福島県双葉町の井戸川町長さんにお話を伺いに加須市 旧騎西高校へ。
埼玉県内にある被災地。写真右が旧騎西高校校舎で避難所になっている所。
旧騎西高校 玄関。 |
避難所の入口に貼ってあった『内部被ばく講演会』の案内。
こんな講演会を聞かなければならない人がいる日本の現実。
まず避難所の町民の方にお話を伺った。「井戸川町長が双葉郡の会議(除染などをめぐり福島県が主導して開いた双葉郡8町村長との協議)に出席しなかったりしたのは、国などに対しての駆け引きで、悪くないと思う」とおっしゃっていました。
福島県双葉町の井戸川町長にお話を伺いました
(加須市 旧騎西高校 町長室にて)。
井戸川町長さんに個人的にお話を伺うのはこれで3回目。
今回お会いしたかった理由は、脱原発政策を、政権が変わっても今後進めていくにはどうすればいいか考え、行動していく上で、原発事故で住み慣れた故郷から突然の避難を強いられ、町民の命と今後の生活を守る重責を胸に、町民間でも考えが色々ある中で、矢面に立って来られた双葉町長にお聞きするのが一番と思い、井戸川町長さんには忙しい中時間を1時間半も取って下さり(今まで見た事のない資料も頂き)、大変有り難かったです。
井戸川町長さんにお会いする度に私が申し上げたのは「我々首都圏に住む人は、福島原発事故で避難生活をしている双葉町民の置かれた現実や、福島原発事故から何を学び、何を改善しなければならないか、当事者ではないので、現実味が薄く、教えて頂かないと分からない」という事です。
今日お聞きした事を以下に記すと共に、今後必ずや活かしていきます。
(以下は町長から伺って私なりの記録)
町長としての任期は辞表を出してすぐ終わりではなく、辞表を出してから通常20日間と定められており、任期は2月11日の夜0時まで(7日に退任式)。
私は脱原発が主目的ではない。しかし、電力会社は原発事故の責任を取れない。それを東電に問う必要がある。
また、国内の各電力会社に、民間企業として原発事故の責任を取れるのかアンケートを取る必要がある。
我々は、避難の途中、川の水をろ過する物が無く、そのまま飲んだ。どれくらい被ばくしたのか。
利益追求の為の原発。
原発事故の賠償の為に税金を使う事を法制化したのをご存知ですか?(法律名:東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された核燃料物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法)法6条に官僚は“国民の責務”を入れた。こんな事を許していいのでしょうか。国民負担はノーと言っておかないと。政府は際限なく事故処理費用を使う。この事を知っておかなければ。
原発事故時、官房長官・事故担当大臣が正確な情報を隠した。その情報が何だったのか。もし2人が知らなかったとしたら、政権としてのていを成していない。
原発事故を忘れさせたい勢力がある。IAEA(国際原子力機関)も、WHOも、ICRT(国際放射線防護委員会)もそう。
原発について国民の間でしっかり議論出来ないのは、日本人の弱さ。
大河ドラマ“八重の桜”にも復興予算が使われている。
事故前は、原子力発電所の管理はそれなりにやっていた。しかし事故後は、放射線管理区域を変えるなど、事故後は、国が法律を破っている。最高裁の判例でも、年間放射線基準を1ミリシーベルトと出ているが、(早期帰還を目指す避難指示解除準備区域を)20ミリシーベルトにした。
国に、我々が何年後に戻れるのか戻れないのか質問状を出しているが、回答は未だ来ていない。数字をこちらが入れて聞いても答えない。
空間線量は下がっても、土壌線量はそれ程下がっていない。1月26日のデータでは空間線量が上がっている。
福島県内の考えは二極化している。福島県内の町民も、県外に出したかった。
帰町出来るかどうかの判断を、市町村独自にすべきでないと思う。
どれほど被ばくしたのか、報道が今されているだろうか。東京のドクターは肺がんを心配している。プルトニウムがあるか。体に入ったか分からない。
チェルノブイリを視察するには、通常ルートでは安全であると教育させられる。行くなら、獨協医科大学の木村真三准教授(福島各地の線量を測定、NHK ETV特集『放射能汚染地図』で取り上げられた)が何度も行っているので、聞いたほうがいい。長野県松本市長も熱心で甲状腺について詳しい。
ウクライナは見たほうがいい。働けない子供が多くいる。チェルノブイリ事故から26年が経った。26年後の日本はどうなっているか。
私は今後“一粒の麦”になっていく。
(以上)
町長のメッセージの中で、『双葉町は永遠に』のページは、ぜひご一読頂ければと思います。
頂いた資料には、福島原発事故は『広島原爆470発分以上の放射能』と書かれたものなどがありました。原爆の放射線量と福島原発事故がどうなのか比較したいと思っていたところでした。
↓ (騎西高校前にあった看板)年代別の標準タイムが書かれていていいなと思いました。
地図に距離数が書いてあるのも、いいと思いました。
社会福祉審議会(今年度2回目。浦和)。
1、生活保護受給者チャレンジ支援事業の取り組みが、実際に関わっている方から報告があった。
①教育支援
生活保護受給世帯の中学3年生の高校進学に必要な基礎学力の向上を図るため、県内大学との連携により学生ボランティアを活用した学習教室を開設し、高校入学まで支援。
大学生のボランティアの他にスタッフ57人、うち42人が教員経験者。東大Dr、臨床心理士も。
生活保護世帯の児童の半数は、いわゆる『小4の壁』が超えられない。分数が分からないなど、中学に入って、子供達は学校で“お客様状態”になってしまう。質問の仕方も分からない。
家庭訪問。母子家庭が75%。不登校は6人に1人。家庭訪問で子供と初めて話せる。
学習教室のモットーは「分からない事は分からないと言っていい」。
この事業を行った結果、高校進学は97%に、21年度比10%増えた。
1月に1回、教える学生自身の講習会を行っている。
②職業訓練支援 同じ境遇同士で刺激になっている。
(私からの質問・答弁については後日掲載)
2、発達障害支援について
【私からの質問】
①早期発見・早期療育は大事だと思います。
その上で、発達障害と言われた子が30・40才になっていく上で、社会性を身に付け、親も安心出来るようにしていく為に、県は、福祉部・保健医療部・教育委員会・産業労働部が一体で、発達障害の児童が実際どうなっているのか調査し、担当外の事も把握できるよう、体系的な資料をつくる必要があると思うがどうでしょうか?
3つのセクションで会議を行っているとは伺っていますが、具体的には、埼玉県はインクルーシブを目指していく考えなのか。
課題の洗い出しとして、就学前・低学年での向精神薬の影響は無いか。(向精神薬を飲む人の39%が就学前から服用を始め、36%が小学生低学年から服用を始めるとの調査結果がNHKクローズアップ現代で報じられていた)
小・中学生の保護者の相談はどのような事があるか。
就職できない人数は年々どうなっていて、何をしなければならないのか。などありますが、それらの中で、具体的に概略を聞きたいのですが、
②就職できない人数は増えているという認識でしょうか?
③職場体験の数を把握できているでしょうか?
④児童発達支援施設で、幼稚園との併用・連携が無い所はどこで、県はどう指導しているのでしょうか?
⑤県職員だけでなく、皆さんにも聞いて頂きたいのは、埼玉医大の発達障害専門のお医者さんから「3才までの子供はほとんどADHD」と聞きました。「発達“障害”」という用語は誤解を招く部分があると思う。発達障害や、発達障害傾向と言われた児童の中には、発達の遅れ・発達の進み具合の個人差(未発達)であって、親がアドバイスに基づき注視する必要はあっても、(児童が専門的な所に行かなくても)中学くらいになると、人並みになる児童も、私の知り合いにも何人かおり、わりといると思うのですが、どうお考えでしょうか?
⑥また、そういった意味から、県が保護者などに向けたパンフレットを次につくる時は、「発達障害」ではなく「発達が気になる子への支援」という表題のほうがいいのではないかと考えますが、いかがでしょうか?
(以上質問。答弁は後日掲載)
県から答弁があった後、現場の民間の方から「周りから見て“困った子”が“困ってる子”なんだという認識をすべき。児童生徒が将来人が信頼できるように、合理的配慮を。排除でなく、大人になるまでに生活スキルを付けられるように」とのご発言があり、言いにくいが、これまでや今日の県からの説明より、審議会委員の方からの説明は分かりやすかった。出来れば委員からの発言が県から聞きたかったのが、本音。
狭山に戻り、同じ年の7人と会合。
中途退職教職員について、ここでも話が出た。また、入間小の廃校と入曽駅前開発、入間中の廃校案などについて意見交換した。