作業場を、雪から守る為、鉄の柱を何本も建てて、閉める作業。柱は1人では中々持ち上げられないほど重い。
 津南町の一番高い所以外は雪が積もっていないが、ここはもう10cmは積もっている。
 山の上なので、周りの山系が見渡せて、小さな事は吹き飛びそう。

舞茸やヒラタケが2、3分でこんなに取れます(樫の木)。
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 山で舞茸・ヒラタケ採り。舞茸は、倒れた樫の木に多く付く(数分で結構な量が採れます。味噌汁にしたら、うまそうだし、体に良さそうだ)。木は死んでも役に立っているのだと思いました。
 今日は雪で湿った蕎麦刈りだったので、ハプニング続きでした。蕎麦を刈るトラクターは調子が悪く時々止めて整備しながらになり、作業場の農業用水の側溝は詰まって水が作業場にあふれ出したのであわてて枯葉をかき出し、蕎麦を乾燥させる機械はショートして煙が出たりして。農業は自然が相手だから、機械でやるだけでなく、色々調整しながらやっているのだと思いました。
 昼休みには、TPP、コメの農家収入と消費者価格(農家が売った額の約倍)、農業所得補償、若い農家の月収など農政の国政の話。TPPがどうなるかによって農家は大きな影響がある事が心配だが、交渉がどうなっているのか示されていないので、来年さえどうなるか不安だ。
 昼休み直前の休憩では、作業場の小屋のストーブで、せんべいを焼いて頂きました(おいしいって言ったら「お腹すいてるからだろ」って言われました(^^))。風が出て来たのを見て、すぐ外へ(私は風が出て来た事に気付かなかった)。
 4時半になって日が暮れると、新潟の雲は、日本海の水をたっぷり含んでいるので重く、空がすぐ真っ暗になる。5時に作業終わり。
 日の出・日の入りと共に生活する生き物である人間として、本来は当然の営みを、ここではしているのだなと思いました。
 今回津南に来て、色々考えさせられました。
 市議会時代から「子供達には全員、農業体験をさせるべき」と主張して来ました(狭山では実現。県議としても求めています)が、今日改めてその必要性を強く実感しました。
 公務員・議員の皆さんも在職10年くらいしたら1度改めて農業をやられる事をお薦めします。(仕事の成果とは何かをはじめ)考える事・発見があります。
狭山に戻り、自治会長と意見交換。
津南にいる時も、県教育委員会や市議と電話でやり取りしました。
津南で泊まった旅館のおかみさんが子供の為に作った“バケツプリン”のブログが面白かったです(写真付き)。

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蕎麦の畑仕事をしていて思った事
 農作業は、成果と失敗を直接実感する。ちゃんとその場その場で改良を考えないと、収穫量が減るのを、まざまざと体感させられる。
 スピードも要求される。来週の雪に備えて、今日中に全ての蕎麦を刈り取らなければならないものの、蕎麦の茎をトラクターが刈る前に立てなければ、収穫量は下がる。
 一方、行政・政治の仕事には、形式的な事が多い。
 毎年の報告書の作成。何年かに1度の計画の見直し。申請書の確認。1言1句の形式が重んじられる。
 式典。イベント。その場で結論を見出さず、「今後検討する」で終ったり、連携の確認で終わる事が多い打ち合わせ・会議(議会・委員会)・研修会・視察が目的化している・・・。
 「民間と行政は違う」。本当にそれで済まされるのでしょうか。行政の給料・退職金や福利厚生(育児休暇など)は、民間の平均よりいい。それでいて、成果を民間以上に発揮しなくていいのでしょうか。行政・政治は、命と安心がかかっているはずです。
 県民の声無き声。行政・政治への期待感は、本当はどうなっているのか。
 行政・政治の存在価値が問われている事の自覚を、今回の体験で強くした。
 行政職員はなぜ雇用が保障されているのか?
 保障されているのに、なぜ上司に楯突いて「間違っている」「変えよう」「すぐやろう」と言えないのか。形式的な事を、成果が高いものに改良しようとしないのか。行政職員は、上司にどんなに楯突いても、クビにはならない。シベリアに飛ばされる事も無い。市職員なら飛ばされても市内。県職員なら県内。給料・ボーナスが、ある程度下がったりもしない。
 私は批判をしているのではありません。当然、優秀な行政職員に会う事も多々ある。
 県民に対し、行政の存在意義の底力がちゃんと伝わるように、証明して欲しい。
 上田知事でさえ、選挙の投票率が低かったのは、1人の政治家が優秀で成果が上がっても、そこの公務員の底力が有権者に伝わらなければ、県民の行政に対する期待感はそれほど上がらない事が示された結果だと思う。
 行政の必死さが見たい。求めていきます。
(このテーマについては、決算委員会の私の質問内容について当HPへの記載が終わり次第、改めて記載します)