市民要望対応。
商店街役員から相談。
市商工課長とやり取り。
元国連 難民高等弁務官 緒方 貞子氏(86才。現 JICA 国際協力機構顧問)講演会(参議院議員会館にて)。
(以下、講演内容)
学生時代、歴史に興味があった。
戦後、初めて女子大が出来、私は聖心女子大の1期生。政治学を専攻し、どうすれば戦争を避けられるかを研究。クラスの半数が留学した。
アメリカ留学の理由は、日本がどうしてアメリカと戦争をしなければならなかったか、戦争にどうして負けたのか疑問だった。あんなに親しかったアメリカの国がなぜ爆撃したのか。
大学の非常勤講師は大変だった。子供を早く寝かし付けたり。
偶然、国連に日本が加盟した年。市川房江さんから国連総会に参加する日本代表団に3ケ月加わってとのオファーに、当時私には小さい子がいたが「そういう事は受けなさい」と父が言った。知らない人に沢山会えた、いい経験だった。こんな沢山の人が世界にいるんだなと国連で、もまれた。後に国連の職員になるとは、この時考えていなかった。
その後、国連人権委員会に日本人として初めて参加。
国連高等弁務官に日本人がなる事は日本として重要だった。当時、連邦国家の崩壊があった。ソビエト連邦の崩壊、ユーゴスラビア連邦の分裂。
紛争国で、危ない目に何度もあった。
社会開発が必要だ。東南アジアでの紛争で、“人間の安全保障”が必要だと思った。人間の安全保障に、女性の力は大きい。
今は通信技術の発達で、大航海時代と同じような状態。自分の国だけでなく、隣の所も良くなっていかないといけない。みんなに満足度を与える外交を。
今年5月に、初めて国連で人間の安全保障の会議が開かれた。私は現在もリーダーの一人。
日本がどうすれば、もっと役に立てるか、考えて欲しい。
全部の事を国が治められない。
全ての国が納得・バランスするポイントを探るのが一番大事。
偏見の強いメディアでは、国と国との人間関係が悪くなる。「こういう所のニュースを出してもらいたい」と議員が注文すべき。NHKさんなんかに(会場笑)。メディアはどうしても惰性に流される。
(質問:女性であった事のメリット・デメリットは?)女性でなかった事が無いから十分答えられないが(笑)。家・家業というものが日本には強くあって、逆にそういう事もあるから女性は元気がいい。女子学生は、かなり元気。女性である事をうまく利用するといい。
子供を家に置いて国連に出たので、最初は他の子供を見ると涙が出た。でも家に帰ってみると子供が元気にしていた。
ガリ事務総長(エジプト人)の逸話。日本を非常に尊敬している。日本海海戦などで、伸びて来た日本。日本を訪問された時私も同行したが、東郷神社に行かれた。日本やアジアに大きな役割を果たしてもらいたいと言っていた。
日本は難民の中でカンボジアのみ受け入れた難民に冷たい国。厳しい審査。卒業証書を持っていないかまで聞かれる。卒業証書を持って逃げる難民はいない。非常な工夫をしないとならない。
(質問:国連に日本人が少ない。日本人はどう世界に羽ばたけば?)日本には言葉の問題。日本人の文化。日本はcomfortable(豊か)な国だから、外に行きたい人が多い。もう少し役に立つ人が増えてくればなと思う。
こじんまりしていれば、幸せな時代ではない。
積極的な国際協力主義になってもらいたい。
(質問:原発についてどう考えるか?)どこまで安全か私は技術者ではないので、分からない。少なくとも、原発は100%安全に出来るのでなければ、輸出に使って欲しくない。昨年、エジプトなどを訪れたが、科学的な協力は一方で必要。
東日本大震災時、世界からの援助は、本当に予想を超えた。同情心。しかも貧しい国から沢山来た。日本に対する理解。これからキツい時があっても、国際協力を。
(講演以上)
NHK『緒方貞子 戦争が終わらない この世界で』は、210円で見られます(8月17日に放送された)。
「ルールを守る事が大事ではない。目の前で苦しんでいる人を救う事が最優先」「まず“やる”と決めて動き出しましょう」
「日本が中国・米国と戦争をする事になったのは、“指導者層の不決断・無責任”」「内向きは無知」
「(難民が)家を失う事は非常につらい事(福島の事を想いました)」などの発言が印象的でした。
本にサインをして下さいました。地域の若い人に、緒方さんを身近に感じてもらおうと思います。
緒方貞子さんの存在を、若い人などに身近に感じてもらおうと、緒方さんの著書『私の仕事』(草思社)にサインを頂きました。(以下、著書内容)
「日本にいると世界の動きを現実のものとして感じる機会は極めて少ない。意識的に世界の厳しい状況に関心を寄せ、身を置く努力を」
「戦後日本は紛争に巻き込まれないで済んだ。その事により、紛争の解決に、日本はどうしたらいいか、自分の問題として考えて来なかった」
「国際的な責任感・目標が、日本全般でまだ希薄」 「最近、日本は内向きになっている」「日本には人道大国になってもらいたい」「日本の一般の人が、グローバルな取り組みに関わる自覚と関与の意識変化が絶対に必要」「日本において内向き思考が進んでいる事に、私は不安を募らせている」
「危機的状況下で決断を繰り返す経験が必要」海外だけでなく、国内においてもその通りだと思いました。
「アフガニスタンのタリバーン政権が、女子が学校に通う事を禁止していた時、ある教師は自分の家で79人の少女を教えましたが、それでも政権は家で学校を開く事を閉鎖させたので、その先生は少女を客だと説明し、続けました」
「“人間の安全保障”の概念は、“人々が中心”」
「国際社会で言葉は大切。意思を伝える手段だけでなく、相手の文化を学ぶ材料」。
『難民つくらぬ世界へ』という緒方さんの本もあります(初版は高等弁務官当時の96年)。『私の仕事』のほうがおススメです。
緒方さんがいたUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)では、毎月3千円の支援があれば栄養食60人分、毎月1500円の支援で30人分の教科書、毎月5千円の支援で難民テント4張が1年で購入できると、寄付を呼び掛けています。(資料ご希望の方には差し上げます)
HPには、毎月でなくても、1度の寄付で、何に使えるか、金額ごとに具体例を提示しています。寄付は千円以上から。コンビニなどでの支払いも可能。
世界では、今でも人身売買される人が年間60~80万人。
アフガニスタンでは、妊産婦の死亡率が10万人あたり1600人いる(日本は2~3人)との事。
「行動に結びつかない研修や講演会は、やる意味が薄い」と、私は公務員に言っているので、私も行動します。
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大野参議院議員に質問。寄付文化を発展させる手立てについて。
県庁。県議と意見交換。
社会福祉課。
資料作成。
(0時半過ぎに帰宅)