小倉駅前のペデストリアンデッキで青く見えるガラスの部分に太陽光パネルが貼られている。
北九州市、環境ミュージアム。施設職員の方から大変興味深い話を伺いました(以下、説明)。
北九州市は政令指定都市ではあるが、人口が減少しており、産業も以前のようには活気が無くなっている。“工場誘致”のような今までの産業振興策では、日本全体の人口減少の中では立ち行かなくなる。
OECD(経済協力開発機構)の“グリーンシティプログラム”に、パリ・シカゴ・ストックホルム・北九州市が選ばれた。環境と経済のバランスが取れていると評価された。
工業団地をエコタウンと位置付けて、リサイクル工場を誘致。
これまで工場は汚いイメージがあり、工場と住宅街は分離されて来たが、これからは工場で発電した水素エネルギーを住宅街で活用するなど、共存共栄が必要。
九州大学は阿蘇山で地熱発電の研究をしている。
佐賀大学では、海の温度差を利用した発電により、2千世帯の電力を賄おうとしている。これが実用化されれば、日本国内でエネルギーが供給出来る様になる。エネルギーの自給が必要だ。
市内城野地区(基地跡地)では、ゼロ・カーボン先進街区を整備する。
韓国 釜山市と北九州市は、環境部門の提携を結び、水道事業などのノウハウを海外に輸出している。
北九州市内には、風力発電を70基整備していく。福岡県には離島が多く、地域での発電が福島原発事故以降、重要で、1つの電力会社に頼れない。北九州の新日鉄では水素発電しているので、地区に2系統ある電気が止まっても、大丈夫。
岩谷産業は、海水から水素を分離する研究をしている。今のところ、水から水素を取り出す時に要するエネルギーのほうが、得られるエネルギーよりもかかってしまうようだが、取り出す時に使うエネルギーは自然エネルギーを活用しようとしている。
宮城県では地鶏が盛んなので、鶏糞の発電をしている。
山口県では風力発電を整備した事による低周波で、鳥の動きが変わったのではないかという話が出ている。鳥はミカン畑の葉の裏に付く虫を食べてくれるので、鳥がいなくなると影響が出る。
北九州エコハウス。
モデルルームのような1戸建て。説明員の方に聞いてみたかった事は、この家の太陽光発電設備の費用を、来場者から聞かれたら答えているかどうかで、答えていないとの事だった。
この建物は、暑さ・寒さに対して家のつくりをどう工夫するかのアイデアが提案されている。大がかりだと思ったのは、太陽熱を家の中にパイプを通し、ファンで床下に空気を送る仕組み。また、地中熱を利用して夏は涼しく、冬は暖かい空気を取り込む仕組み。2階の床に1階との通気口・屋根にも空気を逃がす通気口をつくり、風通しを良くする設計。ベランダの緑化。2重ガラスによる断熱。現代版の縁側・土間。日光を最大限活かす建て方、雨水利用などが紹介されていました。
北九州技術保存継承センター。
夏休みという事もあって、小学生を対象とした「人が乗る タコ歩きマシーン」や「人が乗る浮き輪で作ったホバークラフト」の試乗など楽しそうなイベントが行われていました。
館内の図書室には、ものづくりの専門書があって、『原発eye』という専門雑誌があり、目を通しましたが、昨年11月に休刊になっていました(97年までは『原子力工業』という雑誌名)。休刊に至った直接の原因を(ウィキペディアによれば)東京電力をはじめとする電力会社、原子力産業からの広告出稿数が福島第一原発事故後激減した事が挙げられているとの事)。